森香澄

 東京・世田谷区にある馬事公苑前のけやき広場に4月24日、森香澄と柏木悠の姿があった。広場で子どもたちが走り回る中、主演2人を離れた場所で見守るスタッフは、タバコの煙をくゆらせて─。

「ドラマの撮影を行っていたスタッフたちが、路上喫煙は禁止されている場所でタバコを吸っていたのです」

 そう証言するのは、世田谷区在住の男性だ。子どもを保育園に送りにいく途中の午前9時台、冒頭で森が撮影を行う場面に遭遇したという。

「撮影していたのは、毎日放送で現在放送されている森さんと柏木さん主演のドラマ『年下童貞(チェリーボーイ)くんに翻弄されてます』です。私も喫煙者なので吸いたくなる気持ちはわからないでもありません。ただ、子どもが遊ぶ喫煙禁止の広場に灰皿を設置したうえ、複数人のスタッフが堂々とタバコを吸うという神経は、理解できません。撮影には子役も参加していましたから」(男性、以下同)

 注意喚起も含め、男性はスタッフらの喫煙姿などを撮影。喫煙を問題視する行動をとれば、さすがにやめるだろうと考えたからだ。しかし、

「子どもを保育園に送った帰りに見ると、まだ吸っていたのです。歩きタバコをするスタッフが子どもの近くを通る場面もあり、注意することにしました。念のため世田谷区に電話で“喫煙禁止”であることを確認してから、近くにいた音声スタッフに、どこのテレビ局かと聞いたのです

 すると、こんな返事が。

「テレ東です」局名を偽って説明か

「“テレビ東京ですが撮影の詳細は話せません”と。ただ、すぐに嘘だとわかりました」

 なぜなら証言してくれた男性も、テレビ局の番組制作の仕事に携わっているためだ。

「路上喫煙を問題視する行動をとる私をヤジ馬だと思って、適当に追い払うつもりだったのでしょう。別のスタッフをつかまえて問い詰めると『毎日放送』であることや灰皿を設置して喫煙したことを認めました。そこで“路上喫煙は禁止ですよ”と注意をしたのですが、めんどくさそうに謝るだけ。私もテレビの仕事をしているだけに、こうしたいいかげんな行為や態度は許せません。そのうえ他局と偽るなんて……。配られている台本に局名が書いてありますから、間違えるとは思えません。こんなことをしているからテレビ局の信頼は地に落ちるんですよ!」 

『年下童貞くんに翻弄されてます』撮影が行われる中で喫煙するスタッフ(目撃者提供)

 ドラマ撮影があった同日、BPOが毎日放送の別の番組で放送倫理違反があったことを認定している。この問題は2024年9月にBPOで審議入りしていたもので、一層、気を引き締める必要があったはず。にもかかわらず、世田谷区が定める路上喫煙禁止の条例違反に加え、あえて他局を名乗っていたのなら許されない。

 そこで世田谷区に事実確認と併せて見解を聞いてみた。

毎日放送は「事実なら言語道断」

「確かに4月24日に撮影を行うとの連絡はいただいています。また、同日に男性から“けやき広場は喫煙禁止か”とのお問い合わせもあり、禁止場所だと回答しました。区としては、ルールを守って喫煙していただきたいと考えています」(区の担当者)

 週刊女性は事実確認のため毎日放送に質問状を送付。すると同局は、ドラマの撮影を行っていたことを認め、

「撮影において、近隣の方にスタッフの喫煙によりご迷惑をおかけしたことは誠に遺憾であり、深くお詫びいたします」(広報部)

 と回答。他局を名乗った行為については、ドラマ制作を委託した制作会社のスタッフに聞き取り調査をしているが、現時点では確認できなかったとしつつも、こう続けた。

「事実なら言語道断であり、重ねてお詫び申し上げます」

 制作会社にも問い合わせると、毎日放送と同様に謝罪をしたうえで、こう回答した。

「今後はより慎重かつ厳格に、喫煙に関してスタッフへの指導を行うと同時に、社内の撮影ガイドラインに喫煙に関する詳細な条項を定めます」

 ルールは守ろう。