笠原将弘さんのコクうま!絶品おかず

 毎日の料理を確実に格上げしてくれると笠原さんが語る調味料がきび砂糖。

 まろやかな甘さ、コクのあるおいしさ、うっすらと感じるさとうきびの風味。溶けやすくクセもなく、あらゆる料理に幅広く活躍してくれる相棒だという。

「縁の下の力持ち」と賛辞を贈る、ミネラルもたっぷりなきび砂糖をしっかり使った、笠原流レシピ。さっそくマネしてみて!

笠原将弘さんのコクうま!絶品おかず

鶏ももロールの新玉ねぎ蒸し

 きび砂糖の保水効果で鶏肉もしっとりと

鶏ももロールの新玉ねぎ蒸し

材料(4人分)
・鶏もも肉……2枚
・新玉ねぎ……2個
・パプリカ(赤)……1/2個
・塩、粗びき黒こしょう……各少々
 A〔だし汁……1カップ、薄口しょうゆ……大さじ2、きび砂糖・酒……各大さじ1〕
・レモン(半月切り)、カイワレ(食べやすく切る)……各適量

【作り方】

(1)新玉ねぎは薄切りにする。パプリカはヘタと種を除いて細切りにする。鶏肉は余分な脂や筋を除いて身側の厚みのある部分に切り込みを入れ、塩・こしょうをふる。端からロール状に巻き、たこ糸で縛って形を整える。

(2)フライパンを中火で熱して(1)の鶏肉を入れ、転がしながら全面に焼き色をつけ、一度取り出す。

(3)(2)のフライパンに(1)の新玉ねぎとパプリカを敷きつめ、(2)をのせる。Aを加えてフタをし、弱火で20分ほど蒸し煮にする。

(4)鶏肉のたこ糸を取り除いてひと口大に切る。新玉ねぎ、パプリカとともに器に盛り、レモンを添えカイワレを散らす。

《Point》
・鶏肉はロール状に巻いて焼くと、うまみが逃げずにゆっくり火が通るため、しっとりする。
・こんがり焼きつけておくことで肉の香ばしさが加わり、味わいが増す。

春キャベツと豚バラのゴマ酢がけ

 コクと味の深みのあるタレでキャベツの甘みが増す

春キャベツと豚バラのゴマ酢がけ

材料(作りやすい分量)
・春キャベツ……1/4個
・豚バラ薄切り肉……200g
・青じそ……5枚
 A〔きび砂糖……大さじ1と1/2、酢……大さじ2、練りゴマ(白)・すりゴマ(白)・しょうゆ……各大さじ1〕
・塩……少々

【作り方】

(1)春キャベツはザク切りにする。青じそは千切りにする。豚肉は長ければ半分に切っておく。Aは混ぜ合わせ、ゴマ酢を作る。

(2)鍋に湯を沸かして塩を入れ、(1)の春キャベツを1分ほどゆでてザルに引き上げる。火を止めて(1)の豚肉を入れ、しゃぶしゃぶして火を通し、ザルに上げる。

(3)(2)を器に盛り、ゴマ酢を回しかけ、(1)の青じそをのせる。

《Point》豚肉は火を止めて80℃くらいになった湯にくぐらせると、やわらかく火が入る。ザルに上げて冷ますとうまみが抜けない。

新玉ねぎのひと口シューマイ

 モヤシの水分でふっくら仕上がる

新玉ねぎのひと口シューマイ

材料(2人分)
・新玉ねぎ……1/4個
・豚ひき肉……200g
・シューマイの皮……10枚
・片栗粉……大さじ1
・モヤシ……200g
 A〔きび砂糖・オイスターソース……各大さじ1、ゴマ油……小さじ1、片栗粉……小さじ1、塩・こしょう……各少々〕
 B〔酢……大さじ2、きび砂糖・しょうゆ・かつお節……各大さじ1〕
・からし、しょうゆ……各少々

