森尾由美

 “不作の年”と言われた'83年デビュー組のアイドル。その中に、ドラマやバラエティーで活躍する森尾由美もいる。そんな森尾や松本明子などが集まって、デビュー40周年のライブを開催。時を経て絆が深まっていく彼女たちの“同期の絆”のきっかけについて話を聞いた。

「デビューから1年がたった最後の賞レースの会場で、あっこ(松本明子)から言われた言葉を今でも覚えてるんです」

 と語る、森尾由美(57)。当時は事務所同士のライバル意識が強かった時代。アイドルたちはみな、同期とあまり仲良くしないよう事務所から釘を刺されていたという。

森尾由美が語る“同期の絆”のきっかけ

「楽屋でまともに会話もできなかった私たちだけど、最後にあっこが“みんなあまり売れなかったけど、これからも頑張ろう”って言ってくれて。初めて同期の絆が結ばれたような気がしましたね」

 けれどその後は、歌、バラエティー、ドラマとそれぞれ活動の場が変わり、顔を合わせる機会はますます減っていった。番組がきっかけで「お神セブン」が再会するのは、それから30年後となる。

「7人でコンサートをやろうよって話になったとき、どの事務所も協力してくれないの(笑)。さすがに不作のメンバーだって実感したけど、自分たちだけで作り上げたそのコンサートがすごく楽しくて。だから40周年もやろうって言っちゃった。でももう大変!」

 今回のイベントでは「会計と雑用係担当です」と笑顔で語るが、7人の意見の取りまとめがあまりにも大変で、心が折れたこともあったそう。

「例えば、台本をデータで送って各自で印刷するように伝えてもみんな忘れてきちゃう(笑)。そんなことが続いて怒った私は、グループLINEで“もう私ブラジルまで気持ちが飛んじゃった”って送ったんです。疲れ果ててやりとりもできずにいたら“おーい、ブラジルの由美ちゃん聞こえますかー”ってみんなからメッセージが来るの(笑)」

 それでも、7人の絶妙なチームワークを実感している。

「(小林)千絵ちゃんはダンスが上手だから、全員の振り付けをお任せしてます。(桑田)靖子はずっとライブを続けてきたから集客力があるし、(木元)ゆうこはSNSでファンの方に上手に宣伝してくれる。(大沢)逸ちゃんは、所属事務所のホリプロさんに会議室を使わせてもらえるようかけ合ってくれるし。(徳丸)純子はアメリカ在住で今回はVTR出演だけど、ご主人が業界の方で告知に協力していただいて。役割分担が自然にできてるんですよ」

デビュー当時の衣装を

 それぞれ妻や母として日常生活を送ってきた経験が、現場でもつい出てしまうという。

「例えば関係者用のお弁当も、もったいないから絶対に余らせたくないのね(笑)。今回、お弁当の発注担当はあっこなんだけど、人数を細かく把握してすごく丁寧にやってくれてます」

 唯一の心配事は、前回のコンサートに引き続き、今回もデビュー当時の衣装を着なければならなくなったこと。

私の衣装、思いっきり短いショートパンツなんです。当時の写真を参考にスタイリストさんが再現して作ってくださったんですが、遠慮したのか最初はゆとりのあるバミューダパンツみたいなものを渡されて(笑)。同じ恥をかくんだったら思いっきりかいても変わらないから、当時とまったく同じにしてほしいとお願いして、作り直してもらったんです」

 それも“一回限り”だと思ったからこそできた力技。

「でも逸ちゃんが、今回も着なきゃダメ!って言うんですよ(笑)。もう嫌だ~」

 同世代のファンに「みんなで集まれてよかった」と思ってもらえるようなコンサートにしたいという。

「7人の等身大の姿を見て、自分も頑張ろう!と思っていただけたらとてもうれしいです」

(取材・文/植木淳子)

 

デビューの'83年、日本歌謡大賞の新人賞にノミネートされたころの森尾由美

 

森尾由美

 

コンサートは9月29日と30日に銀座博品館で。「部活動や学校祭みたい」と全員口をそろえる