左から大和田獏、柴田理恵、田中美里

 2024年1月の能登半島地震で観光需要が落ち込んだ北陸地域。観光客を呼び込もうと3月から国や各自治体が旅行支援を行っているが、せっかくなら旅先でおいしいものを食べてお得な旅を満喫したい。

 そこで地元出身の芸能人3人にとっておきの絶品グルメを紹介してもらった。

富山の“きときと”(新鮮)な魚をお腹いっぱい楽しんで!

 まずは富山県出身の柴田理恵さん。

「富山といえば、まずは海の幸です。富山の方言で“新鮮”なことを“きときと”と言いますが、まさに、きときとなお魚を出してもらえるのが水橋食堂 漁夫さん。漁師さんが営んでいるお店なので、その日に水揚げされた魚介を提供してくれるおすすめのお店です」(柴田さん、以下同)

 富山県には漁港が複数あるが、そのなかでも富山駅に一番近いのが水橋漁港。富山駅からローカル線「あいの風とやま鉄道」で約10分の水橋駅が最寄りの漁港にあるお店だ。人気の定番商品は〈海鮮丼〉

定番の〈海鮮丼〉。季節や仕入れ状況により魚の種類は変わる。小(海鮮5種)1870円、並(海鮮6種)2420円、大(海鮮7種)3410円。

 魚介の数を5種、6種、7種から選べるのがうれしい。脂がたっぷりのった富山の旬の海鮮を手頃に楽しめるが、海鮮丼よりもっとぜいたくなのが〈大漁丼〉だ。

「私がテレビ番組の収録でお店を訪ねたときに食べたのがこの大漁丼。なんでも、漁師のオーナーが大漁だった日に『全部のっけろ』と威勢よく言ったひと言で誕生したメニューなんだそう」

 丼いっぱいのご飯に刺身やフライ、かき揚げなどが山のように盛られている。その日の水揚げの状況によって種類は変わるが、爆盛りなのはいつも変わらず。ご飯の量も多いので大食い自慢はチャレンジしてみては?

『水橋食堂 漁夫』富山県富山市水橋辻ヶ堂40-22/11:00〜16:00、17:00〜22:00(火曜11:00〜15:00)/定休日:月曜(祝日の場合は翌日)/TEL:076-460-3758

「独特の食感がたまりません!」氷見うどんの魅力

 柴田さんが次に紹介してくれたのが、能登で生まれた伝統技法を受け継ぐ氷見うどんの海津屋さん。富山県北西部にある氷見は寒ぶりで有名だが、うどんも名物なのだ。

『うどん茶屋 海津屋』人気メニューの〈海老天ぷらざるうどん〉1420円

「うどんのコシと、つるんとしたのどごしの両方が備わっているのが氷見うどん。あの食感は、ほかのうどんにはあまりないと思います」

 練りあげた麺生地の質感を手で確認しながら少しずつ細く延ばしていく手延べ製法にこだわった氷見うどんは、冷たくても温かくてもどちらも絶品だという。

「富山はこれからの時期はもちろん、秋や冬もおすすめ。寒い季節においしいカニや、ほっこり温まる温泉もありますので、ぜひいろいろな季節に足を運んでみてください」

『うどん茶屋海津屋』富山県氷見市上泉20/11:00〜15:00/定休日:木曜/TEL:0766-92-7878
 

『うどん茶屋 海津屋』のホームページはこちら

ときどき無性に食べたくなる福井のソウルフードです

 福井県出身の大和田獏さんが紹介してくれたのは、心に残るふるさとの味だ。

「子どものころ、学校の成績がいいときなどに親がご褒美に出前をとってくれたのですが、そのなかでも思い出深いのが、敦賀ヨーロッパ軒〈ソースカツ丼〉です。ソースカツ丼は福井人のソウルフードであり、僕のソウルフードでもあります」(大和田さん、以下同)

 おだしの卵とじではなく、ソースで食べるカツ丼は、群馬や福島、長野などにも古くからあるが、その発祥はヨーロッパ軒というのが定説だそう。

『敦賀ヨーロッパ軒』福井県敦賀市相生町2-7/11:00〜14:00、16:30〜20:00/定休日:月曜、火曜/TEL:0770-22-1468

 もともと、大正2年に東京・新宿区にあったヨーロッパ軒で提供したのが始まりで、その後、関東大震災で店主が郷里の福井に帰って店を始めた。総本店は今も福井市内にあり、敦賀ヨーロッパ軒は昭和14年にのれん分けされたお店だ。

 現在、福井県下に10店舗以上のヨーロッパ軒があるが、「敦賀ヨーロッパ軒のソースカツ丼が一番好きです」と大和田さん。甘みと酸味のバランスが絶妙のウスターソースとカツの相性が抜群だとか。

「もうひとつ、この店で忘れられない味が〈スカロップ〉です」

 スカロップとは聞きなれない料理だが、トンカツに甘めのソースをたっぷりとかけた敦賀ヨーロッパ軒オリジナルのメニューだ。

「他の店では食べられないので、無性に食べたくなるときがあります。ちょうど3月に北陸新幹線が敦賀まで延伸されましたので、ぜひ足を延ばして楽しんでください!」

“金沢市民の台所”でご当地グルメを食べ歩き♪

「昨年、観光客の方に交じって友人と行列に並んでいろいろ食べました。どれもびっくりするくらいおいしくて今も忘れられません」と言うのは金沢出身の田中美里さん。

 金沢駅近くの近江町市場で友達と一緒にグルメツアーをしたという。近江町市場は300年以上の歴史を誇る活気あふれる商店街で、地元でとれた魚介や野菜を販売する店が軒を連ねている。

「近江町市場で金沢グルメを楽しんでください!」

「どこもおいしいですが、以前、割烹(かっぽう)料理屋さんから『金沢名物の香箱がにを買うならここ』と教えてもらった川木商店さんがお気に入りです」

 新鮮な旬の魚介を買ってすぐ店先で食べられるのが観光客にはうれしい。この他にも田中さんおすすめの近江町市場グルメをご紹介!

「牡蠣は肉厚で甘くてぷりぷり!」

牡蠣、えび、うなぎなどを店先で食べられる。『川木商店』9:00~15:30/不定休

「新幹線の中でよく食べます(笑)」

塩豆大福が人気商品。『豆餅すずめ』10:00~16:00/定休日:水曜、日曜(日曜不定休)

「ビールの飲み比べが楽しい!」

地元金沢をはじめとしたクラフトビール。『百萬商店』9:00~16:00/定休日:水曜(祝日は営業)

※記載の情報は2024年3月編集部調べ。料理の金額はすべて税込みです。

田中美里

田中美里●1977年石川県生まれ。1997年、NHK連続テレビ小説『あぐり』のヒロインに抜擢されデビュー。その後、ドラマ・映画・舞台に多数出演。また韓流ドラマ『冬のソナタ』でチェ・ジウ演じるヒロイン、ユジンの吹き替えを務めたほか、柔らかく印象的な声を生かしてナレーターやラジオのパーソナリティーとしても活躍。さらに自身がプロデュースする帽子ブランド『ジンノビートシテカッシ』を手掛けている。出演作の映画『美晴に傘を』が今年公開予定。