【作り方】

(1)新玉ねぎはみじん切りにして片栗粉をまぶす。

(2)ボウルにひき肉を入れてAを加え、手でしっかり練って粘りを出す。(1)を加えてサッと混ぜ合わせる。

(3)シューマイの皮は半分に切り、等分した(2)をのせて半分に折りたたむように包む。

(4)フライパンにモヤシを敷きつめて水をひたひたまで注ぎ、フタをして火にかける。沸いたらモヤシの上に(3)をのせ、フタをして中火で7~8分蒸し煮にする。

(5)シューマイに火が通ったら取り出す。モヤシは水けをきってBであえる。ともに器に盛り、からし、しょうゆを添える。

豚のから揚げにんじんソース

 カリッ&やわらかな豚肉を色鮮やかなソースにからめて

豚のから揚げにんじんソース

材料(作りやすい分量)
・豚肩ロースかたまり肉……300g
・にんじん……150g
 A〔きび砂糖……小さじ2、塩……小さじ1/2、こしょう……少々〕
・万能ネギ……3本
 B〔酢……大さじ2、きび砂糖・サラダ油・薄口しょうゆ……各小さじ2、ショウガ(すりおろす)……小さじ1〕
・キャベツ……1/6個
・片栗粉……適量
・揚げ油……適量
・レモン(くし形切り)……1/4個

【作り方】

(1)豚肉はひと口大のそぎ切りにし、Aをもみ込み、15分ほどおく。

(2)にんじんはすりおろす。万能ネギは小口切りにする。ともにボウルに入れ、Bを加えて混ぜ合わせ、にんじんソースを作る。キャベツは千切りにする。

(3)(1)に片栗粉をまぶし、170℃に熱した揚げ油に入れ、カリッとするまで3~4分揚げる。器に盛って(2)のキャベツとレモンを添え、にんじんソースをかける。

《Point》
・豚肉にきび砂糖をもみ込んで肉の水分を閉じ込める。
・最初は触らずに揚げ、衣が固まって色づいてきたら上下を返しながら揚げる。

きび砂糖と上白糖の違いって?

 きび砂糖も上白糖も、さとうきびやてん菜から作られた原料糖からできている。製造方法の過程で、色みと風味に違いが出る。上白糖は無色透明になるまで精製を繰り返してから煮詰めたもの。

 きび砂糖は精製途中の砂糖液を結晶化させたもので、さとうきび由来の色と風味が生きた、コクのあるおいしさに仕上がっている。

※きび砂糖(R)はウェルネオシュガー株式会社の商標登録です。

なすのそぼろ煮

 こんがりなすとジューシーなそぼろで王道の甘辛煮!

なすのそぼろ煮

材料(2~3人分)
・なす……4本
・豚ひき肉……200g
・ショウガ……30g
・サラダ油……大さじ3
・きび砂糖……大さじ4
 A〔水……1と1/2カップ、しょうゆ……大さじ5、酒……大さじ3〕
・一味唐辛子……少し
・青じそ……3枚

【作り方】

(1)なすはヘタを除き、ピーラーで皮を縞目にむき、乱切りにする。ショウガは粗みじん切りにする。

(2)フライパンにサラダ油を中火で熱して(1)のなすを入れ、全体にしっかり焼き目をつけ、取り出しておく。

(3)(2)のフライパンにひき肉を入れ、中火でしっかりほぐれるまで炒める。(1)のショウガを加え、香りが立つまで炒めたら、きび砂糖を加え、照りが出るまで炒める。

(4)Aを加えてひと煮立ちさせたら、(2)を戻し入れ、なすがやわらかくなるまで少し煮る。器に盛って一味唐辛子をふり、青じそをちぎって散らす。

《Point》
・なすは多めの油で香ばしく焼きつけると味わいがふくらむ。
・ひき肉ときび砂糖をよくなじませて味わいを深める。

新玉ねぎの土佐煮

 旬野菜のみずみずしさと甘みを堪能!

