“聞く力”に定評ある岸田文雄首相

 岸田文雄首相(65)が3月21日、ウクライナの首都キーウを電撃訪問。ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領(45)と会談し、連帯の意思を伝えた。その後の共同記者会見では、ウクライナに殺傷能力のない装備品を提供することを表明した。

岸田首相が現地を訪問で賞賛の声?

 昨年2月にロシアがウクライナ侵攻を開始してから、岸田首相が現地を訪問するのは初めて。このニュースは国内外で注目を集め、“歴史的な訪問”と称賛する声も寄せられている。そんななか、日本人のあいだでは岸田首相が持参した“あるもの”が話題になっていた。

岸田首相がキーウ行きの列車に乗り込むところを捉えた映像に、『うまい棒』の段ボール箱が映り込んでいました。そこからネット上を中心に『支援物資はうまい棒?』とささやかれていました」(全国紙記者)

 しかし、段ボール箱の中身はうまい棒ではなかった。

「松野博一官房長官が記者会見で、箱の中身がしゃもじだったことを明かしました。大きさは約50センチで、『必勝』の文字と『岸田文雄』の署名が入ったものだと聞いています」(前出・全国紙記者)

 意外な手みやげに、Twitter上ではツッコミが続出した。《なぜ、しゃもじ…》《しゃもじとか絶対いらない》《うまい棒の方が食べ物でまだ嬉しい…》

 さらにタレントのラサール石井も23日ツイッターを更新し、“必勝しゃもじ”贈呈について言及した。

《これ日本ではどう使うものか説明したのか。家を追われまともな食糧もない「戦地」だぜ。しかも戦争放棄を謳う国の総理が、侵略された国に「必勝」って。祈るのは平和だろう。》

必勝しゃもじのメッセージ

 しかし、このしゃもじには岸田首相なりのメッセージが込められているのかもしれない。観光業界の関係者が解説する。

しゃもじは、岸田首相の地元・広島の名産品です。それこそ『必勝』や『商売繁盛』、『家内安全』といった文言が書かれたものが販売されています。岸田さん自身も自民党総裁選のとき、広島県連から『祈必勝』と書かれた特大しゃもじをプレゼントされました

 なぜ、しゃもじが縁起物とされているのか。

「『飯(めし)とる』が転じて、『(敵を)召し捕る』となり、必勝祈願の縁起物とされています。日清・日露戦争の時代には、兵士たちは戦勝を願って厳島神社を訪れ、しゃもじを奉納したそうです」(前出・観光業界関係者)

 岸田首相は、こういった歴史的背景を踏まえて、ゼレンスキー大統領にしゃもじを贈ったとも解釈できる。しかし、だからこその批判もある。

「『ぴったりの縁起物だ』と褒める声もありますが、“戦勝祈願”、しかも日露戦争に繋がる背景を持つものということでの危惧もあります。《意味が重すぎる》《そんなに好戦的なメッセージで大丈夫か》といった批判も寄せられています」(前出・全国紙記者)

 新たな火種を生むことにならなければいいが――。

 

9月30日、クラスター爆弾への一部被弾を伝えるGangsta氏(現在は削除、編集部により一部修正)

 

「リマン制圧したので質問を受け付けます」とツイートして回答している様子(Twitterより)

 

ウクライナ政府公式インスタグラムアカウントで紹介された女性兵士

 

岸田文雄首相が即決した安倍元首相の国葬には、国民からの批判が相次いだ