※画像はイメージです

 ビール、スパークリングワイン、ウイスキーハイボールなどの炭酸系のお酒。夏場は特に最初の乾杯で飲む人は多いだろう。

「悪酔いしないためには実は最初の1杯が大事で、ビールなどの炭酸系のお酒は避けましょう。なぜなら炭酸ガスによって胃のぜん動運動が促進され、小腸でのアルコール吸収が速まってしまうからです。この作用によって酔いが早く回ることになります」

 とは、日本抗加齢医学会専門医で、日本唯一の現役“ソムリエドクター”としても知られる青木晃先生。できるだけ長くアルコールを胃にとどめて、小腸への到達スピードを抑えることが悪酔い防止の秘訣だという。

医師がNG!1杯目の「とりあえずビール」

 では、炭酸系のお酒はどうやって飲むのが適切なのだろうか?

「最初の1杯で飲みたいときは、小さなグラスでちょこちょこ飲むといいでしょう。食事の最後に飲むのもおすすめです」(青木先生、以下同)

 1杯目は避けたいビールだが、最近では腸内をきれいにするという報告も。

「ラガービールを1日1杯(330ml)飲むと腸内細菌叢の多様性が増したという報告があります。腸内環境の良しあしは、腸内細菌叢の多様性にあります。つまり、ラガービールが腸内環境を良くすることがわかってきたといえるでしょう。

 また、ビールは『ビール酵母』の発酵によってつくられますが、ビール酵母は食物繊維もたっぷり含んでいるので、便秘解消などにも効果が期待できるでしょう」

 ビールだけでなく赤ワインも腸活に効果が。

「赤ワインに多く含まれるポリフェノールは腸内で『食物繊維』と同じように働いて、腸内環境を良くすることがわかってきました。実はポリフェノールは腸内で吸収されにくいのですが、ポリフェノールによって腸内環境が改善され、ポリフェノールの分解が進んで、吸収率が上がることもわかってきました」

 さらに、ポリフェノールにはアルツハイマー型認知症の大きな原因とされる『アミロイドβ』の分解を促す働きがあるともいわれている。

「まだきちんと解明されているわけではありませんが、赤ワインに含まれるポリフェノールの一種『レスベラトロール』は認知症予防に対する効果が期待できるという研究結果も報告されています」

アントシアニン、レスベラトロールなど赤ワインに含まれるポリフェノールは強力な抗酸化作用がある※画像はイメージです

 赤ワインがアンチエイジングに役立つ抗酸化作用が強いことはよく知られているが、おつまみの組み合わせでさらに効果がアップできる。

医師が推薦するベストおつまみ!

「アンチエイジングにおすすめなのは、あらゆる食品の中でもずば抜けてビタミンB群が豊富な豚肉。発酵食品のキムチを加えれば効果が倍増します。キムチの辛さに負けないパンチのある赤ワインを合わせると、おいしくいただけますよ」

 美容効果を高めるにはおつまみ選びはとても重要。気になる美肌や美髪にうれしいおつまみを聞いてみた。

「肌と髪のハリをアップするには、コラーゲンを多く含むやげん軟骨、手羽先、豚骨スープなどがおすすめです。

 ツルツルな美肌を目指すならビタミン、ミネラル、タンパク質をバランスよく含むイクラやタラコを選ぶといいでしょう」

 青木先生の近著『美しい女は呑んでいる:美人をつくる美酒指南』には、お酒とおつまみの組み合わせなど、きれいで健康になるお酒にまつわる情報が満載。この夏、きれいを目指した飲み方を始めてみては?

『美しい女は呑んでいる:美人をつくる美酒指南』(主婦と生活社刊、1650円)

『美しい女は呑んでいる:美人をつくる美酒指南』(主婦と生活社刊、1650円)※記事の中の写真をクリックするとアマゾンの紹介ページにジャンプします

 美肌、快腸など美容健康効果を高めるお酒の飲み方が楽しく学べる一冊。著者は『日本のSAKEとWINEを愛する女性の会』代表理事の友田晶子、医療監修は日本抗加齢医学会専門医の青木晃。

青木晃(あおき・あきら)●日本抗加齢医学会専門医、医療法人晃和会ウェルエイジングクリニック南青山理事長。日本のアンチエイジング医学の第一人者として20年以上にわたり活躍。日本唯一の現役“ソムリエドクター”としても知られる

 

アントシアニン、レスベラトロールなど赤ワインに含まれるポリフェノールは強力な抗酸化作用がある※画像はイメージです

 

発酵食品のキムチもおすすめ!

 

餃子はアルコールの分解に必要なビタミンBを多く含む豚肉が豊富に含まれている