決済以外にも『PayPay』アプリ内では、資産運用や保険などの金融系のサービスからショッピング、映画の予約、フードデリバリーまで、幅広いサービスを利用できる 写真/共同通信社

 

 2023年5月1日、PayPayがサービスの新たな条件変更を発表。ユーザーからは「史上最大の改悪だ」と大ブーイングが起こった。

2つの「改悪内容」

 PayPayとは、ソフトバンクとヤフーが共同設立した「PayPay株式会社」が提供するQRコード決済の一種で、2018年10月からその提供はスタート。その後わずか4年でユーザー数は5500万人を突破している。これは国民の2・3人に1人が利用した経験がある計算となる。

 そんなQRコード決済サービスで国内ナンバーワンの座にいるPayPayが5月に発表した2つの変更内容は、「(1)クレジットカードでの決済は、PayPayカードかPayPayカードゴールドのみ。他社カードは不可」「(2)“ソフトバンクまとめて支払い”の毎月2回目以降のチャージに手数料が発生」というものだ。

 ユーザーにとってはどう見てもデメリットでしかないこのサービス内容の変更に「回収のフェーズに入った」「いつものソフトバンクのやり方だ」などと批判の声が聞こえてきていた。

 これを受けてソフトバンクの宮川潤一社長は、6月20日の株主総会で“(1)他社クレカ締め出し”の延期を示唆。6月22日には公式ホームページで「(1)の実施は2025年1月から」と、当初の予定であった8月1日から大幅に延期することを正式発表した。

 PayPayが発表した内容によると、今回の変更に対してユーザーからは「さまざまな意見が寄せられた」といい、「一部ユーザーを困惑させる結果になったことを反省している」とした。さらに2025年1月までの今後1年半を「サービスを徹底的に磨き込む期間にする」と続けた。

 クレジットカードや電子マネー業界に精通する、消費生活ジャーナリストの岩田昭男氏はこう語る。

PayPayの失墜を待ち望むライバルたち

「PayPayがわれわれの生活に浸透した理由としては、ユーザー目線では、“クレジットカードより手軽であったこと”が大きい。クレジットカードを日常的に使うことに抵抗がある現金派の層に刺さった。加盟店目線でいうと、サービス開始当初、商店街などでPayPayの営業マンが手数料ゼロを売り文句に、ドンドンと開拓していった。

 個人経営の小売店などで、抵抗なく現金以外の決済方法を取り入れるきっかけとなったんです。つまり、“現金以上・クレジットカード未満”くらいのちょうどいいポジションで、世の中になじんできたんです」(岩田氏、以下同)

PayPayの画面

 ただサービス開始当初から公表していた中小規模の加盟店に対する「決済手数料無料キャンペーン」も2021年9月末で終了、加盟店離れも心配されていた。

「今回の発表で、ユーザーはPayPayカードでしか決済できないとなると、便利だったPayPayがただの普通のクレジットカードになっちゃうようなもの。今の世の中で、わざわざ新しいクレジットカードを使おう、とはなりづらい。それだったらPayPayを使うのをやめるという個人が出てくるのは当然だし、PayPayも導入しないよって店も出てくる。

 今回の“改悪”が延期となっても、いずれ使いづらくなるとわかっているなら、他のサービスに切り替えようと離れていく人が出てきてもおかしくないでしょう。ライバルの楽天ペイをはじめ、ドコモのdポイント、auのPontaポイント、それに来年にはVポイントが本格的にオープンします。有望な“ペイ”たちが、巨大な経済圏を作って、PayPayの失墜を待ち構えているんですから

 “社会のインフラ”を目指すなら、細々とした改悪はやめて、ユーザーファーストのサービスを目指してほしいものだ。

 
フォロワーに料理注文を“おねだり”する志柿じゅみ(公式ツイッターより、一部編集部加工)

 

志柿じゅみ(インスタグラムより)

 

「お腹ぺこぺこです!」フォロワーにオーダーを催促する志柿じゅみ(公式ツイッターより)

 

女性アイドルグループ『momograci(旧名:桃色革命)』メンバーとして活動する志柿じゅみ(公式インスタグラムより)

 

侍ジャパンの帰国を出待ち、テレビ局からもインタビューされた志柿じゅみ(公式インスタグラムより)

 

動画でモバイルオーダーサービスを説明、QRコードの読み込みを促した(志柿じゅみ公式ツイッターより)

 

フォロワーが注文した球場グルメを、現地で受け取ったとされる画像(志柿じゅみ公式ツイッターより)

 

PayPay公式からも規約違反との見解(公式ツイッターより)