
2024年の大河ドラマ『光る君へ』(吉高由里子主演)は主に女性視聴者から大好評だった。来年の『豊臣兄弟!』、再来年の『逆賊の幕臣』と男性主人公が続くということで、女性主人公の大河も見てみたいところ! そこで、30代~60代男女500人に大河で主人公を演じてほしい女優は誰なのかアンケート。若手清純派女優から迫力のある演技力が持ち味のベテランまでさまざまな才能が光る女優がランクイン! 1位は圧倒的存在感を放つカッコよさと強さで選ばれたあの人!
日曜夜のお楽しみといえば、NHKの大河ドラマ。今年は“江戸のメディア王”蔦屋重三郎の波乱の生涯を描く『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』が話題を呼んでいる。主演の横浜流星(28)の好演もさることながら、前半は花魁の瀬川を演じた小芝風花(28)が人気を集めた。後半は、奔放で“あざと可愛い”花魁、誰袖を演じる福原遥(26)も楽しみなところ。
来年は仲野太賀(32)主演の『豊臣兄弟!』、再来年は松坂桃李(36)主演の『逆賊の幕臣』と、男性主人公の大河が続く。だが、昨年の吉高由里子(36)主演『光る君へ』に続く女性主人公の大河もまた見たい。そこで「大河で主人公を演じてほしい女優」をテーマに、30代~60代男女500人にアンケート。綾瀬はるか(40)や柴咲コウ(43)、吉高由里子らに続いてほしい女優は誰?
10位は、連続テレビ小説『あんぱん』主演中の今田美桜(28)で16票獲得。「朝ドラを見ても演技がうまく、表現力豊かで面白い」(兵庫県・63歳・女性)、「大河でも素晴らしい演技をしてくれると思う」(兵庫県・69歳・男性)、「目力があり何事にも立ち向かっていきそう」(千葉県・67歳・男性)と、朝ドラでの活躍が票につながった。
ビジュアル完璧の今田がハマる役
「朝ドラに出ると、一気に全国区になりますね」
と語るのは、漫画家&テレビウォッチャーのカトリーヌあやこさん。
「ただ、まだ大河に出演されたことがないので、まず男性主人公の相手役をやってから主人公というのが、ひとつの道かなと思います」(カトリーヌさん、以下同)
今田主演でカトリーヌさんが見てみたいのは、皇女和宮。
「京都の朝廷から徳川家にお嫁入りした、14代将軍家茂の正室で、義理の姑は天璋院篤姫。今田さんはビジュアルも完璧なので、華やかな感じになるかなと」

続いては、19票で広瀬すず(26)と石田ゆり子(55)が8位にランクイン。
2013年に女優デビューした広瀬は、2019年に朝ドラ『なつぞら』に主演。「演技がうまく存在感がある。見る人をひきつける」(神奈川県・65歳・男性)、「演技力が素晴らしい」(佐賀県・42歳・男性)、「可愛い」(東京都・69歳・男性)などの声が寄せられた。
「広瀬さんも大河は未出演。『桶狭間 OKEHAZAMA〜織田信長〜』(2021年・フジテレビ系)で濃姫を演じましたが、時代劇の印象がまだあまりないので、大河で見てみたいなと。お若いので、広瀬さんも皇女和宮役にハマりそう。若くして亡くなってしまうので高齢になってからを演じる必要がなく、20代の女優さんに合うのでは。
とはいえ、2008年の『篤姫』では当時22〜23歳の宮﨑あおいさんが晩年まで見事に演じられましたが」
魔性の美貌は十二単が映えそう
ベテランの石田も未経験。朝ドラも、2024年の『虎に翼』の寅子の母・はる役が初出演だった。「おおらかで優しい感じの役どころがあったら、ぜひ演じてほしい」(岐阜県・65歳・男性)、「魔性の美貌は十二単がとても映えそう」(福島県・58歳・男性)、「主役というイメージがあまりないので、今まで演じたことのないようなキャラクターの役をやってほしい」(京都府・64歳・男性)とラブコールが。カトリーヌさんも「まだ出演されていないって意外ですよね。ぜひ見たい」と。
「十二単は確かにとても似合いそう。大河では平安時代をめったにやらなくて、『光る君へ』が久しぶりでした。このときの衣装やセットがあるから、また近々できるんじゃないかと期待したいです。いきなり主人公とはいわずとも、まず一度、大河でぜひ拝見したい方ですね」

