元NHKの青井実アナウンサー

 フジテレビが『イット!』のMCを務める青井実アナにコンプライアンス違反があったとして厳重注意したと発表。

 具体的には、青井アナが番組スタッフに対してパワハラを行ったとのこと。発表によると、昨年5月ごろ、青井アナは同番組のリハーサル中に、フリップの演出が上手くいかなかったことに対し、スタッフを強い口調で叱責したという。また、同年10月には、放送終了直後に速報ニュースの対応をめぐって、付けていたピンマイクをキャスター台に置いてある箱に力強く投げ入れ、スタッフを強い口調で叱責したという。

「ありえなかった」フジの対応

 フジテレビは4月9日、番組が始まる前の昼過ぎに公式ホームページで上記事案を公表し、青井アナに対しては、今後出演を継続するにあたり二度と同様の言動がないよう申し入れを行ったという。

 青井アナは9日の番組で「言葉を扱う仕事についているものとして、相手に言葉を使って伝えているものとして、あってはならないことだと強く感じております」「本当に自分の未熟さが出てしまったと痛感しています。申し訳ありませんでした」と謝罪したが、実は青木アナだけでなく、この問題に対応した同局の上席も処分されている。

 民放の社員は、こう語る。

「情報番組に限りませんがMCで“オレ様”体質の人はよくいます。そういう人たちは、鳴り物入りで迎えられた人が多く、局側も腫れ物に触る感じで大事にする傾向がありますから、これまではちょっとしたパワハラやセクハラくらいでは、現場から訴えがあっても問題にすることはありませんでした。

 しかし、今は時代が違います。加えて、中居正広さんの女性トラブルやフジテレビ問題がクローズアップされてから、局の対応は明らかに変わりました。青井アナの件も、これまでなら本人に注意することも、局員が処分されることもなかったでしょう。それどころか、そんな事案を外部に発表するなんて、ありえなかったです」

局内から不満の声

 青井アナもフジテレビに破格の報酬で迎え入れられたようだが、それは元NHKのアナウンサーだからだという。

最近はそれほどでもなくなりましたが、なぜか民放には“NHKコンプレックス”みたいなものがあったんです。出身アナウンサーの“NHKブランド”は凄まじく、アナウンス技術もトークも長けていて、“MCをさせれば番組は必ず成功する”みたいな神話がありました。確かに、どのアナウンサーの方たちもレベルは高いと思います。NHKを辞めてフリーになると、争奪戦になっていた時代がありましたよ。

 当然、“オレ様”になる人も出てくるのですが、これまでNHKを退社して民放で活躍している人たちで、悪い噂を聞いた人はいませんね。青井アナに関していえば、フジに行ってから急にパワハラ体質になったということはないでしょう」(前出・民放プロデューサー)

SNSで拡散されている青井アナの高校時代(Xより)

 しかし、自局のアナウンサーたちから、

「局にも優秀で人気のあるアナウンサーがいくらでもいるのに、なぜ高いお金を払ってフリーアナを使うのか」

 という不満の声が続出するようになり、また、元NHKアナを起用しても必ずしも視聴率が獲れることもなく、最近では、よほど人気と実力のある人じゃないと民放が触手を伸ばすことはなくなっている。そんな状況にも関わらず、多額の契約金で青井アナがフジテレビに引き抜かれたことに、民放関係者は驚いたという。

 こんなところでもフジテレビの“古さ”が感じられるのだが、そんな“古い”フジテレビを支えてきたのが、日枝久フジ・メディア・ホールディングス取締役相談役と港浩一前社長だったと言われている。この二人が去ることでフジは大きく変わることになるだろうが、青井アナも変わることができるのか――。