ご結婚後も皇室に残られるのではと囁かれている佳子さま(4月22日)

「ご結婚は間近だとみられる」

 昨年10月に30歳を迎えられた佳子さま。姉の眞子さんが30歳で結婚したこともあり、ここ数年“そろそろ結婚なさるのでは”と囁かれ続けてきた。しかし─。

「そういった兆候が一向に見られないのです。ご結婚を控えた内親王は、さまざまな準備に追われるため、公務の数を減らされる印象です。しかし、佳子さまは4月に石川県を訪問され、5月下旬には岐阜県、6月にはブラジルへ公式訪問される予定。そのほかにも都内でのお出ましなど、ご予定が詰まっていて、休む暇なく内親王としてのお務めを果たされています」(皇室担当記者、以下同)

 30歳になられた佳子さまのご結婚が「まもなく」とされていたのは、単に適齢期だからという点にとどまらない。

女性皇族の“居残り案”

「佳子さまは“いずれ皇室を出て自由な生活を送りたい”とのお考えだと、多くの関係者は見ていました。そんな中、現在、衆参両院では安定的な皇位継承の在り方を巡る議論が進められていて、最も大きな焦点として“結婚後も女性皇族が皇室に残る案”が話し合われています。政府はこれを年内に法制化することを目標にしているのです。そのため、佳子さまはこの“居残り法案”が可決する前に結婚なさるのではと以前から考えられていました」

 法制化が実現すれば、佳子さまや愛子さまだけでなく、将来的におふたりの家族になる方々にも大きな影響が及ぶ。

「眞子さんの結婚と上皇ご夫妻の退位で、公務を担う皇室の方々は14方に減少しており、そのうち未婚の女性は5方です。その方々がご結婚によって皇籍を離れた場合、公務の担い手はさらに減ってしまいます。

 佳子さまと愛子さまが結婚適齢期になられた今、こうした状況の対抗策として打ち出された“居残り案”の実現が急速に進められているのです。女性皇族が結婚後も皇室に残った場合、配偶者と子どもは皇族として扱わないとの方針が有力ですが、それでも、皇族の夫や子どもである限り、ごく普通の生活を送ることは難しいでしょう」

“あえて”結婚しない選択も視野に

“居残り法案”実現が現実味を増す中、「佳子さまが皇室に残られる可能性は十分にある」と話すのは、象徴天皇制に詳しい名古屋大学大学院人文学研究科の河西秀哉准教授。

「佳子さまは内親王ですから、居残り法案が成立した場合、間違いなく対象となります。上皇ご夫妻が退位される際は、法案の可決から実施までに3年ほどかかりましたが、今回は施行まで、それほど時間を要さないでしょう。年内に可決された場合、早ければ来年の6月か7月ごろには居残り法案が施行されるのではないでしょうか」

居残り法案が実現すれば、愛子さまと佳子さまには大きな影響が及ぶことが予想される

 法案の期限が差し迫る状況でも、ご結婚の気配が見られない佳子さまに“意外なお考え”が垣間見えると、秋篠宮家関係者は明かす。

「佳子さまは“結婚ができないからしていない”というよりは“あえて結婚しておられない”ように見受けられます。さらに言ってしまえば、女性皇族の居残り法案が成立するのを待っておられるようにすら感じるのです」

 そう考えるのは、「佳子さまが、あまりにも真摯に公務に向き合っておられたから」だそう。

「近年、公務に邁進しておられる佳子さまですが、昨夏、“皇族としての責務を果たせているのでしょうか……”と弱音を吐かれたことがありました。普段は気丈に振る舞われる佳子さまが後ろ向きな発言をなさるのは大変珍しいことです。

 だからこそ“皇族としてどうあるべきか”を真剣に模索されているのだと感じました。内親王としての務めに責任を感じつつも、やりがいを持っておられるようで、“皇族としての人生も悪くない”と考えておられるようにも見受けられます」(秋篠宮家関係者、以下同)

 佳子さまが生涯皇族を覚悟される背景には弟である悠仁さまを思うお気持ちも深く関係しているという。

「すでに皇室を離れ、アメリカで暮ら眞子さんは、簡単に帰国することができません。そんな中、佳子さまも結婚して皇室を出てしまえば、悠仁さまはごきょうだいの中で、ひとり皇室に残されてしまわれます。さらに愛子さまも皇室を出られた場合、気の置ける年の近いご親族はいなくなってしまいます。佳子さまは皇室で一生を送る弟を思い、皇室に残る選択肢も検討されるようになったのかもしれません」

弟を思われる佳子さま

 佳子さまは、かねて面倒見のいい姉として12歳下の悠仁さまを常に支えてきた。

「佳子さまは'15年、初めて参加された『歌会始の儀』で《弟に本読み聞かせゐたる夜は旅する母を思ひてねむる》と、悠仁さまとの思い出を詠まれました。ちょうどこのとき、眞子さんはイギリスに留学中でした。秋篠宮ご夫妻が公務などでいらっしゃらないときに、佳子さまは悠仁さまのお世話を率先して行われていたそうです」(皇室ジャーナリスト、以下同)

 そして、悠仁さまもまた、今年3月に行われた自身の成年会見で佳子さまについて問われた際、「両親が国内や海外に出かけているときに一緒に遊んでくれたり、本を読んでくれたりして、世話をしてくれることがありました」と明かし、親密さがうかがえた。

当時1歳の悠仁さまのお世話をされる眞子さんと佳子さま(宮内庁提供)

「現在、未婚の皇族で男性は悠仁さまのみ。若い世代の皇位継承者がおひとりという状況ですから、悠仁さまにはご結婚やお世継ぎなどについて、これまで以上に重圧がのしかかるでしょう。幼少期から可愛がってこられた弟が、そんな苦難の道を孤独に歩まれることがないよう、佳子さまは“あえて”結婚しておられないとも考えられます」

 とはいえ、皇室に残るかどうかの判断は慎重でなければならないと、前出の河西准教授は説明する。

「法律が改正されたときに、佳子さまがまだ皇室にいらした場合、佳子さまは皇室に残りたいのか、それとも離脱したいのか、皇室会議などでご意思の確認がなされるはずです。ただ、この意思確認は1回きりだと思います。一度“残る”と意思表示された場合、後になって“やっぱり出たい”ということは受け入れられないでしょう。ですから、後悔されないよう、慎重に判断する必要があります」

 佳子さまは今後、どのような道を選ばれるのだろうか。

河西秀哉 名古屋大学大学院人文学研究科准教授。象徴天皇制を専門とし、『近代天皇制から象徴天皇制へ―「象徴」への道程』など著書多数