そして、続いても同票、21票で新垣結衣(36)と米倉涼子(49)が6位に入った。
新垣は、2022年『鎌倉殿の13人』で大河初出演。小栗旬(42)演じる北条義時の憧れの人で最初の妻となる八重を演じた。米倉は『武蔵 MUSASHI』(2003年)で宮本武蔵(七代目市川新之助・47)の相手、お通役を経験。
新垣には「演技もうまいし、さわやか」(福岡県・48歳・女性)、「凜とした姿勢が好き」(兵庫県・64歳・男性)、「いくつになっても可愛いし、控えめだけど芯の強さも感じる。時代劇にぴったり」(群馬県・42歳・女性)などのコメントが届いた。
「『鎌倉殿の13人』がとても印象的だったんですが、最後が悲劇的で早めに退場してしまって。次はたっぷり見たいですね。新垣さんなら、徳川家光の側室で綱吉の生母、桂昌院が合いそう。もともとはお玉という八百屋の娘で、すごく可愛かったからスカウトされて大奥に入ったといわれていて。“玉の輿”の語源になったという説もある面白い人物なので、ぜひ大河で取り上げてほしいです」
インパクトが強い、迫力がある
『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』(テレビ朝日系)の「私、失敗しないので」が印象深い米倉には、「迫力ある演技ができる」(長野県・43歳・女性)、「演技の安定感がすごい」(山口県・57歳・女性)、「インパクトが強いので大河の主人公も似合う」(兵庫県・57歳・女性)と“強い女性”を期待する声が。
「米倉さんには迫力や強さを感じますよね。そんな女性を演じてほしい。例えば、『鎌倉殿の13人』にも出てきた巴御前とか。木曽義仲の妻(愛妾)で、薙刀を持って共に戦う強い女性。大河で取り上げてほしい人物ランキングでは、結構入ってくる人です」
『べらぼう〜』で64作目となる大河ドラマ。「そのうち女性が主人公だったのは12作だけ」とカトリーヌさん。
「その中でも、戦うヒロインは『八重の桜』と『おんな城主 直虎』のみ。武器をとって愛する武将と道を切り開いていくという女性像は、今の時代の空気感的にもありでしょうし、米倉さんならぜひ見てみたいですね」

23票の同票で4位につけたのは、小芝風花と浜辺美波(24)。
小芝はやはり『べらぼう〜』での花魁・瀬川役が強烈なインパクトを残したようで、「『べらぼう〜』で見せたあの演技! 文句なしでしょう」(埼玉県・55歳・男性)、「『べらぼう〜』の演技もよかったので、女性が主人公の大河は少ないが、彼女でぜひ見たい」(大阪府・56歳・男性)、「明るさとバイタリティーがある。周りを明るくしてくれるキャラはヒロインにぴったり」(新潟県・69歳・男性)と絶賛するコメントが。カトリーヌさんも「瀬川役が本当に素晴らしかったですよね」と振り返る。
「それまでの小芝さんのイメージは“おきゃんな町娘”という感じだったので、発表されたときはちょっと意外でした。でもトップ花魁の貫禄がとても出ていたし、蔦重との別れも印象的で。フィギュアスケートをやっていたので、体幹も強いんですよね。花魁は衣装もカツラも重く高下駄なので歩くのが大変ですが、道中のシーンも見事でした」
品があるので時代劇に合う
浜辺は朝ドラ『らんまん』で万太郎(神木隆之介・32)の妻・寿恵子を演じて人気を集め、来年の大河では豊臣秀吉の正室・ねねを演じる。「正統派のヒロインを魅力的に演じてくれそう」(岐阜県・30歳・女性)、「品があるので時代劇に合う」(埼玉県・55歳・女性)、「少し陰のある雰囲気が似合うので、裏で暗躍する強い女性役を見てみたい」(京都府・39歳・女性)などの支持を集めた。
「『らんまん』のときに、なんて日本髪が似合う方なんだろうと。とてもきれいでした。『豊臣兄弟!』で大河に初出演されますが、ねねは1981年の大人気大河ドラマ『おんな太閤記』の主人公。浜辺さんが、どんなねねを見せてくれるか楽しみです。また、永野芽郁さんは降板されましたが、吉岡里帆さんほか今を時めく若手女優の方々がキャスティングされているので、ここでの結果によって次の主人公が生まれるかも」

