ソフトバンクホークス・王貞治会長

 1月11日の早朝に報じられたWeb版『日刊スポーツ』のスクープに、福岡ソフトバンクホークスファンの眠気は吹き飛んだことだろう。

 2023年12月にフリーエージェント権(FA権)を行使してホークスに移籍した山川穂高選手の人的補償として、埼玉西武ライオンズが和田毅投手(以下敬称略)を指名する方針であることが報じられたのだ。

 元メジャーリーガー・松坂大輔氏と同学年の“松坂世代”唯一の現役選手(NPB)で、2月21日に43歳を迎える和田。ホークス一筋で通算158勝をあげたチームの“顔”というべき大ベテランをプロテクトリストから外したことに、SNS上では驚きと落胆の声が続々と上がっている。

《和田なの? ソフトバンクも年齢を考慮して、プロテクトしなかったのかなあ。 和田は球団の顔なのに。 せつないね》

山川歓迎中々できないソフトバンクファン的には最悪レベルの放出やないのこれ 割とフロントはほんまにファンの気持ちふみにじろうが何しようが勝てばよかろうなのだのスタンスなんかね》

山川来たらファンやめるって豪語してた鷹ファンも、それに対して「勝手にやめろよ」とか言ってた鷹ファンも今回は結構ガチでファン辞めそう

「王会長はそれでいいの?」

 ただでさえ不祥事を起こした山川の獲得に疑問を感じていた、ファンのやるせない気持ちと怒りの矛先はホークス会長職に就く王貞治氏にも向けられて始めている。

《ホークスの宝である和田投手をリストに入れていた? 王さん、それを許したの? がっかり…。

《山川とった代わりに和田さん放出とか意味が分からない。王会長はそれでいいの…?》

和田毅投手の公式インスタグラムには、早くもファンの悲しみの声が寄せられて

 山川のFA移籍に王会長が初めて言及したのが、仕事始めの鏡開きに出席した1月5日のこと。同選手を獲得したことに批判の声が上がったことを承知しつつ、

「野球界で生きていく力を持っている人が、その世界で生きられないような世界を作っちゃいけないと思う。社会的な制裁も受けて本人もかなり反省していることですし、やはり挽回するチャンスを与えてやるべきだと思います」

和田を放出してまで山川を獲る意味は

「チャンスを与えてやるべき」と、4年総額12億円ともされる大型契約で山川を迎えたことを“正当化”するような物言いに、更なる批判も向けられていた。さるスポーツライターも、和田の“放出”報道と王会長の発言に首を傾げる。

「もちろん誰かが“犠牲”になるのがFAの人的補償ルールですが、長年にわたってホークスに尽力してきた功労者をいとも簡単に切ってしまうのか。四軍制まで導入して育成に努める球団だけに若手を守りたいのはわかりますが、ならばそもそも山川を獲得する必要はあったのかと。

 そして王さんの発言が本意だとしたら、ホークスにとって和田は“野球界で生きていく力を持っている人”ではないとの判断を下したのでしょうか」

 日頃から「ファンのため、未来を担う子どもたちのためのプロ野球」を口にしてきた王会長だが、この決断はホークスファンに受け入れられるのだろうか。