新しい学校のリーダーズ(公式インスタグラムより)

 12月31日の大晦日に放送される『第74回NHK紅白歌合戦』に初出場する、女性4人組のダンスボーカルグループ『新しい学校のリーダーズ』。

 楽曲『オトナブルー』の振り付けがTikTokなどのSNSで大バズりし、『首振りダンス』として2023年の新語・流行語大賞にノミネートされるなど、日に日に認知度を高めている彼女たち。

 メンバー全員が20代前半と若いグループではあるが、結成されたのは彼女たちが10代だった2015年と、すでに8年のキャリアを誇る。CDリリースは2017年の『毒花』を含めた3作のみながら20曲以上をデジタル配信、2021年には海外デビューも果たした、まさに新しい音楽シーンに則ったグループと言えよう。

 またサントリー『クラフトボス』や、サムスン『Galaxy Z Flip5』CMにも抜擢された飛ぶ鳥落とす勢いの彼女たち。紅白“本番”に向けてますます露出を増やす中の11月16日、日本テレビ系『ベストヒット歌謡祭』にてパフォーマンスを披露したのだった。

 8時40分ごろに登場した『新しい学校のリーダーズ』は、大阪・勝尾寺にて奉納されている10万個のダルマをバックに、紅白でも歌うであろう『オトナブルー』を披露。熱のこもったパフォーマンスに、視聴していたネットユーザーから《最高》《中毒性が凄い》などと称賛の声を上げる一方で、

《新しい学校のなんちゃらが苦手すぎて見れん。彼女たちは悪くないんだけど、なんか生理的に受け付けない動き》

《新しい学校のリーダーズ オトナブルーを未成年が着る服、制服で披露するのやめてほしい気持ち悪い》

普通に下ネタにしか見えなくて無理

《紅白でも股広げるのか!? NHKは苦手そうなグループなのに、良く選んだな》

《新しい学校のリーダーズ紅白出るのか… 絶対っていうか確定でオトナブルー歌うんだろうけど…踊りとか歌詞が普通に下ネタにしか見えなくて無理》

 デビュー時より着続けるトレードマークの“セーラー服”風衣装に対する嫌悪感を、そんな“セーラー服の女子学生”たちが官能的に歌い踊る、《ほしいんでしょ?二度見する この躰》との刺激的な歌詞も踊る『オトナブルー』に不快感を抱く視聴者もいたようだ。

『セーラー服を脱がさないで』が世間にもたらした影響も大きいのでしょう」とは芸能ジャーナリストの佐々木博之氏。

山口百恵風の衣装を着た『新しい学校のリーダーズ』のSUZUKA(公式インスタグラムより)

 1980年代を代表するアイドルグループ『おニャン子クラブ』の代名詞として歌われた、秋元康が作詞を担当した『セーラー服を脱がさないで』。昭和ヒット曲の特集番組で映像が流されるたび、また歌番組でアイドルグループによって“カバー”されるたびに、その過激な歌詞が“女性蔑視”“時代錯誤”としてネット上で槍玉に挙げられている

「社会問題になった“ブルセラ”も思い出されるように、一定の層にとって“セーラー服=性的”なイメージを抱かせ、さらに若い女性を食い物にするような“オトナ”の存在が透けて見えるのも事実。

『新しい学校のリーダーズ』は純粋にパフォーマンスを評価されての出場だと思います。ですが、彼女たちが紅白のステージに立つことでクレームを入れる、ネットに批判的なことを書き込む視聴者は一定数出てくるかもしれませんね」(佐々木氏、以下同)

旧ジャニーズ欠場で話題に乏しい紅白

 佐々木氏曰く、昭和時代には『オトナブルー』どころではない、官能的な歌謡曲があふれ、中には大ブームになりながらもNHKからソッポを向かれた歌もあったという。では、そんな慎重なはずのNHKが、炎上リスクがある『新しい学校のリーダーズ』に白羽の矢を立てたのはなぜだろうか。

「若い世代を取り込みたいNHKは、紅白から演歌歌謡曲を減らし、逆に韓国アイドルやネットで話題の歌手を起用することが多くなっています。特に今年は旧ジャニーズグループが出場しませんし、何よりも“話題性”を重視しているように見えます。

 かつて裸に見えるボディースーツで出演後に大騒動となったDJ OZMAの例もありますが、批判は二の次で彼女たちに『オトナブルー』を歌わせるということでしょう」

 とはいえ、彼女たちの生放送に不安はある。7月12日放送のフジテレビ系『FNS歌謡祭』でのエンディング、司会の嵐・相葉雅紀から感想を求められると、

「FNS歌謡祭初めての出演で、こんなに素晴らしい思い出を体験させていただけるなんて。本当に胸がいっぱいいっぱいおっぱいです!」

 さらりと下ネタを投下して場を凍りつかせたリードボーカル・SUZUKA。その後も悪びれない様子で「言っちゃいけない? 流れで言ってしまいました」と軽く頭を下げる彼女だった。

 大晦日を一家団欒で過ごすお茶の間が、4人のパフォーマンスで凍りつかないことを願うばかりだ。