大谷翔平(2023年)

僕はその時に一平さんがギャンブル依存症だというのは知らなかったですし、彼が借金をしていることもそのミーティングの時はもちろん知りませんでした。

 僕は彼の借金返済にはその時も同意してませんし、ブックメーカーに対して彼に送金をしてくれと頼んだことも、許可したことももちろんないです。

 試合後ホテルに戻って初めて一平さんとそこで話をして、彼に巨額の借金があることをその時知りました。彼はその時私に、僕の口座に勝手にアクセスしてブックメーカーに送金していたということを僕に伝えました

 3月25日、本拠地のドジャースタジアムにアナハイム・エンゼルス迎えてのオープン戦が始まる前、「僕も話したかった」と記者会見に臨んだロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平。水原一平元通訳の解雇と“疑惑”に初言及したのだが、冒頭の発言をはじめ「知らなかった」尽くしの会見となった。

 違法なスポーツ賭博によって膨れ上がった450万ドル(約6億8000万円)の借金を返済するため、大谷の口座から資金を充てがったという水原氏。当初は『ESPN』の取材に「翔平が肩代わりしてくれた」と説明するも、翌日には「翔平は何も知らない」と前言を撤回。

口座から大金が消えても「知らなかった」

「ウソをついた」と告白する水原氏を“窃盗”で告発した大谷の代理人弁護士同様に、大谷本人もまた関与を否定し、「自身は被害者」の立場を会見で明確に示したのだ。

 大谷によると、身辺で起きていた違法賭博問題を初めて把握したのが、韓国での開幕戦後のチームミーティング。ホテルに戻った後、あらためて水原氏から「巨額の借金がある」「口座にアクセスしてブックメーカーに送金していた」ことを知らされた。

 2021年ごろからスポーツ賭博にのめり込み、2023年に口座から8〜9回に分けて約7500万円ずつ送金していたとの、水谷氏の愚行に全く気づかなかった大谷。特に自分の口座から大金が消えていったにも関わらず「知らなかった」とは、にわかに信じがたいが……。

大谷翔平と妻の田中真美子さん(ジョン・スーフー氏のインスタグラムより)

「普通の感覚で言えばあり得ない話ですが、大谷選手ならば“あり得そう”と思えてしまう部分はある」とは、日ハム時代の大谷を取材したベテランスポーツジャーナリスト。

 2013年に『北海道日本ハムファイターズ』でキャリアをスタートさせて以降、食事や睡眠をはじめとするライフスタイルを全て野球中心で組み立てていた大谷。当時、先輩選手らが練習後や試合後に札幌の歓楽街・ススキノに繰り出す一方で、「明日のトレーニングに響く」との理由で“夜遊び”にも興味を示さなかったようだ。

“社会常識や社会経験”に乏しい野球選手

「特に“お金”に関しては無頓着というか、入団3年で1億円プレーヤーになっても高級ブランドの服を着るわけでなく、豪華なレストランで食事をするわけでもない。チームメイトが高級外国車を購入する傍らで、ついぞ日本で免許を取ることもなかった。

 大きな買い物としては都内に億ションを、渡米後にようやく免許取得してポルシェを購入しましたが、彼が手にする年俸からすれば微々たる額。それこそ野球に集中するために、経費や雑費などのお金の管理を水原さん任せていたのかもしれない」(前出・ジャーナリスト、以下同)

 またプロ野球選手は総じて、“社会常識や社会経験”に乏しい傾向にあるという。

「社会人チームからの入団組はお金の管理ができる選手も多いですが、大卒組、特に高卒組はそれこそ“野球しかやってこなかった”選手が多い。そのためNPBは新人選手研修会を開き、税金を含めたお金、薬物や反社会組織、最近ではSNS使用法まで講義を受けさせて“社会”を教えているのです。

 それでも“一夜漬け”で理解できるわけもなく、トラブルに巻き込まれる選手は絶えず、また解決する術を知らずに深みにハマってしまうケースもある。大谷選手も、自分のお金を管理できていれば、もう少し社会人としての経験と自覚があれば事態が大きくなる前に防げた問題なのかなと」

大谷翔平や真美子夫人と並んで記念写真に収まる水原一平夫妻(大谷翔平公式インスタグラムより)

野球少年のまま大人になってしまった

 SNS上では会見での釈明を信じた上で、

《口座の管理はきちんとお母さんから教えてもらいなさい 水原さんに口座の情報を教えていた大谷くんにも問題はありますよ これは社会人1年目にする事ですよ》

野球少年だから野球に打ち込む為に全て一平ちゃんに任せてたと思うよ。 それだけ信頼していたんだろう。 ただ大谷さん少年のまま大人になって社会人としては未熟だったと思う》

大谷さんは 野球少年だから お金とかは気にしてないような感じだからなあ 良くもあり悪くもありというか せめてパスワードとかはしっかりしてほしいかな 奥さんが出来てよかったとおもう

 偉大なベースボールプレーヤーであることは間違いないが、“社会人としての未熟さ”を指摘され、これを機に“野球少年から卒業”して成長を促す声も。

 田中真美子さんとの結婚で、これからはひとりではない、大切な家族を守らなければならない身。あらためて野球人であり、社会人であることを自覚した方がいいのかもしれない。