新玉ねぎの土佐煮

材料(作りやすい分量)
・新玉ねぎ……2個
・いんげん……4本
・かつお節……10g
 A〔だし汁……2カップ、しょうゆ……大さじ2、きび砂糖……大さじ1〕

【作り方】

(1)新玉ねぎは6等分のくし形に切る。いんげんはヘタを除き、半分に切る。

(2)鍋に(1)の新玉ねぎとAを入れて中火にかけ、煮立ったら弱火にしてアルミ箔をかぶせ、10分ほど煮る。

(3)(1)のいんげんとかつお節を加え、3~4分煮て器に盛る。

《Point》新玉ねぎは芯を取らずにくし形に切ると、バラバラにならない。

小ヤリイカ若竹炒め

 タケノコの香ばしい焼き目が食欲をそそる

小ヤリイカ若竹炒め

材料(2人分)
・小ヤリイカ……3ハイ
・ワカメ(塩蔵・戻したもの)……30g
・タケノコ(下ゆでずみ)……1本
・サラダ油……大さじ2
 A〔酒……大さじ3、しょうゆ……大さじ1と1/2、きび砂糖……大さじ1〕
・木の芽……適量

【作り方】

(1)タケノコはひと口大に切ってサッと洗う。水から15分ほど下ゆでし、水に10分ほどさらす。ワカメはざく切りにする。

(2)ヤリイカは足をワタごと引き抜き、軟骨を取り除く。胴は輪切りにし、足は食べやすく切る。

(3)フライパンにサラダ油を中火で熱し、(1)のタケノコを焼き目がつく程度に炒める。ワカメと(2)を加え、サッと炒めてイカに火を通す。

(4)Aを加えて炒め合わせ、器に盛って木の芽を散らす。

《Point》タケノコは焼き目がつくまでしっかり炒めて香ばしさを引き出す。

サワラと新じゃがの揚げ出し

 サケやマグロ、ブリ、エビを使っても美味!

サワラと新じゃがの揚げ出し

材料(2人分)
・サワラ(切り身)……2切れ
・新じゃがいも……2個
・グリーンアスパラ……2本
・大根……100g
・塩……少し
・小麦粉……適量
・揚げ油……適量
 A〔だし汁……1と1/2カップ、しょうゆ……大さじ2、きび砂糖……大さじ1〕
・カイワレ(食べやすく切る)……1/3パック

【作り方】

(1)新じゃがいもは洗って皮つきのままひと口大に切る。アスパラは根元を切り落とし、食べやすい長さに切る。大根はすりおろす。

(2)サワラはひと口大に切り、塩をふって下味をつけ、小麦粉をまぶす。170℃に熱した揚げ油に(1)の新じゃが、サワラ、アスパラを順に入れてカリッと揚げる。

(3)鍋にAを入れてひと煮立ちさせる。

(4)器に(2)を盛って(3)をかけ、(1)の大根おろしを添えてカイワレを散らす。

《Point》新ジャガ、サワラ、アスパラの順で油に入れると、火の通りが均一になる。

笠原将弘●東京・恵比寿にある日本料理『賛否両論』店主。新宿の『正月屋吉兆』で修業したのち、2004年に自らの店をオープン。以来、独創的な感性と卓越した料理センスで和食界を牽引し続けている。

笠原将弘●東京・恵比寿にある日本料理『賛否両論』店主。新宿の『正月屋吉兆』で修業したのち、2004年に自らの店をオープン。以来、独創的な感性と卓越した料理センスで和食界を牽引し続けている。『予約のとれない和食屋 笠原将弘のきび砂糖(R)の極み80』(扶桑社)が発売中。

笠原さんの著書『予約のとれない和食屋笠原将弘のきび砂糖(R)の極み80』(扶桑社)※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

撮影/竹内章雄、スタイリスト/遠藤文香