動画内の失言について謝罪する中町兄妹(YouTubeより)

 テレビ離れが進むZ世代のカリスマとして人気沸騰中なのがYouTuberやインフルエンサーだ。中町綾(22)もそのひとりで、天真爛漫で男女共に人気が高いYouTuberとして有名だ。そんな彼女だが、先日飲食店の前で彼女が発した“失礼すぎる発言”がきっかけで批判が殺到し、波紋を呼んでいる。

 中町綾は、2016年に“日本一かわいい高校一年生”を決める「高一ミスコン」でグランプリを受賞。その後、ABEMAで放送された『今日、好きになりました。霞草編』や『真夏のオオカミくんには騙されない』に出演し、若い世代のカリスマ的存在に。最近では兄の中町JP(中町純平、25)とともに「中町兄妹」YouTuberとして、日常動画や仲のいいYouTuberとのコラボ動画をあげており、現在登録者数は150万人。個人のチャンネルでも125万人のファンを抱えている(4月13日現在)。明るく屈託のない笑顔や発言の面白さから、男女問わずファンも多い。

 今回の騒動の発端は、綾の友人である人気YouTuber・ジュキヤがあげたコラボ動画(現在は非公開)。新小岩を歩いていたジュキヤ・中町綾・中町JP・とうあの仲良し4人組だったが、『どるばこ』という居酒屋の前を通り過ぎる際に綾が、外から空席が目立っているのを発見し、

人気なっ!

 と大声で叫んだ。

 兄の中町JPは血相を変え、《お店の人いるから、お前さ!》と叱るも、ジュキヤ・とうあは綾の発言に大爆笑。綾は店前に店主と思われる人物がいることに気づき、《お店の人か。すみません、すみません》と謝ったが、店主が悲しそうな表情をする一部始終が映っていた。この動画に、批判の声が殺到。

「やかましいわ 親か」炎上に火を注ぐコメントで

「どるばこさん、たまたま人が入っていない時間帯だっただけで、普段別に人気ないわけじゃないけどな……失礼すぎ」

「店主がめっちゃかわいそうだった。子どものころから失礼なやつだったんだろうな」

「気分わる……動画内でみんな笑ってるけど、視聴者の俺は真顔だったぞ。もう救いようがないよ」

 また、綾の失礼な発言を面白がり大爆笑をしていた投稿主のジュキヤは、同動画のコメント欄に“煽り”ともとれる意見を書き込んだ。

《コメント欄にありがたいコメントを下さっている皆様へ。女の嫉妬が見えてて情けなさすぎて吐き気がするので控えるようお願いします》

 また、視聴者のコメント「綾ちゃん妹みたいで可愛いなって思いながらいつも動画見てるけど、『人気なっ!』って発言とか前も別の動画で何か言っちゃってた気がするからそういうのは本当に直した方が良いよ」に対し、

《やかましいわ 親か》

 と返信をするなど、全く悪びれない様子。同じく笑っていたとうあも含め、非難を浴びることに。

「これ中町綾の失態っていうより使えると思ってカットしなかった倫理観のない編集の失態では」

「笑い方も下品だし何が面白いのかわからない。だからYouTuberは常識がないって言われるんだよ」

「中町綾もたいがいだけど、横でガハハッって腹抱えてるふたりもどうかしてる」

 と仲間の対応に嫌悪感を示すコメントも相次いだ。

 これを受け、4月9日、中町綾は個人のTwitterで謝罪文をツイートしたのであった。

「車が通れなくて警察来てる」事態に

《今回、私がお店の方に失礼な言動、発言をしてしまった件、申し訳ありませんでした。

 そしてそれを見た皆様に不快な思いをさせてしまって申し訳ありません。
すぐお店の方にはお電話で謝罪させていただき、本日直接謝罪させていただくのを快く受け入れていただきました。

 何かお店のために私が出来ることは何かと考え、本日16時から17時まで短い時間ではありますがお手伝いをさせて頂く事になりました。よろしくお願い致します》

 謝罪の翌日には『中町兄妹』のチャンネルで「妹を居酒屋で働かせました。」なる動画をアップ。収益化せずお店を盛り上げる目的だとして、『どるばこ』の店長さんに直接謝罪、トイレ掃除からお店の準備や接客など全力で手伝いをしている様子を公開した。

 当日は事前に告知したこともあり、予約はいっぱい。はじめは反省して元気のなかった綾も、盛り上げ上手な兄・中町JPとともにお客さんと一緒に乾杯をしてまわりながらお店を全力で盛り上げた。

