歌手や俳優、声優、演出家、本の著者などいくつもの顔と才能をもつ美輪明宏が今年5月に88歳の誕生日を迎えた。
美輪といえば、金色のロングヘア―に艶やかなメイクを施した中性的な風貌が有名だ。2005年には、『オーラの泉』（テレビ朝日系）で“スピリチュアルブーム”を巻き起こし、テレビ番組に引っ張りだこに。先日も金曜ロードショーで『もののけ姫』が放送され、犬神、モロの君（きみ）の声優を圧倒的技量と存在感で演じきった美輪への称賛がネットで集まったばかり。
現在は2019年に脳梗塞を患ったことやコロナ禍を機にメディア露出が激減。月1回のレギュラー番組『美輪明宏 愛のモヤモヤ相談室』（NHK Eテレ）や『ありえへん∞世界』（テレビ東京系）など、身体に負担のない程度に仕事を絞って出演している。
そんな愛の伝道師・美輪だが、最近ネットでは「われわれの知っている姿じゃない！」と、あまりの“容姿”のギャップに心配の声が寄せられて続けているのだそうだ。
話題になったのは、7月11日放送の『ありえへん∞世界』。美輪氏は同番組にコメンテーターとしてオンラインでレギュラー出演しており、7月11日には「ありえへん気になる人」というコーナーで経済学者の成田悠輔（38）とお互いに質問攻めしあうスペシャル対談が放送された。そのビジュアルの“激変ぶり”が話題になっている。
出演時間が多い特番回で
「どうしちゃったの？ 私の知っている美輪様ではない…」
「美輪さん、ひとまわり小さくなっている。前に脳梗塞になってたっていうし体調悪いのかな……？」
「めちゃくちゃ痩せましたね。顎関節から首にかけて特に」
確かに頻繁にメディアに出ていたころと比べほっそりとしたような……痩せて元気がないようにも見える。なぜ今になってこのような指摘が？
「美輪さんは『ありえへん〜』のレギュラーではありますが、普段からオンラインパネルで参加していて口数が少ないこともあり、たまに発言したりした際に顔が映る程度の露出でした。しかし、11日放送回は番組は特番回、美輪さんの誕生日も祝うかたちで、成田さんとガッツリ対談するスペシャル企画が組まれたんです。映る時間が普段よりかなり長かった。SNSで心配の声が多々寄せられたのも、そういった要因からではないかと思われます」（テレビ誌ライター）
視聴者からは体調不良も心配されている。しかし、そんな美輪にはかねてから“超人エピソード”が語り継がれてきていて、
「舞台『毛皮のマリー』公演中に右手の粉砕骨折という重傷を負いながら薬を飲むだけで自力で治したという逸話があります。“芝居に影響するから”という理由でギブスを外したまま出演を続けたというんです。
それだけではありません、10歳のころに原爆を被爆し、白血病と診断されたという美輪さんですが、これも“何もしないで治った”というんです。本人も“しばらくして白血病だと言われて。原爆の放射能でそうなったんだと。その時も何もしないで治っちゃったの”とテレビ番組で語っていました」（同・テレビ誌ライター）
「老い」とは、人生の総決算
脳梗塞を発症したあとの2021年には雑誌『婦人公論』で自身の“老いとの向き合い方”について語っている。50代、60代の頃と比べると、体調の浮き沈みも激しくなり、もとから抱えている慢性気管支炎の影響もあり、最近は数日単位で体調が変わるそうだが、
《けれど、「老い」は誰しも避けられないもの。受け入れるしかありません。（中略）ただ、老いて大樹になるか、朽ち果てるかは、人それぞれでしょう。何のために生きてきたのか。どう生きてきたのか。今までの人生の積み重ねが問われるのです。つまり「老い」とは、人生の総決算の時期と言ってもいいでしょう》
そんな美輪の生きざまはしっかりと届く人には届いているようで、激変がネットで話題になったのと同時期にこのようなコメントも散見された。
「われわれも88歳まで生きることができたらわかるよ。むしろ矍鑠（かくしゃく）としていらっしゃるし、年齢にしては十分お若いほうだと思う」
「88歳になっても溢れ出るオーラ、すごいな。むしろ神化している」
「この方の若い頃のステージの立ち姿、整った目鼻立ち、美しくしなやかな手指振る舞い全て凛として美しく、気品がありました。人間年を重ねれば、容貌の衰えなど誰しもありますよ」
美輪が積み重ねてきたものはあまりに高く──。
