高野洸(26)撮影/渡邉智裕

「デビュー当時、自分の声があまり好きではなかったんです。5年がたった今、その声を含め自分の楽曲を愛せるようになりました」

CDデビュー5周年を迎える高野洸

 1月30日にCDデビュー5周年を迎える高野洸。アニメ『妖怪ウォッチ』のエンディングテーマ『ようかい体操第一』で大人気となったDream5のメンバーとして'09年にデビュー。'16年のグループ活動終了後は、俳優の道へ。

「僕、Dream5時代はダンサーでした。次のステップで選んだ役者としてミュージカルのステージに立たせていただいたとき、歌うことが好きだと気づいて。歌唱もダンスもクオリティーがとても高い三浦大知さんのようなソロアーティストに憧れ、壁は高いですが挑戦したいと思うようになりました」

 CDデビューした'19年の翌年にはコロナ禍により外出自粛が要請されるなど、日常が激変していった。

「今年、デビューして6年目に突入するのですが、思うように活動ができなかったコロナ禍を経験したからか、体感としてはもっと長い時間がたっている感覚です。ただ、自分自身と向き合う時間を持つことができたからこそ、好きなジャンルや自分にフィットする曲という目指すアーティスト像がはっきり見えてきた感じがしています」

8枚目のシングル『ex-Doll(エクスドール)』をリリース

高野洸(26)

 CDデビュー日には8枚目のシングルで、ミディアムダンスナンバー『ex-Doll(エクスドール)』をリリースする。

「前作の『zOne』もそうですが、R&Bテイストの楽曲が好きですね。『ex-Doll』の歌詞は、作詞家の方にテーマや浮かんできたワードをまとめてお渡しして作っていただきました。僕もそうですが、誰もが周囲が期待する姿“作り物の自分”になっていると感じる瞬間があると思うんです。そんなとき、自分らしさを取り戻してほしい。人が飛躍する瞬間は、自分の意志を持ったときだからというメッセージを込めた曲になっています」

 今回のシングルにも自身が作詞した『チクタクタ』が収録されている。高野が作詞を担当した'21年のシングル『Vacances(ヴァカンス)』を発表した際、取材している週刊女性。当時、表現の幅をもっと広げていきたいと語った彼は、「今の僕に足りないのは、恋愛経験かもしれない(笑)」と話してくれた。今はどうだろうか?

「はははは(爆笑)。今も変わらないです。でも、しょうがないかなと思いはじめています。まず、学生時代から仕事をしていたので、恋愛からイメージする青春ぽいことを経験できていないんですよ。以前は、映画の登場人物のように女性が喜こんでくれるセリフをさらっと言える人になりたいと思っていました。でも、照れくさくなってしまいそうで、僕には似合わない気がします(笑)。ドラマや映画でホスト役を演じさせていただいたこともありますが、役だから成立することで、素では無理ですね。すぐにボロが出ちゃうと思う(笑)」

地元・福岡ライブで衝撃的な出来事が

高野洸(26)

 苦笑いしながら「相手をリードできる男ではない自覚はある」と謙遜する。そんな彼だが、ステージに上がれば多くの人を虜にしていく。

「歓声をいただけるのは、本当にうれしいです。(1月8日にファイナルを迎えた)3度目のツアーでは、地元福岡で2DAYSステージに立たせていただきました。家族も来てくれましたね。そう、衝撃的なことがありました!! ツアーが発表されてすぐに友人が福岡公演のチケットを購入したいとSNSで連絡をくれて。発売日が決まったら返事しようと未読にしておいたんです。それをすっかり忘れてしまって。昨年末の公演に来てくれた別の友人から“あいつ、心配しとったよ”と言われたときに気づいて。本当に悪いことをしました」

 すぐに連絡を取り平謝りしたところ、「ちょうど出張になって行けなくなってしまったから、大丈夫」と返事が。

「聞いたら、連絡が来ないから僕に嫌われたんじゃないかと心配していたらしくて。今後、絶対に気をつけようと思いました。実は、その友人、“追加公演のチケットを取った”と、わざわざ東京の会場に飛行機に乗ってきてくれて。うれしかったですね」

 地元の友人たちも後押ししてくれているアーティスト活動。次に挑戦したいことを聞くと、

「作曲をやりたい、ということをずっと口にしているので、今年中には挑戦したいです。年内の発表は難しいと思いますが、来年以降でみなさんにお届けできるように頑張ります」

大好きなゲーム

 いまは『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』を楽しんでいます。こだわって作られているゲーム作品が多いので、それぞれの作品の世界観やデザインなんかを見て自分の活動に活かせないかなと、勉強にもなりますね。たまにスタッフの方に“〇〇ゲームのような壮大さで”とか“重厚感で”と、ゲームに例えて伝えてしまうことがあって。わかる人にしか、伝わらないとは思うんですけど(笑)。

優柔不断な性格

(『ex-Doll』に収録されている)『チクタクタ』は、迷いをテーマに作詞させていただきました。僕、優柔不断なんです。パスタ屋さんに行ったら、メニューにあるもの全部食べたくなって、なかなか1つに絞れない(苦笑)。ただ、内容にもよりますが仕事についてはすぐに決めることができます。消去法で、自分にとっての一番輝かしい選択肢を残せばいいことなので。

『ex-Doll(エクスドール)』1月30日発売CD+DVD(スマプラ対応)A・B盤 2200円、CD(スマプラ対応)C盤 1375円