自民党・谷川弥一議員(自民党公式HPより)

「何を言ってもそのとおりってことです。頭悪いねぇ。言っているじゃない。質問してもこれ以上、今日言いませんと言っているじゃない。わからない?」

 自民党・安倍派の政治資金パーティー問題で、自身も4000万円超の“キックバック”を受け取ったとされる谷川弥一衆議院議員(長崎3区)。12月10日に報道陣の取材に対応した際の発言が大炎上している。

「事実関係を慎重に調査・確認して適切に対応してまいりたい」と用意した原稿を読み上げるのみの谷川氏に、それでも説明を求める記者らに対して冒頭の“暴言”を吐き捨てたのだった。

 一連のやり取りがニュースで報じられると、裏金問題もさることながら「頭悪いね」発言に批判が集中。国民への説明責任を果たさず、さらに人を小馬鹿にするような態度を国会議員がとったのだから当然と言えよう。

 今年で82歳、自民党の政治家として一線で活動する谷川氏。第2次安倍晋三内閣では文部科学副大臣も務めた安倍派のベテラン議員だ。

 プロフィールによると最終学歴は長崎県立長崎東高等学校卒業。卒業後は家業の製材所を手伝った後に起業して谷川建設を設立。会社を成長させるにつれて政治家や地元名士との交流を重ねて、自身も1987年に長崎県議会議員選挙に出馬。見事に当選して政界入りを果たす。

《わがままで自己主張ばかりに生きてきた》

 県議員を5期務めた後、2003年の衆議院選挙で初当選して国政進出を果たすと、以後は2021年の衆院選までに小選挙区、比例代表区も含めて7選。自身の歩みを振り返る中で、

《わがままで自己主張ばかりに生きてきた》《不満やイライラが募る悔しさの絶頂期》《悔しさをいつもバネにして生きていた》《般若心経を唱えて気持ちを奮い立たせる》

 などの精神論を語ることも多く、いわば自分自身で道を開拓してきた自負がある、昔気質な“叩き上げ”の人生を送ってきたようだ。それゆえに“上から目線”になってしまったのだろうか……。

『もう代われ』といった批判は分かるが、企画力はどうか、国境離島新法を作り、高速道路整備を推進した結果を見てもらえば私が負けるわけがない。問題だと思ったらそこに向かってまっすぐ進み、交渉に交渉を重ねて一歩でも近づく努力をすることが政治家に必要な能力だ

 先の2021年の衆院選では80歳になる高齢だけに、他の候補者から“引退”を進言されながらも、自身の実績をアピールしつつ「私が負けるわけない」と、“自分こそ政治家にふさわしい”とでも言いたげだった谷川氏。

次点とは2000票差のギリギリ当選

 確かに選挙では負けなかった。ところが5万7000票の得票に対して、次点の立憲民主党・山田勝彦氏(当時42歳、比例代表で復活当選)は5万5000票とその差はわずか2000票。決して“楽勝”とは言えない、ギリギリ当選が有権者の判断だった。

「長崎3区の投票率は60%と全国平均を上回りましたが、さらに有権者が投票所に足を運べば落選したかもしれない立場にあったことを理解しているのでしょうか。

 そして一躍、谷川議員を全国区にした裏金疑惑と“頭悪いね”発言です。岸田内閣への政治不信から国民の投票熱が高まっている中、“先延ばし”されている解散総選挙が行われた場合に長崎3区の有権者がどんな判断を下すのか、考えれば簡単にわかりそうなものですが」(全国紙・政治部記者)

 12月12日の国会で姿を見せると、記者陣から「頭悪いね」発言の趣旨を問われて申し訳ないです」とひと言で謝罪した谷川氏。今頃は不満やイライラを押し殺すように般若心経を唱えているのかもしれない。