長嶋一茂

 6月6日、朝の情報番組『モーニングショー』(テレビ朝日系)が放送。金曜日のコメンテーターを務める長嶋一茂が登場し、6月3日に肺炎のため89歳で死去した巨人軍終身名誉監督で父でもある長嶋茂雄さんについて言及した。

父・茂雄さんについてコメントした長嶋一茂

 番組では、『ジャイアンツタウンスタジアム』で6月4日と5日の2日間、長嶋茂雄名誉監督の『追悼記帳所』が設けられ、約4000人もの人が訪れたことをVTRで報道。番組MCの羽鳥慎一アナウンサーから心境を問われ、時折言葉を詰まらせながら「う~ん…なかなかね、ひと言で言うのも難しいし……」と神妙にコメント。

「ずっと闘ってきた人だと思います。その闘いの中で自分を輝かせて、ファンに喜んでもらうというこの一念だけで89年間の人生というものを終えたと思います」と思いを語った。

 約15分ほど父についてコメントしていた一茂だったが、視聴者が注目したのは、コメンテーターを務める玉川徹氏から出た質問での回答内容だった。

「玉川さんは、『ず~っと気になって聞けなかったことがあるんです、一茂さんに』と話し始め、偉大な父だからこそ『僕は一茂さんに子どものころから、そういうつらさみたいなものは本当はあったんじゃないか?ってずっと聞きたかったんだよね』と質問。

 すると一茂さんは一概には言えないとしつつも、『僕は神様は、つらさとか人生の喜びであったり、幸せはみなさん平等に訪れると自分で勝手に思っているんで、自分だけのつらさが他の人よりつらいことはないと思っています』と心境を語っていました」(テレビ局関係者)

 その言葉には視聴者の多くが反応し、ネットでは一茂に対しての労いの言葉が多く集まった。

《一茂さんほどたくさんの強烈な葛藤に悩まされた人はそういないだろう》
《周りからは七光りと言われているが、小さなころから大人の世界に翻弄されて相当な苦労があった子供たちだと思う》
《親兄弟色々あったのだろうけど何周もして今の位置にあるのだな》

 そんな言葉が飛び交うほど、一茂が苦労を抱える様子は、過去にたくさん報じられてきたとスポーツ紙記者は語る。

「週刊誌で家族の確執が報じられたことがありました。2021年11月には、雑誌『ゲーテ』のインタビューで『父とは、もう13年会っていない』『生きているうちに父と会うことは、もう二度とないだろう。父だけでなく、妹達や弟とも10年以上顔を合わせていないし、連絡もとっていない』と語っていたこともありましたね」

 さらに、プロ野球巨人軍の2軍に在籍していた30歳の時、外食中に突然過呼吸を起こしパニック障害を発症。その10数年後には、長年共に過ごしてきたお手伝いさん、祖母、さらに母親が立て続けに死去し、重度のうつ病を発症したことを告白。今でも精神安定剤は常備していると本人が明かしている。

「一茂さんの苦悩は、自らも公言していただけにファンももちろん承知の事実でした。だからこそ、同番組でその苦悩を前向きに捉えている言葉が出てきたことに視聴者は心打たれたようですね。

 茂雄さんが亡くなるときの病室の様子について、『泣いているきょうだいはいなくて、笑い声さえ聞こえていて』と明かしていましたから、家族としてさまざまことを乗り越えたからこそ、今の笑顔に繋がったのかもしれませんね」(前出・スポーツ紙記者)

 心穏やかに過ごせる日々が続くことを願いたい。