
ロサンゼルス・ドジャースの佐々木朗希投手(23、以下敬称略)が、「インピンジメント症候群」による右肩痛のため負傷者リスト(IL)入りしたことが発表された。これにより15日間は戦列を離れることになる。
開幕から41試合を終えてナ・リーグ西地区の首位を走るドジャースだが、2位のサンディエゴ・パドレスとはわずか1.5ゲーム差(5月14日時点)。ここにきての佐々木の離脱はチーム事情に大きな影響を与えそう。
というのも開幕ローテーションを担っていたブレイク・スネル投手(32)、タイラー・グラスノー投手(31)をはじめ、他にも11人がIL入りと投手陣崩壊の危機にあるドジャース。そして佐々木が14人目の負傷者になってしまった。
「試合数が多いメジャーリーグで重宝されるのは中4日、5日のローテーションをきっちり守れるタフな先発投手。故障を防ぐためにも中5日の登板間隔を設けていた佐々木だけに、ロバーツ監督ら首脳陣も頭を抱えていることでしょう。
18日(現地時間17日)にはエース左腕のクレイトン・カーショウ(37)が復帰予定ですが、手薄になった投手陣を立て直すために補強やトレードも考えられます」(MLB事情に詳しいスポーツジャーナリスト)
これまで8試合の登板で1勝1敗、防御率4.72と期待された成績は残せていないが、時に圧巻的な投球を見せていた佐々木。そんな“未来のエース候補”の代役が早々に見つかるとは思えないが、「ドジャースにふさわしい投手がいますよ」とは先のスポーツジャーナリスト。
金銭リスクを負うことなく獲得
「前田健太(37)ですよ。(デトロイト)タイガースを放出されたマエケンは自由契約、フリーエージェントになる見込みです。そうなれば今季年俸1000万ドル(約14億5000万円)はタイガースが負担することになり、他球団は金銭リスクをほぼ負うことなく獲得できます。
衰えが見えるとはいえ、先発や中継ぎでも起用できるメジャー通算68勝の右腕は、投手陣が手薄なチームにとって魅力的。それに彼自身もメジャー10年目の今季は、是が非でもプレーにこだわりたいはず」
MLBでは年金制度が設けられており、10年の在籍で年間27万5000ドル(満額の場合、約4000万円)の受給資格を得られる。もちろん金銭面だけではないだろうが、メジャー10年を区切りとしての“日本復帰”も伝えられてきた前田。

それに2016年、広島東洋カープから移籍した、最初のMLB所属球団がドジャースだ。ルーキーイヤーに16勝を挙げる活躍に当時のファンは酔いしれ、「野茂英雄の再来」と称える“マエダマニア”も生まれたほどだ。
「そんなマエケンフィーバーをサポートしたのが、現在もドジャース通訳を務めるウィル・アイアトン氏。それに大谷翔平(30)もいます。先日、マエケンが描いたイラストをプリントしたTシャツを着用し、サインを“おねだり”する様子をインスタグラムに投稿しています。彼らが在籍するドジャースは、溶け込みやすい環境であるのは間違いない」(前出・スポーツジャーナリスト、以下同)
「前田獲得」に言及した指揮官
では、指揮官のデーブ・ロバーツ監督は前田獲得に乗り気なのだろうか。奇しくも5月12日、インターネットテレビ『ABEMA』が公開したインタビュー企画『おはようロバーツ』にて、タイガースを放出された彼に言及している。
【それは(前田獲得は)ないと思う。前田はタイガースから放出されたばかりで、彼を獲得することはないと思う】
前田のドジャース在籍時にも指揮をとった、いわば“師弟”関係とも言えるロバーツ監督。“この時”は自チームの先発不足を認めながらも、“元エース”の獲得に慎重な姿勢ーー。
「インタビューを受けたのは当然ながら、佐々木が右肩痛を訴える前のこと。かつてダルビッシュ有(38、パドレス)も右肘痛で悩まされた“インピンジメント症候群”は、本格的な故障にも繋がりかねず、仮に佐々木が15日間で復帰できたとしても、以降の長期離脱も想定しているでしょう。
現地ロサンゼルスでも、マエケンのドジャース復帰はメディアも含めて議論され、賛否分かれていますが、かつてのエースの経験値は、チームだけでなく佐々木の将来にもいい影響を及ぼすと考えますが、どう動きますか」
日本人ファンとしてはもちろん、山本由伸(26)、佐々木、前田、そして大谷のローテーションは見たいが。