電線に等間隔で止まっているのは、翼を広げたときのスペースの確保や、体についている寄生虫を他の鳥に移さないためとされている※写真はイメージです

 日常の気になる疑問を解決!鳥はなぜ電線に止まるの?知って楽しいおもしろ雑学を友達や家族にも教えてあげよう。

知って楽しい!おもしろ雑学

Q.鳥はなぜ電線に止まるの?

A.見通しが良く異変を素早く察知できるから。獲物を探す見張り場としても便利。(科学ジャーナリスト 柴田佳秀さん)

 電線に鳥が止まって鳴いているのは、ありふれた光景だが、なぜ木や建物ではないのか、科学ジャーナリストの柴田佳秀さんに話を伺った。

見通しがきくので周囲を見渡しやすいというのが、大きな理由。自分の居場所を囀(さえず)りで知らせることができますし、異変が起きたときは素早い察知も可能に。獲物を探す見張り場としても便利なんです」(柴田さん、以下同)

 多数の鳥が止まりやすいことから、集合場所になったり、休憩や寝る場所になったりもする。電線は鳥が人間と共存し、生活するうえで、必要不可欠なのだ。

「国内に限った話ですが、これまでに133種の鳥が電線を利用していたことがわかっています。もちろん、電線を利用しない種類もいます。例えば、足の指が電線に止まれない構造になっているツルや、電線がない高山を生活拠点にするライチョウなどの鳥。

 また、カラスやムクドリは集団行動の習性があり複数で並んで止まります。鳥が同じ方向を向いて止まるのは、飛びやすくするために、風上向きに。電線に止まっている鳥の種類や数、行動にもちゃんとした理由があるんです」

 また、電線に止まっている鳥が感電しないのにも理由が。

「一般的に電線は金属部分がむき出しにならないようカバーで被覆されているため、電流は遮断され、触っても感電しないようになっています。それに、電気は電圧の高低差があると流れる性質なので、1本の電線に2本足で止まっている鳥に電気は流れません。

 しかし、他の電線に触れたり、体の一部が地面などに触れると、電流が体を流れて感電します」