(左から)武田鉄矢、岸田文雄、名古屋市長の河村たかし(写真/産経新聞社)、坂上忍

 いよいよ12月! 新型コロナが5類に移行してから初めて迎える年末ということで、今年は忘年会の数も増えそうな予感。忘年会といえばその昔、カラオケでデュエット曲を歌わされた人も多いのでは。そこで誠に勝手ながら、今回本誌は『デュエットしたくない有名人』を独自に調査。全国の25歳以上60歳以下の女性1000人は、誰と一番歌いたくないのか? ワースト10のランキング結果をもとに、作家の岩井志麻子さんに見解を聞いた。

デュエットしたくない有名人ランキング

 まず4位は岸田文雄。現職の総理大臣がまさかの上位にランクイン。「のらりくらりとダラダラ歌われそうでストレスがたまりそう」(35歳・東京都)、「盛り上がらなそう」(55歳・大阪府)など、デュエット支持率は低かった。

岸田文雄首相

「有名人らしくない安い店に連れていかれたあげく、肝心のデュエットをしたとしても誰も聴いてないと思うんですよ。側近でさえタブレットを見ながら『次に何歌おうかな?』とかやっているような。最終的には会計の際に消費税まで割り勘にされそうです」(岩井さん)

 5位にランクインしたのは俳優、タレントの坂上忍。「こだわりが強そうだし、めちゃくちゃダメ出しされそう」(34歳・福岡県)、「立ち位置とかマイクの場所とかにうるさそう」(57歳・埼玉県)。テレビで見せる神経質で潔癖症な性格は、デュエットには不向きという意見が多かった。

坂上忍

「高圧的な態度も不評なのでしょう。ただ、人間よりも動物のほうが好きそうなのでセクハラするイメージはないような。まぁ、坂上さんはこのランキングを見ても『あっそ。だから?』で終わりそうですね」(岩井さん)

 6位は同票で3人がランクイン。1人目はタレントのルー大柴。「1人で世界観つくってアレンジばかりして歌いそうなので」(44歳・神奈川県)、「ルー語で歌ってきそう」(52歳・大阪)など、デュエットでトゥギャザーしようぜ!とはならなかった。

ルー大柴

「近年テレビの露出は多くないのに、上位にランクインできるのがすごいと思います。同時代に嫌われ者タレントだった出川哲朗さんや江頭2:50さんが人気者になっている一方で、ルー大柴さんは変わらず嫌われている。自分を貫いていますね」(岩井さん)

 同じく6位に歌手、俳優の泉谷しげる。今回ランクインした中では最もシンガーとしての活動歴が長いが、一緒に歌うとなると話は変わる。

泉谷しげる

「偉そうな態度が苦手」(60歳・大阪府)、「少しでも下手だとバカヤロー!と言われそう」(55歳・愛知県)など、気難しいイメージがその理由だ。また、「音程やテンポなど、勝手なアレンジをされそう」(37歳・愛知県)というふうに、ミュージシャンならではの習性が面倒くさそうという声も。

「会えばいい人ですが、どこに地雷が埋まっているかわからない恐怖がありますよね。このランキングを見せても『俺だって歌いたくねぇよ!』とブチギレそうです」(岩井さん)

 3人目の6位は、DJ KOO。バラエティー番組で見せる独特の世界観に「テンションについていけない」(31歳・神奈川県)という意見が多数。

DJKOO

「間奏中に『ポンポンポーン』みたいな音を入れたりとか、クラブ風にアレンジしそうです。本人は盛り上がると思ってやってそうですけど、歌っているほうは困りますよね」(岩井さん)

 9位は俳優、歌手の梅沢富美男。バラエティー番組に引っ張りだこの人気者だが、「口説かれそう」(52歳・高知県)、「辛口コメントされそう」(50歳・大阪府)など、デュエット人気は高くない。その一方で、「歌が上手なので自分と釣り合わない」(51歳・福岡県)など、歌手としての実力を踏まえた上での意見も目立った。

梅沢富美男

「私は梅沢富美男さんは、むしろデュエットしたい方ですよ。歌はお上手だし、サービス精神が旺盛なので楽しませてくれそう。ただ、歌がうますぎるので気後れしそうな気持ちもわかります」(岩井さん)

