7月18日、結核予防会の『資金寄附者等感謝状贈呈式』にご臨席

 秋篠宮ご夫妻は9月下旬、約1週間の日程でベトナムを訪問される見通しだ。

「おふたりでベトナムにお出かけになるのは'99年以来、24年ぶり。今年は日本とベトナムの外交関係樹立50周年にあたり、歓迎行事へのご臨席や要人との面会が検討されているそうです」(皇室担当記者)

秋篠宮さまとベトナムの縁

ベトナムを私的に訪問し、当時の国家主席と握手される秋篠宮さま('12年8月)写真/共同通信社

 ベトナムは、秋篠宮さまがニワトリなどの研究のため、'12年におひとりで私的に旅行された国でもある。

「日本との外交関係樹立135年を迎えたメキシコも、訪問先の候補として挙がっていました。今年6月、天皇、皇后両陛下がインドネシアを訪問されたことを考慮すると“同じ東南アジア地域ではないメキシコが望ましい”といった意見も当然出ていました。ただ、最終的にベトナムに決まったのは、私的に旅行されるほど“ベトナム愛”が強い殿下のご意向が反映された、と見る向きもあります」(宮内庁関係者)

 長女・眞子さんの結婚騒動以降、一挙一動が注視される秋篠宮家。最近では、6月30日に宮内庁が“佳子さまがひとり暮らしされている”と公表し、世間に波紋を広げた。

「お代替わりに伴い、秋篠宮邸は'20年3月から2年半、大規模な増築工事が行われました。御用地内の赤坂東邸なども改修され、全体の経費は約34億円に上ります」(皇室ジャーナリスト、以下同)

 延べ床面積は、それまでの約2倍に及ぶ2972平方メートルとなったが、改修後の宮邸に佳子さまの私室はないという。

「佳子さまは、仮住まい先だった旧御仮寓所に引き続き住まわれています。この建物は約9億8千万円をかけて新築され、当初は“改修後、職員の事務所と収蔵庫として使われる”と発表されていました」

秋篠宮邸の事情

眞子さんの結婚騒動以降、秋篠宮家への逆風は強まる一方('22年11月・赤坂)

 佳子さまが住まわれるように方針変更された理由について、宮内庁は“秋篠宮邸の改修規模を縮減し、経費を節減するため”と説明したが、

「具体的な経費削減額は“示すことができない”の一点張り。そもそも、佳子さまの別居が一部で取り沙汰されたのは今年の春先で“宮内庁の対応は後手後手だ”と非難されることに……」

 一連の対応に対し、宮内庁の西村泰彦長官は、7月の定例会見で「問題になった際になるべく早く発表すればよかった」と振り返った。さらに、

「秋篠宮家の最側近である加地隆治皇嗣職大夫の説明についても“反省すべき”と苦言を呈しました」

 長官との“コミュニケーション不和”が露呈してしまった加地大夫だが、一部では宮内庁から勇退する可能性が指摘されている。

「宮内庁の長官や侍従職、皇嗣職大夫などの中枢ポストは定年制ではありませんが、70歳を目安に退任するケースが多い。現在70歳の加地大夫も、近々退任する可能性が高いといわれています」(前出・皇室担当記者、以下同)

 '16年10月に秋篠宮家を支える側近に就任した加地大夫は、眞子さんの結婚や悠仁さまのご進学を見守ってきた。

「秋篠宮ご一家に対して吹き荒れる逆風の盾になってきた存在ともいえます。定例会見で記者から質問があっても、加地大夫は“承知していません”と、煙に巻くことが多かった。口が堅く、ご一家の些細な近況すらも明かさない大夫は、ある程度の近況を伝えてくれる、ほかの宮内庁幹部とは一線を画していました」

皇室制度に詳しい名誉教授が語る秋篠宮家の現状

 皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授は、秋篠宮家の現状について、こう見解を示す。

「秋篠宮ご夫妻と佳子さま、側近の考えが統一されておらず、国民は何を信じてよいかわからなくなっています。これは、宮家の窓口となる側近と皇族方のコミュニケーション不足によるものでしょう。秋篠宮家の混迷の一因は、皇族のあるべき方向性を示す“側近の羅針盤”がうまく機能していないことにあると感じます」

現在は宮内庁御用掛を務めている吉田尚正氏(写真/共同通信社)

 そんな秋篠宮家を支える皇嗣職大夫の後任として有力視されているのが吉田尚正氏(62)。元警視総監で、昨年7月から宮内庁御用掛に任用。現在は“秋篠宮家専属の相談役”を務めているそう。

「関西の名門進学校である灘高校から東大に進んだ吉田氏は、'83年に警察庁に入庁。宮崎県警本部長時代に知事の汚職事件を摘発し、福岡県警本部長時代には暴力団『工藤会』のトップを脱税容疑で逮捕するなど、“豪腕”をふるった仕事人です。

 高校時代にはクイズ番組の全国大会で優勝、大学時代は少林寺拳法に打ち込んだという文武両道を“地”でいく人物なんですよ」(前出・宮内庁関係者、以下同)

 5か国語を操る頭脳派で、秋篠宮ご夫妻からの信頼も厚いという。

「吉田氏は、警視総監時代には警察署102か所を回り、部下の意見に耳を傾けたという話も。組織を率いるうえでのモットーとして“正しく、強く、温かく”を掲げています。いわゆる堅物タイプではなく、バランスのとれたリーダーという印象です」

 警視総監と皇嗣職大夫は、いずれも“トップ”という立場ではあるが、役割は異なる。

「皇族がミスをしたり身勝手な言動に走ったりするのをセーブすることができるのが側近です。また、皇族方は、ご自身のとるべき言動について事前に側近に相談することで、公的存在としての品位や格式を損なわないか確認できます」(小田部教授、以下同)

 秋篠宮家の起死回生は、側近に委ねられているといっても過言ではないようで……。

「多くの国民は、次期天皇家とされる秋篠宮家に強い関心を抱いています。しかし、これまでご一家の情報はあまり伝わっておらず、側近の口からも納得できる説明がなかったため、国民の心を遠ざけてしまっていました」

 吉田氏には、ご一家との交流を通して本心を正しく理解し、国民にわかりやすく説明することが求められる。

「飾り立てたりせず、秋篠宮家のありのままのお姿が伝えられれば、イメージアップにつながるのでは。また、昨今の宮家の苦境に対する、ご夫妻や佳子さま、悠仁さまの赤裸々な悩みや悔いなどが吐露されれば、素直で誠実なご姿勢に、多くの国民が共感を覚えるかもしれません」

 こうした中、とりわけ吉田氏に期待を寄せているのが、

皇嗣妃としての矜持がある紀子さまです。紀子さまは、秋篠宮家に批判が集中する現状を何とか打開したいと切に願われています。未来の皇室を支えるためには、国民からの敬愛が必要不可欠だと理解しておられるのでしょう。

 宮内庁には今年4月に広報室が誕生し、情報発信のあり方が見直されていますが、今のところ大きな変化はなく、秋篠宮家の印象は悪化するばかり。紀子さまが焦慮に駆られるのも当然で、吉田氏の英知にすがりたい一心なのだと思います」(秋篠宮家関係者)

 秋篠宮家を“正しく、強く、温かく”導くことはできるか。

小田部雄次 静岡福祉大学名誉教授。日本近現代史を専門とし、『天皇家の帝王学』など著書多数