杉咲花

「お願い。私を弁護して」

 これは公開中の映画『法廷遊戯』のワンシーン。男性に、弱々しい声で懇願するのは杉咲花。

「同作は、永瀬廉さんが主演を務め、杉咲さんはヒロイン役で出演しています。ロースクールの同級生が謎の死を遂げるのですが、その容疑者役が杉咲さん。物語は、弁護士役の永瀬さんが死の真相を探り、杉咲さんの無実を証明するために奮闘するストーリーです」(スポーツ紙記者)

 2020年にNHKで放送された連続テレビ小説『おちょやん』で主演を務めた杉咲。その演技力は高く評価されている。

「杉咲さんが『法廷遊戯』で演じているのは、複雑な過去を持つ女性役です。その女性が持つ二面性を巧みに表現しており、特にラストでツバを飛ばして叫ぶ演技には誰もが圧倒されるはず。共演した永瀬さんも“最後の花ちゃんの演技スゴかったよな。鳥肌立った”と話したそうです」(映画配給会社関係者)

 杉咲は、父親にギタリストの木暮武彦、母親に歌手でキャンドルアーティストのチエ・カジウラを持つ2世タレントだが、両親は演技とは無縁だった。

杉咲さんは役柄に入り込む憑依型の女優です。そのときに演じている役柄を引きずって、お母さんとケンカが絶えないこともあったそう。2016年公開の映画『湯を沸かすほどの熱い愛』では、怖くてイジメに立ち向かえない女子高生役を好演し、19歳で日本アカデミー賞の最優秀助演女優賞を受賞しています」(映画ライター、以下同)

 困難にくじけない明るい役を演じたかと思えば、おとなしくも内面にはドロドロとした激情を抱く女性を演じることも。その役柄は幅広く、今ではすっかり売れっ子だ。

杉咲の主演・出演作が目白押し

ドラマ『花のち晴れ~花男NextSeason~』の打ち上げ、主演の杉咲花が帰宅したのは朝の5時前('18年)

 12月8日には杉咲主演の映画『市子』が公開された。15日から公開のアニメ映画『屋根裏のラジャー』にも声優として参加している。

「さらに来年3月には、杉咲さん主演の映画『52ヘルツのクジラたち』が公開を予定しています。これに加え、人気脚本家である坂元裕二さんが担当する映画『片思い世界』にも、広瀬すずさん、清原果耶さんとトリプル主演が決まっているんですよ。すでに撮影は始まっているのですが、人気女優3人のスケジュール調整に難航しているよう。来年2月のクランクアップを目指しているようです」

 杉咲は、来年4月からの予定も、すでに埋まっている。

杉咲さんは、4月クールの連ドラにヒロイン役での出演が内定しているんです。病院を舞台にしたマンガ原作の医療ドラマで、杉咲さんが演じるのは1日しか記憶を保つことができない脳外科の医師という難しい役どころです」(ドラマ制作会社関係者)

 映画『市子』で共演した若葉竜也はインタビューで《杉咲さんは、一個次元が違うところにいるなという感じ》と、その演技を絶賛している。

 俳優仲間からも一目置かれる杉咲が、連ドラでどんな演技を見せてくれるか楽しみ。