芸人時代のブルゾンちえみ

「地球上に男は何人いると思ってるの? 35億!」

 軽快な音楽に乗せて“女の生き方”を説くネタで一世を風靡した元『ブルゾンちえみ』こと藤原しおり。最近はめっきり姿を見ないが……。

「マイセンとわかば、交換しよ」

 こう話す藤原の姿がスクリーンの中にあった。

馬場ふみか主演の映画に出演

「11月17日に公開された映画『コーポ・ア・コーポ』に出演しています。映画は、大阪の安アパートに住む“わけあり”な人たちを描いた人間ドラマ。2022年に亡くなった小説家の西村賢太さんも絶賛していた同名のマンガが原作です。馬場ふみかさんが主演を務め、東出昌大さんも出演しています」(映画ライター)

 2020年3月に芸人を引退し、事務所も退社。『ブルゾンちえみ』の芸名から、本名の藤原しおり(史織)としてタレント活動をしていた。

 名前を変えた理由について、WEBのインタビューでは《「ブルゾンちえみ」として求められていた役割や仕事内容、きっとこれからいただくであろうお仕事が、本来の私、藤原史織との間に大きな乖離があった》と答えている。

「藤原さんとしては、当時の仕事に不満があった。バラエティー番組のロケ以外にも、いろいろな仕事をしたいと思っていたようです。“ブルゾン”と本人との乖離に悩み、最終的に芸人の引退を決めました。しかし、事務所としては人気絶頂での退社ですから、恩を仇で返されたとの思いがあったのでしょう。弁護士を立てた話し合いの末、独立するなら芸名を使用しないこと、活動再開まで1年間の休業期間を設けることが条件として出されたようです」(ワイドショーデスク、以下同)

 2020年4月からはイタリアへの留学を予定していた藤原だったが、新型コロナウイルスが蔓延し、頓挫。

 2021年4月になって、地上波のバラエティー番組にゲストとして出演している。

「番組では“パンをこねる、丁寧な暮らしをしている”と明かしていました。1年という休業期間で、たいぶリフレッシュできたようです。同時期には、藤原さんがナビゲーターを務めるラジオ番組もスタート。社会貢献活動をしていきたいとする藤原さんの希望に合う、真面目な番組です。復帰は順調に見えましたのですが……」

 しかし、2023年3月、藤原は自身のYouTube、Instagram、XといったSNSアカウントをすべて閉鎖した。

「その理由を明かした動画では《自分が大切にしたいことを、ちゃんと守って、生きたい》というメッセージが書かれていました。ラジオ番組のナビゲーターも、9月で卒業しています」

 このまま表舞台から姿を消すつもりなのか……。

 そんな矢先、女優として再始動をしていたのだ。前出の映画ライターが、スクリーンに登場した藤原について話す。

“ほぼスッピンで女優として再始動

「藤原さんは、常に“タバコを交換してほしい”と訴えるアパートの住人を演じています。脇役ですが、その演技には目を引くものがありました。実は“この役者さん、誰だろう”と思っていたところ、エンドロールで《藤原しおり》とあったのを見つけて、そこで“ブルゾンちえみさんだったのか”と気が付きました。ほぼ化粧もしていないスッピンのような姿で、まったく印象が違っていたのです」

映画『コーポ・ア・コーポ』に出演する藤原しおり(右、公式サイト予告編より)

 藤原は、2017年の『人は見た目が100パーセント』(フジテレビ系)でドラマ初出演。2018年にはドラマ『サバイバル・ウェディング』(日本テレビ系)にもレギュラー出演していた。

「藤原さんの演技力を高く評価する声もあります。2019年公開の映画『蜜蜂と遠雷』では、ジャーナリストの役を好演していました。今後は女優として、新たな境地を切り開いていくのではないでしょうか」(同・映画ライター)

 今回のキャスティング理由や今後の活動予定について、『コーポ・ア・コーポ』の配給会社に問い合わせてみたものの、期日までに回答はなかったが、彼女ならきっと、こう思っているだろう。

「あ~、女に生まれてよかったぁ!」