大谷翔平 写真/共同通信社

「(外食は)記憶にないですね。基本的には球場でごはんが出る。次の日も試合があると、なかなか遅く帰ってくるわけにはいかないので」

 日本時間12日、MLBオールスターゲームに出場した大谷翔平。前日の会見では今シーズン、外食していないことを明かしたが、外出許可制だった日本ハム時代には出前で腹を満たしていた。

 大谷が日本ハムでの5年間を過ごした千葉・鎌ケ谷市の寮。その近くにある『東新軒』という町中華が“推し”だった。同店の店主、新川雅久さんに当時の話を聞いた。

「大谷くんは店に来てくれたことはないのですが、シーズンオフに鎌ケ谷の施設で自主トレをしているときは出前をよく頼んでくれました。大谷くんから電話で注文がきたり、出前を届けにいったら大谷くんが受け取りに来たこともありましたね

お気に入りのメニューは

『東新軒』の店内には大谷翔平のサインや写真、応援グッズなども飾られていた

 大谷はどんなものをよく食べていたのか。

「肉野菜炒めや焼肉定食の肉大盛り、エビチリをよく注文していました。あとは『清宮くん焼肉チャーハン』ですね。これは清宮幸太郎くんが'17年のドラフトで指名されて、入団することになったときに歓迎メニューとして作りました。大谷くんは'18年からエンゼルスに移籍しましたが、2月に渡米するまで鎌ケ谷で練習をしていて、その年の1月はかなりの頻度でこのメニューを食べていました」(新川さん、以下同)

 チャーハンの上に甘めのタレで炒めた焼き肉や玉ねぎ、ピーマンがのったボリュームのある一品。後輩の名前がついたメニューを食べ、メジャー挑戦の準備中だった当時の大谷はどんな印象だったのか。

入団したころは体格が細かったですが、だんだんと大きくなっていって、アメリカに行く直前にはメジャーリーガーの身体になっていましたね。日本ハムにいたころは、野球ファンの間では有名でしたけど、今ほどの人気はなかった印象。清宮くんが入寮するとファンがよく見にきて、100人くらい集まったこともあったのですが、大谷くんのときは30人くらいだったかと思います。ここまですごい選手になるなら、一緒に写真を撮ったり、話をしておけばよかったなと。いつか店のことを思い出して、来てくれればいいんですけどね」

 ホーム球場のあった北海道にも愛する味が。旭川市の『クレイジースパイス』という店のカレーが好きで、足を運んでいたという。当時を知る店員に話を聞くと……。

「あのころは札幌ドームが本拠地で、このお店まで距離があるのですが、旭川で試合があるときやオフシーズンにイベントがあるときには、必ずといっていいほど来てくれていました。日本ハムの関係者はよく来店してくれますが、大谷くんは選手の中ではいちばん来てくれたと思いますね。彼は好青年という感じで、お店の人ともフレンドリーにお話をしていましたね」

こだわりの食事・睡眠

 大谷が好きなカレーは?

『トリプルチーズのオムカレー』というメニューにゆで卵とチーズとエビとマヨネーズをトッピングしてよく召し上がっていました。かなりボリュームがあり、タンパク質も結構あるので、身体のことを考えてメニューを選んでいるのかなと思いました」(クレイジースパイスの店員、以下同)

大谷翔平

 当時から食事には気を使っていた大谷。カレーと一緒に、よく注文した飲み物も。

ラッシーというヨーグルトドリンクに、疲労回復効果のあるクエン酸を入れたメニューがあるんですけど、それをよく飲んでいました。かなり酸っぱいので、他の方はあまり頼まないんですけど、大谷くんはよく注文していましたね。そういうメニューがあったことも、うちを気に入ってくれた理由かなと思います」

 大谷といえば食事のほかに、1日10時間以上も寝ているなど、睡眠を大切にしているが、そのときにもこだわっているものがある。

遠征のときにも、しっかり睡眠をとるために、マットレスと枕を持っていっています。日本に帰国した際に、頭の形や肩幅などを測ってオーダーメードで作っているもの。寝違えを起こす選手も多いですが、大谷選手の場合はそういうこともなく、快適な睡眠をとることができているようです」(スポーツ紙記者、以下同)

 メジャーリーグでは飛行機移動も多いが、そのときに欠かせないものがある。

加重アイマスクというものを使って、飛行機の中で寝ているようです。これは一般的なアイマスクと比べて、重みがあり、眼球周辺に圧力がかかることで副交感神経が刺激され、リラックス効果があるとされています。二刀流はかなり体力を使うので、移動の間もしっかり休んで疲労を取ることに専念しています」

気になる女性のタイプは

 プライベートは謎が多く、女性関係の浮ついた話もない大谷。推し活といえば、好きな有名人を応援することを思い浮かべるが、彼にも“推し”はいるのだろうか。

「以前、好きな女性のタイプとして、芦田愛菜さんの名前を挙げたことがあるようです。ただ、このときはタイプの人をしつこく聞かれたため、当時まだ子役だった芦田さんの名前を出してはぐらかした可能性はありますね」

芦田愛菜

 テレビなどにまったく興味がないわけではない。オールスターの前日会見で「バラエティー番組や映画も見ます」と話していたが。

「大谷選手は日本ハム時代、投手として先発する前日は、なるべく試合のことを考えないように寮の部屋で映画を見ていたようです。スポーツをテーマにした映画をよく見るようですが、中でも『しあわせの隠れ場所』というアメフトを題材にした映画がバイブル。日本ハムの寮でチームメートにもすすめていたようで、映画を見るときには無塩のアーモンドをよく食べていたそう。ドラマも流行りのものはチェックしているようで、'21年に大ヒットした『イカゲーム』なども見ていました。また、バラエティー番組では、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)が好きだと聞きました」

 “推し”を楽しむために、公私共に欠かすことのできないものがあるという。

「『iPad』は常に持ち歩いています。野球に関しては、練習メニューや試合での投球、打席での映像を見て反省しているよう。プライベートでもiPadで漫画を読むことが多く、大好きな『SLAM DUNK』もこれで楽しんでいるそうです」

 活躍を続ける陰には、“ナイショの推し活”をしているのかもしれない。

大谷翔平が好きだった中華料理店『東新軒』の『清宮くん焼肉チャーハン』

 

清宮幸太郎

 

大谷翔平がチームメートにすすめるほど好きなアメフトを題材にした映画『しあわせの隠れ場所』(ワーナーブラザースジャパンHPより)

 

大谷翔平が通っていた、母方の実家近くにある稲荷神社

 

奥州市役所に設置されている右手像(奥州市観光物産協会SNSより)

 

大谷翔平が小中学生時代に通っていた「前沢バッティングセンター」。ファンの間では聖地化している

 

大谷翔平が高校時代、放課後に夕食までのおやつ代わりに食べていたラーメン店「バガボンド」の「やわらか肉丼」

 

大谷翔平が好きだった「チョコバナナクレープ」