キャンドル・ジュン氏、鳥羽周作シェフ

 広末涼子を巡って2人の男が舌戦を繰り広げ、W不倫騒動の収束は一向に見えない。思い返せば、かつて何度か芸能界で不倫を発端とした男同士の熱いバトルが勃発。2004年には布袋寅泰と高岡早紀のW不倫に、保阪尚希が怒りの会見を開いたことも。「私のためにケンカはやめて!」渦中となった女性の胸中と、騒動の結末を振り返る。

 巷をにぎわせている広末涼子による不倫騒動。『週刊文春』によって報じられた、鳥羽周作シェフとのホテル密会や交換日記などの生々しい情事は衝撃的だったが、さらに騒動を拡大させたのは“男たち”による言動だった。

「6月18日に、広末さんの夫であるキャンドル・ジュン氏が記者会見を開きました。そこで、広末さんと子どもたちを守っていくという決意を見せたため、世間からは概ね好意的に受け止められました」(スポーツ紙記者、以下同)

 ところが、会見の1週間後に週刊女性はキャンドル氏によるスタッフへの暴行&不倫疑惑を報じた。一転してキャンドル氏には厳しい視線が向けられた中、ここぞとばかりに“反論”したのが鳥羽シェフだった。

「7月1日に、長野県で行われた新店舗のオープンに訪れたスポーツ紙の記者たちに対し、“あいつは抹殺されたほうがいい”“俺のほうが純愛でまとも”などと不満をぶちまけたのです。鳥羽シェフはキャンドル氏の会見の内容や対応に納得してなかったんでしょう。しかし、開き直りとも取られかねない言動で、鳥羽シェフに対しても批判が殺到しました」

 不倫相手と現夫が舌戦を繰り広げ、双方が批判を受けるという混乱に陥り、自分たちで火に油を注いでしまっているのが現状。

 今回のケースをみて、2004年に報じられた高岡早紀と布袋寅泰によるW不倫を思い出す人も少なくない。

「人の妻を寝取っておいて許せない」

「当時、高岡さんは保阪尚希さんの妻で、布袋さんは今井美樹さんと結婚5年目。お互い芸能人夫婦の間で起きた不倫騒動で、高岡さんと布袋さんのキス写真も衝撃的でした。騒動の直後、布袋さんは“火遊びが過ぎた”とコメント。これに保阪さんが激怒して会見を開き、“人の妻を寝取っておいて許せない”と猛烈に批判しました」

 結果的に保阪と高岡は離婚して、ふたりの子どもたちの親権は高岡へ。一方の布袋は、いまでも今井との結婚生活を続けている。

 芸能人による不倫はたびたび報じられるものの、その多くは当事者が謝罪し、一定期間の謹慎などで忘れ去られていく場合がほとんど。だが、振り返ってみると、ほかにも芸能界で不倫を発端にバトルを繰り広げた男たちはいた。

岡田准一、高岡蒼佑

 実際に起きた3つの不倫騒動について、芸能リポーターの石川敏男さん、芸能ジャーナリストの佐々木博之さんとともに振り返っていく。

 まずは、宮崎あおいを巡る高岡蒼佑と岡田准一のバトルから。

「高岡さんと宮崎さんは2007年に結婚。しかし、2009年に高岡さんが元グラビアアイドルとの“手つなぎ泊”が報じられるなど、夫婦生活には当初から暗雲が垂れ込めていました。さらに、2011年7月には高岡さんが自身のツイッターで、韓流コンテンツを数多く放送していたフジテレビに対し、“とりあえず韓国ネタ出てきたら消してます”などと投稿したことが、差別的だと批判されました」(ワイドショースタッフ、以下同)

 一連の言動が問題視され、数日後に高岡は所属事務所を解雇される。奔放な高岡に愛想をつかしたのか、結婚生活に終止符を打ったのは宮崎のほうだった。

「2011年12月に離婚した原因は、高岡さんの差別発言だったとされています。しかし、離婚が発表される前に、当時V6のメンバーだった岡田准一さんとの不倫疑惑が報じられていたんです。宮崎さんと岡田さんは温泉に行く約束もしていたということでした」