中町綾は水で、兄のJPはビールで予約客と乾杯(中町兄妹のYouTubeより)

 ただ、知名度のある兄妹を一目見に予約客でないファンも集まってきてしまい、『どるばこ』の前の道は大混乱……。車が通れない程の混み具合になり、当日を知るSNSユーザーからは警察が出動する事態になってしまったとも報告されている。

 同動画の最後に、今回の企画を担当した中町JPは、人が集まりすぎてしまったことに対して謝罪。

《妹の発言に関しては妹がすべて悪いです。申し訳なかったです》

 と前置きをしたうえで、

《『どるばこ』さんというお店は、僕が20歳のころからずっとお世話になっているお店で、プライベートですごく通っていたお店だったので。妹がすごい失礼な発言をしてしまったので、謝罪だけではなく、なにか『どるばこ』さんに協力できないか、ということで店長さんに相談させていただき、今回の企画が決まりました》

《人が集まりすぎないようにスタッフの方々やマネージャー陣と相談し配慮をしたのですが、配慮しきれない部分があり人が集まってしまいました》

 と経緯を説明。彼らなりにできる限りの配慮はしたものの、知名度ゆえの弊害が出てしまったようだ。

 当日の様子にについて、事前の告知を受けて見に行ったファンや、たまたま通りすがった地元民らがツイートをしており、

「即日だからまぁ余裕やろって思ってたけど、混みすぎて協力すらできん」

「車が通れなくて警察来てる」

「なんか騒々しいと思ったらYouTuberか」

 と混乱ぶりがうかがえる。

 一方で実際にお店を訪れたファンはこのように回想する。

なぜ事前にTwitterで告知したのか

綾ちゃんはとても反省している様子でしたね。カメラに映っていないところでも頑張って働いる様子が伺えました。集まってきた人だかりにマネージャーと思しき方が対応していましたが、群衆はあまり動く気配がなかった

 また当時者である『どるばこ』の店長の反応は好意的だったよう。店長のTwitterを見てみると、

《本日 16:00~17:00の間で中町jp兄妹様が一日店長で働かれます!
近くにお越しの方は是非御来店くださいませ!》

 と宣伝したり、

《この度はお手伝いしていただき有り難う御座いました!! サイン貰うの忘れたのが心残りだけど…》

兄の中町JPもバイトの手伝いをしていた(中町兄妹のYouTubeより)

 など、二人と笑顔でピースをする微笑ましい写真を投稿。もともとの店長の人の良さはもちろんのこと、中町兄妹の誠意も伝わった証だろう。しかし、大手YouTuber事務所の社員は今回の騒動について冷ややかに見ていたようで、

今回人が殺到した理由はシンプルで、“事前にTwitterで働く日時を発表したこと”に尽きるでしょう。のちに働いたことを動画化するなら“事後報告”でよかったはず。つまりこれは、事前に告知することで、人が集まることを期待してのことだったのではないでしょうか。画的にも映えますしね。動画でも“予約はすでにいっぱい”と話していましたよ。このような企画は当然、人が集まってトラブルになったりといった予期せぬリスクをはらんでいる。

 中町綾さんは中学2年生のときにスカウトされて、そこから大手芸能事務所に所属していましたが、数年で退所し、YouTube活動をはじめています。この企画は中町JPさんがすべて考えたものだそうですが、やはりYouTuberが個人でリスクヘッジをすることの難しさを感じた一件でしたね

 今年1月の『VoCE』特別インタビューで中町綾は自身の発言がたびたび炎上につながってしまう件について言及している。

《私はYouTube初期から隠しごとは一切なし。思ったことは何でも正直に話すし、プライベートも隠さず、すべてをさらけだした動画を作り続けていたんです。だけど、登録者人数が5〜60万人ぐらいのころから、人気とともにアンチも増えてきて。私のはっきりとした物言いが火種になって、炎上するんですよね。そのとき初めて、たとえ私のチャンネルでも、いろんな人が見ている場では思ったことをすべては言ってはいけないと気づかされた。でも、空気を読まずに発言することが私の武器だし、自分らしくいたい。そんな言葉にできないモヤモヤした気持ちがありましたね》

 よくも悪くも正直すぎるキャラクターが今回の炎上を招いたということだろうか。

中町綾のインスタグラムより

 

中町綾のインスタグラムより

 

中町綾は水で、兄のJPはビールで予約客と乾杯(中町兄妹のYouTubeより)

 

兄の中町JPもバイトの手伝いをしていた(中町兄妹のYouTubeより)