日焼けした及川容疑者(院長を務める整骨院のホームページより)

「えっ!院長先生が逮捕されたんですか。体調不良による休診じゃないんですか?……信じられません」

 と整骨院近くに住む女性は絶句する。

 千葉県白井市の住宅街にある『しろい冨士整骨院・しろい鍼灸院』の院長・及川英治容疑者(48)が県警印西署に逮捕されたのは9日のこと。患者に対する準強制わいせつの疑いがかけられている。

 県警によると、昨年12月17日午後8時20分ごろ、治療のため同院を訪ねた県内在住の40代女性への施術中、犯行におよんだとされる。同院のホームページによると施術は通常午後8時まで。閉院時間を20分過ぎ、ほかの患者もおおむね帰った後とみられるイレギュラーな時間帯だった。

女性が触れられたくない場所を…

「被害女性は適切な施術を受けられるものと信じて及川容疑者の指示に従った結果、わいせつな行為をされた。犯行の詳細を明かすのは差し控えるが、一般的に女性が触られたくない場所を触られるなどしている。1週間後の12月24日、警察に被害相談があった」(捜査関係者)

 女性は1週間悩み抜いたのだろう。訴え出れば、思い出したくもない出来事を話さなければならない。泣き寝入りすれば、犯行が繰り返されるおそれもある。その辛苦は想像に難くない。

 及川容疑者は警察の取り調べに対し、

「全く身に覚えがありません」

 と容疑を否認しているという。前出の捜査関係者は、

「女性の被害申告を受け、裏付けを取っている。自宅を家宅捜索している。余罪があるかどうかを含め捜査を進めている」

準強制わいせつ事件のあった整骨院

 事件は新聞やテレビで報じられているものの、同院近くでは「知らなかった」と話す住民が少なくなかった。逮捕後、同院はシャッターが閉められたままで《院長先生体調不良につきしばらくお休みさせて頂きます》と貼り紙があった。冒頭の女性が誤信したのはこの貼り紙のせいだろう。

顔は浅黒くて、胸板が厚くてマッチョ

 別の近隣女性は及川容疑者の印象をこう話す。

「道端ですれ違えば院長から挨拶してくれます。性格が明るいし、日に焼けた顔は浅黒くて健康的。胸板が厚くてマッチョなんです。わいせつな犯行とは結びつきません」

 同院は10年前、もともと建具店だった物件を改良して開院。駅から離れており、交通の便がいいとは言えない。そのためか高齢患者はスタッフが車で送迎していたといい、10代から高齢者まで来院者は多かったという。

「院長の腕がいい。階段から落ちて手をひねったとき、丁寧に施術してくれ3回通っただけで治った。若い男性スタッフよりも院長のほうがパワーがあり、マッサージ中は痛みを感じるが、あとに違和感が残らない。別の箇所を痛めたときは、道端で治療の相談を持ちかけたら嫌な顔をせず立ち話のまま聞いてくれた。本来ならば“院に来てくれ”と言えばお金になるわけなのにね。ハキハキして礼儀正しいスポーツマンという印象だ」(近所の男性)

 その場で「うちよりも別のところにかかったほうがいいですよ」とアドバイスされ、「ある程度治ったらリハビリに来てはどうですか」と提案されたという。

「なんてたって院長はハンサム。奥さんも美人」

 同院の評判は悪くない。グーグルの口コミサイトでは満点5のところ4・5で、

《しっかり治療するならここです》(1年前の投稿)
《初回治療でギックリ腰の痛みが半減しました》(4年前の投稿)

 と評価する投稿が確認できた。

 腰を痛めた別の地元男性は、

「院長は物腰が柔らかく融通がきく。若い男性スタッフは“はい、はい”と院長の言う通りに動くなど求心力があるように見えた」

 と振り返る。

 70代の女性患者は、

「なんたって院長はハンサム。奥さんもめちゃめちゃ美人なのよ。美人の奥さんがいるのに患者さんにハレンチなことをするかしら」

 と容疑に首をかしげた。

 同院のホームページで、及川容疑者は施術理念をこう記している。

《痛みの原因や症状はその人それぞれの症状があり違います。日々の生活動作や姿勢、時には心因性のものまで我々は痛みの症状の原因を患者様と一緒に追求し、回復、改善、再発防止を目指し、一日でも早く患者様の笑顔を取り戻せる様、ニーズに答えられる治療プランを提供致します》(原文ママ)

 笑顔を取り戻すどころか、すっかり失わせる卑劣な容疑。被害女性の心の痛みははかり知れない。事件の全容解明が待たれる。

 
施術する及川容疑者(同院のホームページより)

 

 

日焼けした及川容疑者(院長を務める整骨院のホームページより)

 

同院にはリハビリ用とみられるトレーニングマシンがあり、開院直後から及川容疑者は身体を鍛えていたようだ(同院のSNSより)

 

シャッターの閉まった整骨院には事実をぼやかすような貼り紙が