志村けんさん

 あれから4年─。

 2020年3月29日、新型コロナウイルス肺炎により亡くなったお笑い芸人・志村けんさん(享年70)。その影響力はいまだ色あせることなく、いやむしろ、その偉大さが再評価され続けているという。

時代に刺さる「昭和のよきスタイル」

「YouTubeで昔のドリフターズや志村さんの『バカ殿様』などを見てファンになったという若者たちが、TikTokで礼賛する……という現象が起きています。また、BSフジで放映されている『ドリフ大爆笑』は同局の人気コンテンツです。

 そういえば先日、取材した某有名人が、“認知症を患った妻が、この番組をとても喜んで見るんです。昔は子どもたちに、下品だから見てはダメなんて言っていたのに……”と話していました」(お笑いに詳しいベテランライター)

 確かにドリフ関連の番組は、昭和の当時でさえも「不適切!」との声が上がっていたもの。とはいえ志村さんの、お笑いに対しての飽くなき探究心も、「昭和のよきスタイル」として今の時代の人々に響いている、という。

「どこまでも笑いを研究していた人でした。『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ系)などMCの仕事もしていましたが、やはり自分はお笑い芸人だと。ドリフの時代から連綿と続く“人間の滑稽さ”や“下の立場の者が上の立場の者をやりこめる”というスタンスを表現し続けた。在日米軍の人物に、“シムラの番組は(在日米軍の関係者に)大ウケなんだ。アメリカでも仕事をすればいいのに”と言われたこともあるとか。志村さんの笑いのセンスは、世界共通なのでしょう」(同・ライター)

 人間のおかしみと哀しさを追求し、知っていたからだろう。志村さんの人間性も、改めてリスペクトの対象になっているようだ。

絶えぬ銅像の見物客

「人を許すことができて、とにかくモテましたね。付き合った女性には『好きに使っていいよ』と自分のクレジットカードを渡した。住む部屋を用意してあげることもあったそうです。後輩に対して恋のキューピッド的立場になることも多かった。

 ただ、時間には厳しかった。約束した時間の30分前には現場に来ているんですよ。それには周囲の人がヒヤヒヤしていましたね。志村さんの株が再び上がっているのは、松本人志さんの報道の影響もある気もします」(志村さんを知る芸能プロ関係者)

 そんな、志村さんの「人情」にあやかろうとする人は多いようだ。

生地である東京・東村山の駅にある銅像には、今でも見物客が絶えないとか。また、ここへきて志村さんが愛飲していたお酒が人気を博しています。

 志村さんはウイスキーや焼酎が好きで、気に入った銘柄を後輩たちにもよくすすめていました。お気に入りはウイスキーなら『竹鶴』。焼酎は芋焼酎『伊佐美』、ごま焼酎の『紅乙女』、焼き芋焼酎『鹿児島大地』など。親しかった芸能人たちも、志村さんを偲んでよく飲んでいるようです」(前出・ライター)

クラウドファンディングによって完成した志村けんさんの銅像

 お笑い=仕事、女性、酒を愛した志村さん。天国でもこれらの酒をアイーン(愛飲)しているのかも。