西武・山川穂高(2023年3月23日WBC侍ジャパン帰国会見で)

 西武ライオンズの主砲にしてWBC日本代表、西武山川穂高の知人女性への「強制わいせつ疑惑」は現在宙ぶらりんの状態だ。

 11日の「文春オンライン」の第一報の翌日、出場選手登録を抹消されたものの、一部報道では2軍の練習には顔を出している模様。

 一応現在捜査中とあって、球団としても2軍落ちはさせたものの決定的な処分を下すのは控えている状況のようだ。

 そんな中、この疑惑で大きな二次被害を受けた企業がある。

 ウェディング大手のワタベウェディングだ。

 山川は大学時代から交際している女性と2017年に結婚し、2018年12月にはワタベウェディング全面プロデュースによるハワイ・オアフ島で挙式をおこなっていた。この挙式がきっかけとなり西武ライオンズへのワタベウェディングのスポンサー契約が締結され、同社リゾートウェディングイベントをPRする役割を果たしていたのだ。

 このスポンサー契約は西武ライオンズの公式サイトなどでも誇らしく発表され、google検索でもヒットするものの、現在、ワタベウェディングの公式サイトでは山川のタキシードでの挙式写真などを掲載したページは閲覧不可になっているようだ。

山川穂高の挙式をプロデュースしたというワタベウェディングのリリース記事の検索結果。クリックすると記事は削除されている

 人生の門出を祝うウェディングの「広告塔」を務めながら、このような報道が出てしまうのは、スポンサー企業にとってもとんだ災難といえるだろう。

元西武同僚・森友哉にもセクハラ疑惑の過去

 西武の女性問題で思い起こされるのは、捕手の森友哉の一件だ。現在FAでオリックスに移籍しているものの、西武在籍時の2020年4月、写真週刊誌FLASHで、自宅に女性を呼び寄せ、「セクハラマッサージ」をさせた疑惑が報じられた。

 同誌によると、前年に知人の紹介で森と知り合ったという女性Aさんは度々「家に来て」と口説かれ、「有名な選手だし、一度会ってみようかな」と彼の家を訪れたのだという。

 会話の弾まぬ中、「脚をマッサージしてや」と求められ、キワどい下半身の部分を「そこさわって」「もうちょっと奥」などと触れるよう求められ、さらには腰に両脚を絡めて体を密着させる行為に及んだとか。

西武ライオンズ時代の森友哉捕手(プレスリリースより)

 しかしAさんは「やめて」とはっきりと拒否。その後キッチンの洗い物などをさせられ、帰ることにしたという。帰り際には「また今度」と、タクシー代として1万円を渡されたそう。

 この一件は同誌に「濃厚接触強要」などと報じられたが、球団側は「マッサージ中に抱き寄せるなどの行為や、セクハラと受け取られるような会話は、なかったという認識です」と説明している。

 結果的に女性に不快な思いをさせたこと、コロナ禍に女性を自宅に呼んでいたことなどは不適切だったが、「力ずくで…」のようなことがなかったのは社会人としての常識、いや良心で踏みとどまったのだろうか。結果的に、性加害ではなくセクハラ騒動程度で大事には至らなかったのだった。

 山川の一件に戻ると、WBCのドキュメンタリー映画『憧れを超えた侍たち 世界一への記録』に影響するのではともいわれている。この映画6月2日公開と発表されたが、仮に公開延期になったり最悪お蔵入りということになれば山川個人に損害賠償が請求される可能性も取り沙汰されている。

 ワタベウェディングの件、映画の件といい、一つの不祥事で思わぬ二次被害、思わぬ迷惑を被る人というのはあるもの。だからこそのコンプライアンス徹底が大事といえよう。