
「クレクレ」。正当な対価を払わずに、モノ・コト・サービスを「ちょうだい、ちょうだい!」と気軽に他者に“(◯◯を)くれ、くれ”と欲しがる無神経な人や行動を指すネットスラングだ。
「ゲーム内通貨をください」
「アイテムをください」
「◯◯の画像をください」
そんなクレクレが今、“日本一”のアイドルをめぐって大量発生している。
嵐のチケット争奪戦が始まる前から
「嵐が'26年春に行うコンサートツアーを最後にグループとしての活動を終了すると発表。'20年末をもって活動を一時休止し、それから今に至るまで幾度となく解散やラストツアーの噂が報じられてきましたが、いよいよ正式発表されました」(スポーツ紙記者)
国民的グループの活動終了。嵐のファンクラブ会員数は300万人といわれ、その数はアイドルグループとして屈指。その面で日本一といえるだろう。
「年会費は4000円なので、単純計算で年間120億円ほどの収入があったといえます」(同・スポーツ紙記者)
嵐のコンサートツアーのチケットは、これまでもかなりの争奪戦となってきた。ラストツアーとなれば当然ながら相当の高倍率が予想されるが、今回は “既存会員”が優先的に申し込めるように、ファンクラブは新規入会を一時停止している(5月16日現在)。
「活動休止から時間が空いたため、その期間にファンクラブを辞めてしまっていた人も多いようです。ただ、それらの“元会員”たちは、“自己責任”であることを理解している人が多く、入会の再開を心待ちにし、そこからチケットを狙うことに切り替えています。しかし、嵐ほどの国民的グループとラストとなると、“それ以外”の人も多いようで……」
チケットはファンクラブ会員向けの優先販売すらスタートしていない。争奪戦は必ず巻き起こるが、まだ“戦前”。しかし、そんな時期にもかかわらずSNS上では、嵐の“ファンクラブ既存会員”の嘆き声が続々と上がっている。嵐のチケット「クレクレ」だ。
ファンの気持ちをまったく忖度しない「クレクレ」
《久しぶりに会ったお局様に「嵐のファンクラブ入ってたよね?」っていきなり聞かれて怖かった》
《全然連絡してない友人からFCでないのに嵐の最後行きたい言われて6月からの新規会員にも入らないかんじで、どうも同行者でいれてくれてかんじ》
《FC入ってたよね?嵐のチケット余ったら頂戴!って言ってくる非会員かつ曲そんな知らない人がいるのよ…凄く気分悪くて嫌で泣きそうなの堪えて言ったけどほんと辞めて欲しい…》
《FC入ってないちょっと好き程度の人に嵐のラストライブ行きたいんだけど、一緒に行けない?って言われて笑っちゃった》
(これに対するリプライ→《F外から失礼します。まさに同じ状態です…お仲間さんいて泣いちゃいました お互い無事に入れる事を祈ってます!》)
《今日、上司から嵐のコンサート行けないかな?と聞かれた》
久方ぶりの友人・知人からの連絡といえば、「借金のお願い」や「宗教の勧誘」が相場であったが、今はそれに嵐のチケットが加わった形か……。

活動休止中もファンクラブ会員であり続けてきたファンたちは、嵐の活動の再開を、そしてコンサートなどで嵐との“再会”をずっと心待ちにしてきた。
「活動を休止していたため、その間はファンクラブの特典はそれほどない中で、ずっと“いつか”を信じて、お金を払い続けてきた。ましてや“久しぶりのコンサート”ですが、それは“もう二度と見ることのできない最後のコンサート”なわけです。ファンの人であれば、諸手を上げてただただ“うれしい”という感情だけではない」(アイドル誌ライター)
うれしさだけではなく、寂しさや悲しさが入り混じるファンの気持ちをまったく忖度しない、「クレクレ!」。
「かつてファンクラブに入っていたわけではない、まったくの外部といえる人から、“ファンクラブ入ってるならチケット取れるでしょ〜?”“最後なんだったらせっかくだから嵐見てみたいわぁ〜”などと気軽に言われるのは、言葉は悪いですが、殺意すら浮かんでしまうものでしょうね」(同・アイドル誌ライター)
実際にチケットの販売がスタートしたら、このような“嵐”はもっと吹きすさぶだろう。