坊主頭にして芸能界を辞めさせる

 宮崎と離婚する前の高岡がこれに激怒した。石川さんが当時を振り返る。

「高岡さんが“岡田准一をバーに呼び出して土下座させた”“坊主頭にして芸能界を辞めると誓わせた”という噂が出回っていましたね。男としてのプライドが当然あったんでしょう。ツイッターで暗にふたりを非難してもいました」

 2020年に高岡は役者引退を発表し、現在は格闘家の道へ。芸能界を離れ、丸くなったと思われたが、“最終的には芸能界最強といわれる岡田くんとも負けたっていいからやってみたい”と挑戦状を叩きつけるなど、今も岡田への怒りはくすぶっている様子。

 一方、宮崎は離婚から6年後の2017年に岡田と再婚。2人の子どもにも恵まれるなど、幸せを手にしている。

「宮崎さんも岡田さんも不倫関係を認めることはなかった。それで、時間をおいて最終的に、ふたりは結婚した。噂がついてまわる中で、それでも結婚に踏み切ったのは相当な覚悟が必要だっただろうし、それほどまでに岡田さんがよき伴侶だったんだろうね」(石川さん)

 時間はかかったものの、宮崎と岡田が結婚をつかみ取ったのは“何も語らなかった”からだという。

 佐々木さんが解説する。

「おそらく宮崎さんには高岡さんとの結婚が失敗だったという認識があって、不倫しちゃったんでしょう。ですが、ふたりとも公の場で何も語りませんでした。これは正解です。あくまで疑惑なので、スルーしたほうがいいんです。余計なことをしゃべらなければ、世間の興味もなくなり、静かに収まっていく。それが一番いい形」

三代目市川猿之助(現・猿翁)、藤間紫

夫と籍が入ったまま猿之助と同棲した柴

 宮崎&岡田のように不倫から結ばれたカップルはほかにもいる。歌舞伎界の超大物である三代目市川猿之助(現・猿翁)と藤間紫さんだ。

「10代のころ、猿之助さんは踊りを教えてもらうために、日本舞踊の藤間流を訪れました。そこで当時、六世藤間勘十郎さんの妻だった16歳年上の紫さんに出会い、恋に落ちてしまったんです。しかし紫さんは既婚者で、夫の勘十郎さんは1960年に人間国宝に認定された超大物。猿之助さんは周囲のすすめもあって、1965年に元宝塚女優の浜木綿子さんと結婚しました」(石川さん、以下同)

 結婚後、すぐに息子の香川照之が生まれたが、幸せは長くは続かなかった。

猿之助さんの心には、初恋の人である紫さんしかいなかった。結婚後、すぐに家を飛び出して、紫さんとの同棲生活をスタート。浜さんとは1968年に離婚しています」

 一方、紫さんは勘十郎さんと籍を入れた状態のまま、猿之助との同棲に踏み切った。ふたりの離婚が成立したのは1985年のこと。

「同棲開始当時、勘十郎さんは猿之助さんのことを嫌っていたのかもしれませんが、時間がたつにつれ、そんな気持ちもなくなっていたとか。ですが、歌舞伎界の大物となっていた紫さんの利権問題や家族間での思惑が飛び交って、離婚に時間がかかってしまったんです。そもそも紫さんは離婚する気はなかったと思いますよ。猿之助さんとは事実婚の状態で、20年もうまくやってきたわけですから」

 不倫報道にも揺れることなく、ふたりは支え合いながらよきパートナーとして長年、生活を共にしてきた。そして2000年、紫さんと猿之助は再婚に踏み切った。

「紫さんは別に再婚する必要はないと思っていた。ですが、猿之助さんは紫さんに大きな恩があって、最期を看取りたいと思っていたんです。猿之助さんは『スーパー歌舞伎』を立ち上げて名をあげましたが、実現の立役者となったのは紫さん。だからこそ“最後の骨は俺が拾うんだ”って、猿之助さんは考えていたそうです」

 紫さんは2009年に他界。結婚生活は短かったが、若かりしころの恋を数々の困難から乗り越えて成就させた“大恋愛”だったといえるだろう。

子連れ同士のW不倫で、妊娠も発覚

 これまで見てきたように、芸能人の不倫は、当事者や周囲の思惑が絡み合って、大きな騒動に発展する。しかし、状況だけみれば“ドロ沼”でもアッサリと解決してしまうケースもある。それが、ファンキー加藤とアンタッチャブル・柴田英嗣の騒動だ。

