
6月17日(現地時間16日)のサンディエゴ・パドレス戦で、ロサンゼルス・ドジャースのスタメンに「1番投手」で名を連ねた大谷翔平投手(30、以下敬称略)。2023年8月の登板以来、約2年ぶりのマウンドに上がった。
しばらくは1、2回の短いイニング限定の“オープナー”としての登板予定だが、徐々に投手と打者の「二刀流」本格復帰が見込まれている。
2023年9月に2度目の右肘手術を受け、以後は打者として大活躍する一方でリハビリをこなしてきた大谷。春のキャンプではブルペンでの投球練習も再開し、今シーズン中の投手復帰は既定路線だった。それでもーー、
「ドジャースのプランとしては早くても7月16日(現地時間15日)のオールスター・ゲーム以降、もしくは10月のポストシーズンでの登板計画を立てていた。というのも当初は投手陣も充実していて、大谷には無理をさせて故障リスクを負うよりも、打者としてチームに貢献してほしかったから」
MLB事情に精通するスポーツライターが解説するように、今シーズンから新加入した“サイ・ヤング賞投手”のブレイク・スネル(32)をはじめ、本来は盤石で臨むはずだったドジャース投手陣。ところが開幕前後で、そのスネルをはじめ故障者が続出。
6月下旬に復帰が見込まれた佐々木
5月14日時点で、実に14人もの投手がIL(故障者リスト)入りとなる緊急事態。そんな投手陣の“やりくり”に頭を悩ませる、指揮官のデーブ・ロバーツ監督をさらに落胆させたのが、ローテーション投手として期待された佐々木朗希投手(23)の“再発”だ。
佐々木が「右肩インピンジメント症候群」によってIL入りしたのが5月14日のこと。この時は精密検査で骨や筋肉に異常は見つからず、「(右肩の)痛みはないだろう。今は痛みが消えていると願っている」と、安堵の表情を浮かべていたロバーツ監督。
実際、5月下旬にキャッチボールを再開させた佐々木本人も、「痛みは感じない」と軽傷であることをアピール。現地メディアでは「復帰は6月下旬になる見通し」ともされていた。ところが、6月に入ると雲行きが怪しくなる。

《ドジャースの佐々木朗希選手、最新情報によると復帰はほぼ不可能》
スポーツ紙『スポーツ・イラストレイテッド』など、複数メディアが新たに報じたのは再び佐々木に起きた“異変”と、早期復帰プランが“白紙”とされる現実だった。
ここまで回復に向けてリハビリをこなしてきた佐々木だが、現在は次のステップ段階を踏むどころか“ノースロー”に逆戻り。6月16日のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦の前に会見に臨んだロバーツ監督にると、
「少なくとも今シーズン(の投手陣)は佐々木抜きで計画を立てなければならない」
そこは朗希本人に聞いてほしい
長期離脱の見解を示しつつ、肝心の怪我の具合については、
「痛みなのかは分からない。正直なところ、そこは朗希本人に聞いてほしい」
依然として“根本的な原因”がわからない現状に歯痒い思いがあるのだろう、ついには報道陣に対して“佐々木本人に取材してほしい”とお手上げ状態。
そんな佐々木の離脱も含めた、ドジャース投手陣の苦しい台所事情のために、大谷の投手復帰も早められたようにも映るがーー。
「“コマ”を欲しているドジャースが、7月31日のトレード期限までに先発投手の獲得に奔走するのは確か。そんな中で先発として計算できる大谷だけに、首脳陣も“背に腹はかえられぬ”思いでプランを前倒しした可能性も考えられます。
ただ大谷の性格上、佐々木の離脱に関係なく、単に“自分が早く投げたい”、そして“投げられるところに来ている”事実からロバーツ監督に直訴した、のが本当のところだと思います。自分自身が野球を楽しむことに関しては“エゴイスト”ですから(笑)」(前出・ライター)
日本の、いや、世界中のファンが「二刀流」復帰を楽しみにしているが、一番楽しみにしているのは大谷本人ということか。