発言が何かと波紋を呼ぶ麻生太郎氏(左)と河野太郎氏

 “懲りない2人”が、失言でまた炎上─。

 能登半島地震で電気などのインフラが壊滅状態に陥った地域に住む被災者に、

「避難の際には、マイナンバーカードを一緒に」

 と呼びかけた河野太郎デジタル大臣。

 そして、上川陽子外務大臣について、

「このおばさん、やるねと思った」「少なくとも、そんなに美しい方とは言わんけれど」

 など、上川大臣の外交手腕を評価・持ち上げる中で、セクハラともとれる表現を用いた麻生太郎副総裁。しかも、名前を「カミムラ」と間違える始末(2月2日に発言を撤回)。これまでも数々の失言でバッシングされてきた“W太郎”だが、なぜその舌禍は収まらないのだろうか。

失言の裏にある意識

「結局、2人とも“上から目線”で大衆をバカにしているんですよ」

 と、ジャーナリストの大谷昭宏さん。

「電気もネットも不通ならば、マイナンバーカードはまったく役に立たないので、災害のときは今までどおり健康保険証を携帯してくださいと自治体は言ってます。

 それでも河野氏がマイナンバーカードを推すのは“オレは頭がいいんだから、大衆は言うことを聞いていればいい”という気持ちがあるのでは」(大谷さん、以下同)

「人材が育っていない」政治の貧困

 そして麻生氏については、

「本人は頑張って面白おかしく話そうとして、一般の聴衆がお愛想で笑ってくれていることに気がついてない。面白くしようとした表現が、今の時代だと完全にアウトな発言ということもわかっていない。名前を読み違えたり、女性初の外相として、2001年に発足した小泉内閣の田中眞紀子氏がいるのに、上川氏が女性初の外務大臣だと言ったり。言葉だけでなく、知識も足りていないんです

 と、散々な評価の2人だが、河野氏は次期総理大臣候補として、いつも上位に名前が挙がる存在。麻生氏はといえば総理経験者だ。

麻生太郎氏

 そんな政治家が失言を続けることに、日本の未来にはなはだ不安を感じてしまうのだが─。

自民党政権が続く中で、人材が育ってきていないんですよ。麻生氏は80歳を超えているし、そんな人がいまだに政治の世界で跋扈しているということが、日本の政治の貧困につながっているんじゃないですか」

 大谷さんはこう嘆きつつ彼らを選んだ国民に対して、

「こんな失言をする人に対してもだし、裏金疑惑で名前が挙がっている政治家に選挙で1票を投じたことを悔やまなくてはいけないんです」

 と、苦言を。そして、次の選挙までに国民が考えなければならないこととして、

「政治家の発言を聞いて、その人を判断していくことです。どんな失言でも、判断材料を与えてくれたと思って、選挙のときに選ばなければいいんですから。

 政権交代で自民党の後を任せられる政党がないと嘆くのではなく、大衆をバカにすると痛い目にあうということを政治家にわからせて、国民が政治家と政党を育てていかないとダメなんです」

 誰も任せられる人がいない、と諦めるのではなく、国民が政界の新陳代謝を促していかない限り、明るい未来は見えてこない─。