コンビニで優勢なのは白湯。コーンスープと並ぶ、やさしい飲み物代表格

《トンデモ商品見つけた》《意欲作すぎる》《気になってしゃーない》《見つけたら買って飲んでみな。とぶぞ》……自販機のとある飲料が、SNSを中心に話題を呼んでいる。ダイドードリンコの缶飲料『かに鍋スープ 雑炊仕立て』(185グラム・140円)だ。缶には、日本料理店で見かけるような立派なかにの絵が描かれており、高級感たっぷり。缶の下部には控えめに“お米入り”の文字も見える。さすがは2021年に業界初の米入り缶飲料『参鶏湯風スープ』を生み出したダイドードリンコだ。駅設置の自販機でも販売されているため、ホームで思わず二度見してしまった人も多いだろう。夕方から深夜までの時間帯に多く売れているとのことなので、夕飯前の“小腹満たし需要”から“酔い覚ましの一杯”まで、幅広く愛されていると思われる。味はしっかりめのかに風味スープに、だしを吸った米……まさにこれは薄めの雑炊ではないか。姉妹品『博多水炊きスープ 雑炊仕立て』の存在も気になる。まさか自販機で鍋のシメが買える日がくるとは……。

 近年、自販機の缶飲料がバラエティー豊かになっている。特に“あったか~い”ドリンクについては、いくつかネタ枠が用意されているのでは?と疑うほどだ。昨年にはJR東日本のエキナカ自販機・アキュアのオリジナル商品『とろ~りまろやかクリームシチュー』、一昨年には『コクと旨味の一風堂とんこつラーメンスープ』が存在感を放った。

 この自販機では、それまでにも『旨辛麻婆スープ 大豆そぼろ入り』『気仙沼産ふかひれ使用 ふかひれスープ』といった自社ブランド製品のほか、飲むカレーやみそ汁といったインパクト抜群の商品を販売してきた。さながら“自販機の●ープストック”のようなバリエーションだが、その狙いは?

「予想を上回る人気」白湯の台頭

「ホットドリンクの売れ筋ナンバーワンといえば、やはりコーンスープです。身体を温め、小腹を満たす存在のコーンスープですが、毎日となると飽きがくる。その際の“缶スープの選択肢”として、さまざまな商品を扱ってきました」(アキュアメイド広報、以下同)

 絶対王者のコーンスープを打ち破れる存在は、まだまだ現れていない!? しかし、この冬、よく見かけるようになったホットドリンクがある。それが白湯だ。うん、つまりそれ、ただのお湯では?

「春夏によく売れるミネラルウォーターを秋冬も継続して売りたいという気持ちもありますが、ユーザーから求める声が多く、アキュアでは昨年10月から販売開始しました。“家で朝飲むもの”というイメージの白湯ですが“外出中に薬を飲むとき役立つ”“赤ちゃんのミルク用に便利”などの声もあり予想を上回る人気です。冬の間に売り切れて販売終了する可能性も」

 昨年9月に『アサヒ おいしい水 天然水 白湯』の通年販売を発表したアサヒ飲料も、当初の販売計画の3倍を売り上げたそうなので、“ただのお湯”などと見くびってはいけない。無味の白湯がホットドリンク界における新時代の覇者になっていく可能性もゼロではないのだ。

 ネタ感強めの缶スープと、虚無味と話題の白湯。はたして第2のコーンスープとなるのはどちらか。

 冬のホットドリンク勢力図から目が離せない!