
国民民主党が夏の参院選で、元衆院議員の山尾志桜里氏を擁立することを決め、SNS上で批判が殺到している。
議員パスを使ってマッサージ店へ
14日、国民民主党は両院議員総会を開催し、今夏の参院選の全国比例で、元衆院議員の山尾志桜里氏、前参院議員の須藤元気氏、前衆院議員の足立康史氏、元参院議員の薬師寺道代氏の4人を擁立することを決めた。
国民民主は経験の浅い若手が多いため、4人とも国会議員経験がある“即戦力”として期待されているようだが、山尾氏は過去のスキャンダルがいまだに尾を引いている。
「山尾さんは、多額のガソリン代が政治資金報告書に記載されていたことを週刊誌が報じて元秘書が関与したものだと釈明したり、自身の政治団体に上限額を超す寄付をして“貸し付け”に訂正したりと、議員のときにいろいろと問題が起こりました。
2021年にはいわゆる“議員パス”を使ってラーメン屋やマッサージ店に行っていたことが報じられ、不正使用を認めて謝罪したことも記憶に新しいです」(全国紙政治部記者、以下同)
山尾氏に関することで一番多くの人の記憶に残っているのは、2017年の不倫騒動だろう。
「2017年の9月に『週刊文春』が山尾さんと弁護士の倉持麟太郎さんのダブル不倫を報じました。2人とも男女の関係を否定したのですが、当時、倉持さんの奥さんが病気療養のために実家に帰省していたのも、世間の批判に拍車をかけました。
その後、山尾さんも倉持さんも離婚したのですが、のちに倉持さんの奥さんが自死したことが明らかになり、さらに批判が集中。今回の国民民主の山尾さん擁立に疑問の声があがっているのは、そういった過去があるからだと思います」
SNS上には、
《山尾志桜里が何してきた人かわかってるの?》
《国民民主、悪い冗談やめて》
といった国民民主への批判の声であふれた。
国民民主の舟山康江氏は14日、両院議員総会後に「さまざまな批判の声を勘案してもやはり公認すべきだということで決まった」と説明。たしかに批判の声はさまざまあり、SNS上にはこんな意見も。
《夫婦別姓制度がいらないことを証明してくれてありがとう》
いったいどういうことか。
自分の都合で苗字を変える山尾志桜里氏
山尾志桜里氏、本名は「菅野志桜里」という。
「政治家になる前に山尾氏と結婚して山尾姓になったため、衆議院時代は山尾と名乗っていましたが、本名は菅野志桜里です。不倫騒動のあと2018年に離婚して菅野姓に戻り、自身のSNSで、今後は本名の菅野志桜里として活動すると発表しました」
ところが、今回の参院選は「山尾志桜里」で臨むという。なぜなのか。
「山尾さんは政治家になる前は検察官を務め、弁護士の資格も持っているのですが、検察官と弁護士の仕事は主に本名の菅野で、政治家の仕事は結婚後の山尾姓で活動したことから、今回の政治家再挑戦は山尾姓にしたとのことです」
実際、自身のXのアカウントも14日に「菅野」から「山尾」に切り替え、自身のnoteに上記の事情を説明したうえで、「名前ロンダリングみたいなヨコシマな気持ちは元々ゼロだったんです」と、名前をコロコロ変えることで何か悪だくみを考えたわけではないと説明した。
だが、SNS上で指摘されているのはその点ではないようだ。
「山尾さんは選択的夫婦別姓制度に賛成の立場なのですが、本名の菅野姓と結婚していたときの山尾姓を自分の都合で自由に選択しているので、夫婦別姓制度がなくても問題ないことを自ら証明してしまったと指摘されているのです」
SNS上にはさきほどの「夫婦別姓制度がいらないことを証明してくれてありがとう」といった辛辣な皮肉のほか、下のような意見も。
《離婚で旧姓の「菅野」に復氏して7年も経ってから訴訟沙汰にもなった元夫の姓を名乗って「選択的夫婦別姓論者です」とか、姓について感覚がおかしそう》
《選挙に出馬する時は前の旦那の苗字の山尾志桜里、世に紛れて隠れる時は菅野志桜里と自由自在に名前を変えられるのに、夫婦別姓にする必要をまったく感じない》

また、山尾氏は上記のnoteのなかで、苗字をどちらにするか迷ったときにアドバイスをもらったとして、以下のように記した。
《なお、かなり面白かったのは、「菅野志桜里」でリフレッシュしたら?というアドバイス。「山尾志桜里」がよほどアレなんでしょうか》
「山尾さんは議員時代、不倫報道などさまざまな問題があったのは事実。だからそのアドバイスをした人は山尾ではなく心機一転、菅野にしたらと提案したのだと思いますが、それに対して『面白かった』『アレなんでしょうか』と茶化すのは、人が一人亡くなっていることもあるのでいかがなものかと思います」
山尾志桜里氏が出馬する参院選は7月までに行われることになっている。国民の審判はいかに――