中日ドラゴンズ・井上一樹監督(公式オフィシャルサイト)

 神宮の夜空に消えた外野手・川越誠司の大飛球をめぐり、SNSやネットで大きな物議となっている。27日、ヤクルト戦で中日の川越が放った右翼ポール際への打球がファール判定となり、井上一樹監督が猛抗議を展開。NPBに意見書を提出する方針を明かしたが、思わぬ方向に論争が拡大している。

野球ファンの熱が飛び火

『サンデーモーニング』(TBS系)に出演した髭を生やした落合氏(唐橋ユミアナのXより)

 事の発端は、1点を追う8回1死一塁で臨んだ打席で川越の打球は右翼ポール上を通る大飛球だったが、塁審の判定はファウル。入れば逆転2ランとなる大きな当たりの判定に井上監督が抗議するも覆らなかった。

 この微妙な判定にXでは、

《間違いなくあれはホームランだと思う》
《あそこは選手を守る立場として退場上等で怒って欲しかった》
《納得いかんよ。マジでどんどんやってくれそして改善もしてくれ》

 と、監督の対応に言及する声と川越への同情が集まった。

 「ファール判定」とXでトレンドになる中、問題となったのが東海ラジオの大澤広樹アナウンサーの一連の投稿だった。

 東海ラジオに入社後、野球経験やドラゴンズファンということを活かし中日戦の実況を数多くこなしてきた大澤アナは《6年前の『ある誤審』がきっかけとなったかは不明ですが、その試合を最後にひとりの若い審判員が辞職しています。審判員も生活がかかっているとわたしは思っています(原文ママ)》と投稿。

 これには《だからって誤審していいわけじゃない》《生活がかかってることと誤審を認めないことはイコールじゃないでしょ》《川越選手も生活かかってる》いった反論の声が相次ぎ、審判の職業意識をめぐる議論に発展している。

他球団のファンからも同情の声

今回の判定については映像を見る限り、角度によっては入っているように見えますが確かに微妙な場面でした。しかし、リクエスト制度が導入された以上、その結果には一定の重みがあります。

 大澤アナの発言も深い意味や意図はなかったかもしれませんが、審判員も人間である以上、100%完璧な判定は不可能ですし、生活がかかっているという表現も事実。ただ、それを理由に判定ミスを容認することはファンにとってはできないでしょう」(スポーツ誌ライター)

 中日ファンの間では《こんな判定で勝敗が決まるのは納得できない》《川越も中日もかわいそすぎる》といった同情の声が多数上がっている。一方で、他球団のファンからも《明らかにホームランだった》《世紀の大誤審》といった声が聞かれ、判定への疑問は球団の枠を超えて広がっている。

 今回の件をきっかけに「NPBに意見送った」などの投稿も多い。NPBはファンの信頼を維持するためにも、審判制度の改善や判定技術向上に向けて何らかの対応を迫られることになりそうだ。