
《報告書は、中居氏が守秘義務解除に応じないとして、両者の守秘義務解除要請に対する態度も事実認定の根拠にしています。しかし》
『女性セブン』が5か月前の12月19日に報じたことで端を発した中居正広と元女性アナウンサーの間に起きたトラブルが、新たな展開を迎えている。
「トラブルに対するフジテレビの対応を検証する第三者委員会の調査報告が3月31日に公表されました。報告書では、女性が中居さんの自宅マンションを訪れてから部屋を出るまでの間に“性暴力”があったことを認定しています。中居さんが守秘義務の解除に応じなかったことも明かされており、そこまで隠す背景には“性犯罪に近い行為があったのでは?”といった臆測がSNSなどで拡散されていました」(スポーツ紙記者)
だが5月12日、新たに就任した中居の代理人弁護士が、第三者委員会に宛てた文書を公表する。冒頭は、その文書の一部で、次のように続く。
《中居氏は当初、守秘義務解除を提案していましたが、第三者委員会から「2人の密室で何が行われたかが直接の調査対象ではない」との回答があった》
「性暴力の実態」確認されなかった
これに加え、認定された“性暴力”についても、
《中居氏から詳細な事情聴取を行い、関連資料を精査した結果、本件には、「性暴力」という日本語から一般的に想起される暴力的または強制的な性行為の実態は確認されませんでした》
と主張し、当事者からのヒアリング記録や証拠の開示などを求めている。

第三者委員会の調査報告内容と中居の認識は、まったくちぐはぐ。どうしてなのか。法曹関係者が話す。
「調査で聞き取った内容を抜粋、要約する中で一部の表現を変更し、そこに評価が加わることで、当事者が話した一次情報から受ける印象とはまったく違うものになります。世論やメディア報道などを考慮し、その評価にバイアスがかかることもありえます」
当事者たちから独立した“第三者”による調査という建前だが、すべては人間が行うこと。さまざまな要因が影響した可能性はある。
「刑事事件では、検察官が被疑者から聞き取りをして作成する供述調書は、検察に都合のいいストーリーで作成されることもあります。なぜならば検察は起訴をしたからには有罪にしたい。そのため被疑者や弁護人からすれば、供述調書の内容がまったく認識と違うものになっていることがあるんです。今回の問題でも、フジテレビ、被害女性、中居さん、第三者委員会、それぞれの立場があり、おのおのの主張がある中で、さまざまな報道や世論の声を考慮した結果、中居さんの認識とはまったく違う報告書になったのでは」(同・法曹関係者)
中居は今、どこで何をしているのか
中居は女性とのトラブルが報じられた末、芸能界を引退。その後も、女性と示談が成立していることからトラブルの詳細について“貝のように”沈黙を守り続けてきたが、ここにきて反撃に出た。
「第三者委員会は、性暴力の定義としてWHO(世界保健機関)の定義を用いたのですが、この定義に該当する行為は幅広く、端的に言えばセクハラ発言から不同意性交までもその範囲に含まれます。中居さんとしては“性暴力”という言葉に結びつく“性犯罪に近い行為をした人間”というレッテルを、何が何でも払拭したかったのでしょう」(前出・スポーツ紙記者)
芸能界を離れ、第二の人生を歩むにしても、そのレッテルは耐え難く、行く手を阻む。自らを救済するため、中居は闘うことを決意した。今は、どうしているのか。

中居と近しい人物を取材するため、週刊女性は彼の地元へ向かった─。
神奈川県にあるJR藤沢駅から徒歩20分ほどの場所。そこに、かつて中居の生家があったといわれているが、今は取り壊されてマンションが立っている。
5人家族の男3人兄弟の末っ子としてこの街で育ち、友人にも恵まれた。思い出の詰まった土地に、中居はたびたび帰ってきているようだ。
地元で昔からの中居の知人は、こう話す。
「どれだけ芸能界で活躍していても、地元の仲間とゴルフに行って、こっちに帰ってきたときには後輩や知人のやっている居酒屋などで飲んでいました。変にカッコつけるわけでもなく、本当に気さくで。わざわざ地元愛を語ることはないけれど、年に何度かは帰ってきていましたね。彼は、大切な場所だと思っているはずです」
「将来は藤沢に戻りたいなぁ」
過去の雑誌インタビューでも中居は、こう語っていた。
《「将来は藤沢に戻りたいなぁ」と思います。もうこの年齢から新しい友達なんてそうそうできないし、やっぱり、昔からの友達がいて思い出のある地元がいい》(2016年7月発売『藤沢・辻堂Walker』)
国民的アイドルグループ『SMAP』の元メンバーで、長い間テレビ番組でMCを務めるなど芸能界における第一線の売れっ子スターだった中居だが、郷里への愛は薄れることがない。スターとして活躍する一方、昔からの仲間と過ごせる地元は素の自分に戻れる大切な場所だったに違いない。だが、
「最後に会ったのは、昨秋です。みんなで食事をしましたが、特に変わった様子はなかったし、女性とのトラブルなんてことも話してなかった。今回のトラブルが報じられてから“大丈夫か?”と連絡はしましたが、返事はありません。だから、これ以上、僕から話せることはない。だって何があったのか、わからないんですから」(中居の知人)

今年2月、『週刊女性』は中居の実兄に話を聞いたが、連絡をとっていないことを明かしていた。その後『NEWSポストセブン』も同様に実兄を直撃すると、中居が母親からの電話にすら出ないことを明かした。こうした状況の中、地元の仲間とも連絡を絶っているようだ。
まるで“おじいちゃん”のようだった
しかし、週刊女性が取材を進めると、ある証言が飛び出す。
「中居さんは今、この湘南エリアにいると聞いています」
そう話すのは、中居と近しい関係者だ。そして関係者は言葉少なに、こう続けた。
「中居さんと直接お会いした人に聞いたところでは、急激に老け込んで、まるで“おじいちゃん”のようだった、と……。女性とのトラブルに話が及んだ際には“そういう時代だからさ、しょうがないよね”と語っていたそうです」
“性暴力”という言葉が独り歩きする中で、中居は密室で起きた真相をつまびらかにするべきかを葛藤していたのかもしれない。
「仮に真実を明らかにしたとてしても、第三者委員会に“性暴力”だと認定された行為の内容が世の中に受け入れられるかどうか、わかりません。公にした結果“やっぱり性暴力じゃないか”と、状況が改善しない可能性も十分にありえます。そのため、黙しているほうがいい場合もあるでしょう」(前出・法曹関係者)
被害女性は『NEWSポストセブン』の取材に対し、
「これまで私が聞いていた内容と違う」
と、中居の反論について、さっそくコメントした。第三者委員会の対応に、注目が集まる。