「柴田さんが2015年5月に離婚していたことが2016年に発覚しましたが、その原因が柴田さんの元奥さんとファンキー加藤さんによる不倫だったと報じられたんです。しかも柴田さんの離婚の4か月後には、元奥さんが加藤さんの子どもを妊娠したことが判明。加藤さんは元マネージャーの女性と2013年に結婚して子どもがおり、柴田さんにも2人の子どもがいた。子連れ同士のW不倫で、妊娠もしてしまうというカオスな状況でした」(前出・スポーツ紙記者)

アンタッチャブル柴田英嗣、ファンキー加藤

 ところが“サレ夫”の柴田は、怒りに身を任せて行動することはなかった。

ファンキー加藤さんは、不倫相手の夫が柴田さんであることを、不倫発覚後の話し合いの場で初めて知ったそうなんです。ですが柴田さんは、その場で加藤さんに激高することもなかったとか。もともと友人だったから、というのもあったのかもしれませんが、自分の妻がいちばん悪いってわかっていたんじゃないでしょうか。夫と子どもがいることを隠していたわけですから」(佐々木さん、以下同)

 妻を寝取った加藤に、柴田は怒るどころか、その後も大人な対応を見せた。

柴田さんは子どもたちの面倒をしっかり見ていて、公の場でふたりを非難することは決してなかった。子どもを通じて、加藤さんとの交流さえあったと聞いています」

広末の不倫騒動が長引く理由

6月21日、代々木公園で開催されたイベント『CANDLENIGHTTOKYO』に参加するキャンドル・ジュン氏

 一方の加藤も、柴田の元妻との間にできた子どもを認知し、養育費を支払うなど、ケジメをつけるべく動いた。

「謝罪会見を開きましたが、決して“騙された”などとは口にせず、自分の非を認めて丁寧に対応。そして、今でも当時の奥さんと結婚生活を続け、2020年には双子も誕生。W不倫という大きな騒動でしたが、当事者の寛大さのおかげでドロ沼化しなかった珍しいケースです」

 芸能人の不倫はそれぞれの方法で幕引きが図られてきた。なぜ今回の広末の騒動は、これほど長引くのか。

争っている男たちは著名人ですが芸能人ではないので、自分たちが口を開くことでどうなるのか想像できないのでしょう。男同士のプライドや嫉妬深さが働いて、話がどんどんややこしくなってしまった。そういう意味では、キャンドル氏と鳥羽シェフは人間臭さが溢れている人たちなんでしょうね」

 広末の不倫騒動は、どのような結末を迎えるのか。

石川敏男 芸能リポーター。東京都出身。松竹宣伝部や女性誌記者を経た異色の経歴の持ち主。現在はワイドショーやラジオにてコメンテーターとしても活躍中
佐々木博之 芸能ジャーナリスト。宮城県仙台市出身。『FRIDAY』で取材活動をスタート、長い記者歴のなかで数々のスクープを手がける。現在はテレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中
宮崎あおいとの離婚の翌年、2012年3月に高岡蒼佑がツイッターに投稿したのは

 

2008年3月、高岡蒼佑(当時は蒼甫)と宮崎あおいの披露宴に出席した岡田准一

 

鳥羽シェフの公式Twitterでは“広末愛”を爆発させていた

 

自身のTwitterで広末に会った感想を興奮気味にツイートしていた鳥羽シェフ

 

2011年にまだ生まれたばかりの子どもを抱く夫のキャンドル・ジュン(写真右)と広末涼子

 

布袋との不貞がきっかけで離婚したとされる高岡早紀と保阪尚希

 

2002年12月、桐島ローランドの結婚披露宴パーティーに出席した布袋寅泰と今井美樹

 

今年6月、W不倫について話を聞くと、言葉を詰まらせながらも認めたファンキー加藤

 

新しく生まれた子どもを抱っこひもで抱え家族全員で外出するファンキー加藤

 

仕事終わりに直撃すると、わざわざ車から降りて対応した柴田。加藤とは逆に、こちらの問いかけにすべて回答した柴田。元妻を気遣う姿勢も見せた

 

三代目市川猿之助(現・猿翁)、藤間紫

 

六世藤間勘十郎(写真/共同通信社)