3位は31票で北川景子(38)。2018年『西郷どん』で天璋院篤姫、2023年『どうする家康』ではお市と茶々を演じ、「過去の大河での存在感がすごかった」(兵庫県・56歳・男性)と高く評価する声が。また、「ちょい役ではこれまでも出ているが、『八重の桜』のような幕末や明治を舞台とする女性主人公を演じてほしい」(広島県・65歳・男性)、「お姫様も男装も似合いそう」(高知県・64歳・女性)などのリクエストも。
「登場するとパッと華やぎますよね。男装も、確かに宝塚的な雰囲気がありますし。美しさと強さの両方を持っていて、大河の主人公にハマると思います。年齢的にも、『おんな城主 直虎』のときの柴咲さんが36歳、『光る君へ』のときの吉高さんも36歳だったので、ちょうどいいんじゃないかな。そうはいえども、宮﨑あおいさんの例もありますが(笑)」
キリリとした風貌で時代劇が似合う
2位は37票で長澤まさみ(37)。『功名が辻』(2006年)、『天地人』(2009年)、『真田丸』(2016年)、『鎌倉殿の13人』(2022年、ナレーション)と、これまで4作の大河に出演している。「美しさと存在感を兼ね備えている」(愛知県・53歳・女性)、「キリリとした風貌で時代劇が似合う」(愛媛県・69歳・男性)、「演技も立ち居振る舞いも申し分ない」(東京都・66歳・男性)、「どんな役でも素晴らしい演技を見せてくれる」(東京都・66歳・男性)とファン多し。
「4作はベスト10の中で最多。『真田丸』『鎌倉殿の13人』と三谷幸喜さんの脚本が続いているので、主演するならまた三谷さんに書いてほしいですね。落ち着きもあるし、コメディーとシリアス、どちらもいける方」
長澤や北川にやってほしいのは「やっぱり春日局!」と熱望するカトリーヌさん。
「1989年に大原麗子さん主演で大河になり、人気を博しました。家光の乳母で、大奥というシステムを整備した人。なかなか女性に興味を示さない家光に、どんどん可愛い子をスカウトしてくるんです(笑)。先ほどのお玉も出てきますし。大奥が舞台なので、『光る君へ』の雅な平安の宮廷から、職場の給湯室みたいになる(笑)。ぜひ大石静さんの脚本で、ギスギスした感じを見たいですね。長澤さんも北川さんも絶対負けない強さがあるので、すごくいいんじゃないかな」

そして堂々の1位は44票獲得で天海祐希(57)。元宝塚の男役トップスターで、大河では2002年『利家とまつ』に出演した。「颯爽とした姿が大河に合う」(宮城県・60歳・男性)、「演技力も抜群だし、カッコいい人を演じたら右に出る者はいない」(滋賀県・59歳・女性)、「カッコいいので主役として映えそう」(埼玉県・36歳・女性)「自立した強い女性を演じたら一番」(神奈川県・61歳・女性)と、カッコよさと強さを絶賛するコメントが多数。カトリーヌさんも「やっぱり圧倒的な存在感ですよね」と頷く。
「劇団☆新感線の舞台にもよく出演されているんですが、チャンバラ活劇みたいでとてもカッコいいんです。殺陣も素晴らしいので、できれば活劇ものの大河でぜひ主演してほしいですね。
あと意外ですが、大河で取り上げてほしいランキングでよく上位にくるのが卑弥呼で。謎が多い人物なので難しいでしょうけど、天海さんなら成立させられるかも。でも、さすがに卑弥呼で1年間は厳しいかな(笑)」
ベスト10以外で気になる女優
では先ほどの春日局は?
「すごくいいと思います! 大奥の頂点ですから。御鈴廊下で将軍の真後ろを歩く姿とか、ものすごく映えそうですね」
ベスト10以外でカトリーヌさんが気になる女優は、松たか子(47)と清原果耶(23)。
「松さんは、お父様(松本白鸚)が『黄金の日日』(1978年)と『山河燃ゆ』(1984年)で大河に主演されているので、実現したら初の親子2代での大河主演。話題になりそうです。
清原さんは、『あさが来た』『なつぞら』、そして『おかえりモネ』ではヒロインと、朝ドラに3回出演。NHKがとても大事にしている印象があるので、いずれは大河で大きな役をやるのではないかと思ってます」
2028年の大河は誰が主人公になるのか? この中から主演が出るのか? 発表が楽しみ!
取材・文/今井ひとみ