
毎年、天皇、皇后両陛下がおそろいでお出ましになることが慣例となっている『全国植樹祭』。しかし、今年は雅子さまのお姿はなかった─。
急きょ不参加になった雅子さま
「植樹祭は、四大行幸啓と呼ばれる両陛下が大切にされている公務の一つです。毎年、開催される都道府県に赴き、現地の人々と交流することで日本各地の情勢を把握される貴重な機会です。今年は5月25日に埼玉県で行われましたが、雅子さまは体調不良のため急きょ参加をお取りやめになりました」(皇室担当記者)
雅子さまが事前に出席を予定していた公務を直前に休まれるのは令和初。植樹祭と、前日の埼玉県の現地視察は、陛下がおひとりで臨まれた。
「陛下だけでもお越しいただけて光栄でした」
そう話すのは、『埼玉県茶業研究所』の山内隆所長。同研究所は、埼玉の特産品である『狭山茶』を研究、生産しており、毎年、皇室に茶葉を献上しているという。
「これまでに昭和天皇と上皇さまにお越しいただきました。両陛下がそろっていらっしゃるのは今回が初めてとのことだったので、お越しになる日を心待ちにしていたのですが……。
それでも陛下から“埼玉では何番茶まで取るのですか”などお尋ねいただき、お茶についてお詳しいことに驚きました。いつか、両陛下でお越しいただけたらうれしいですね」(同・所長)
今回、雅子さまの訪問取りやめが発表されたのは、出発予定時刻の8分前のことだった。いわゆる“ドタキャン”になってしまった。この件について『皇室の窓』(テレビ東京系)で放送作家を務める、つげのり子さんはこう話す。
「4月から硫黄島、『大阪・関西万博』などの長距離移動を伴う公務が多かったというのも体調を崩された一つの要因でしょう。令和に入ってから公務や宮中行事などのご予定を休むことなく務めてこられ、外国への訪問も3度こなされています。
そのことで、周囲も最近は“お元気そう”と油断して、これまでのような慎重な対応を取れていなかったのではないでしょうか」
雅子さまのご体調の波
しかし、今年は戦後80年という節目の年。皇后としての“責務”が控えている。
「6月には沖縄県、広島県、7月にはモンゴルを公式訪問されるなど、慰霊に関するご予定が詰まっています。今後の過密スケジュールを考慮して、植樹祭をお休みされた可能性も否定できません」(皇室ジャーナリスト、以下同)

しかし、そのご決断が皇后としての在り方に波紋を呼ぶ可能性があるという。
「もし、沖縄県や広島県での慰霊を考慮して植樹祭をお休みされたのであれば、“慰霊のために恒例の地方公務を見送った”との見方もでき、“公務を選別している”と指摘される可能性もあります。両陛下の公務に優劣はなく、すべて公平に取り組まれるべきだったといえます」
雅子さまが今後、滞りなく公務をこなすためには、周囲のサポートが不可欠だと前出のつげさんは言う。
「雅子さまは責任感の強いお方です。お休みを取られることに罪悪感を持たれるでしょうし、周囲が“大丈夫ですか?”と聞いても“大丈夫”と気丈に振る舞われるでしょう。
しかし、2004年に公表された適応障害は完治しておらず、いまだ体調には波がおありです。雅子さまが無理をしすぎないよう、周囲がご体調を慎重に観察し、こまめな休養を促すよう努める必要があると考えます」(つげさん)
慰霊の旅はまだ続く。ご無理はせず、皇后としてのお務めを果たしていただきたい。