 10位に滑り込んだのは、アナウンサーの宮根誠司。司会者ということで人と息を合わせるのは得意そうだが、デュエットしたいかと聞かれれば答えはNO。

宮根誠司

「可愛い子にしか反応しなさそう」(42歳・埼玉県)、「偉そうな態度。最終的に無視されそう」(34歳・大阪府)など辛辣な意見も多かった。

「生放送をやられているので、カラオケの段取りが悪いと怒り出しそうな感じはします」(岩井さん)

2年たっても許されない愚行

 ここからはワースト3の発表! 3位は、歌手で俳優の武田鉄矢。海援隊の代表曲『贈る言葉』を一緒に歌いたいという人は多いかと思いきや、デュエットは遠慮したいもよう。「説教されそう」(45歳・千葉県)という理由が半分以上を占めた。これには岩井さんも大きくうなずく。

武田鉄矢

「歌っているときはニコニコしているけど、その後呼び出されて『あの歌い方はさぁ……』と説教が始まりそうです。ついでにこのランキングを見て一番ショックを受けそうなのも武田さんだと思うんですよね。たぶん、ご自身ではデュエットしたい人の上位に入っていると思っているから。真逆の結果に『なんで俺が!?』と言う姿が目に浮かびます」(岩井さん)

 2位はタレント、映画監督のビートたけし。超大物芸能人だがデュエット人気は低かった。「まともにデュエットする気がなさそうだから」(53歳・東京都)、「つまんないギャグを言ってふざけそう」(47歳・新潟県)など、歌ってもらうこと自体が難しそうという意見。

「そもそも存在感が圧倒的すぎますよね。デュエットは2人の息を合わせないといけませんが、たけしさんの隣に立ったら普通の女性はかすんじゃいます。そういう意味でも一緒に歌いたくないですね」(岩井さん)

 圧倒的な得票数を得て第1位になったのは、名古屋市長の河村たかし。何かとお騒がせな河村市長は、デュエットもかき乱しそうというのが大方の意見。「デュエットなのに自分ばかり目立つように歌いそう」(49歳・宮崎県)、「歌詞を名古屋弁にしそう」(58歳・愛知県)といった声が。しかし最も集中したのがセクハラのイメージ。「勝手に肩とか組んできそう」(49歳・東京都)、「メダルをかじったりやることが下品で嫌」(59歳・神奈川県)。2021年の東京オリンピックの際、選手の金メダルをかじったことは、2年たった今も強烈なマイナスイメージとして残っているようだ。「サービス精神とセクハラをはき違えている感じがしますね」と岩井さんはバッサリ。

河村たかし

「まず、このランキングで上位になっている人たちはみな、『俺が俺が!』という自己主張が強い方々に思えます。河村市長はその筆頭ですよね。女性の話を聞かず、自分の好きな曲を勝手に選んで熱唱しそう。そういう大仰な態度がパフォーマンスと思っていそうですが、誰も喜びません。

 結局、自己主張が強すぎて女性を立てる気のない男性は、デュエットでもなんでも敬遠されるんですよ」(岩井さん)

 ともかく、カラオケは気持ちよく歌いたいもの!

デュエットしたくない有名人ランキング

1位 河村たかし(名古屋市長・75)157票
2位 ビートたけし(タレント、映画監督・76)105票
3位 武田鉄矢(歌手、俳優・74)99票
4位 岸田文雄(内閣総理大臣・66)95票
5位 坂上忍(俳優、タレント・56)94票
6位 ルー大柴(タレント・69)70票
6位 泉谷しげる(歌手、俳優・75)70票
6位 DJ KOO(DJ・62)70票
9位 梅沢富美男(俳優、歌手・73)68票
10位 宮根誠司(アナウンサー・60)58票

岩井志麻子●1964年、岡山県生まれ。少女小説家としてデビュー後、『ぼっけえ、きょうてえ』で’99年に日本ホラー小説大賞、翌年には山本周五郎賞を受賞。コメンテーターとしても活動。最新刊に『色慾奇譚』(ジーウォーク)がある。

(取材・文/中村未来)