国民民主党の玉木雄一郎代表は17日の記者会見で、参院選比例代表に擁立予定の須藤元気元参院議員の出馬会見に同席する意向を示した。反ワクチンをめぐる過去の発言などが問題視されている須藤氏について、「なぜ彼がそういう発信に至ったかも含めて、話もよく聞いたので、私とセットで説明責任は果たしていきたい」とした。
同党は不倫疑惑の山尾志桜里元衆院議員の公認取り消しによって、批判が続出。昨秋の衆院選で勝ち取った支持も低下の一途をたどっている。
須藤元気の会見に同席も、山尾志桜里は拒否
玉木代表の記者会見のわずか1週間前、多くの報道陣の前に姿を現し“出馬表明”会見をした山尾氏。過去の不倫騒動についての質問に「その件は勘弁いただきたい」とし、批判が殺到した翌日、玉木代表は山尾氏の公認を取り消した。
「それを受けて山尾さんは文章でコメントを出しました。そこには、玉木さんに会見の同席を求めると『辞退会見であれば同席する』と言われたと“暴露”。山尾さんはそれを受け『大変残念でした。ただ私には辞退の意思はありませんでしたし、会見するという自分の言葉を守る責任がありましたので単独で臨んだ次第です』といい、両者に深い溝ができてしまったのは間違いないでしょう」（政治ジャーナリスト、以下同）
元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏は自身のXで、
「山尾さんとも一度同席会見をやって、質問者と徹底的に議論した上で最終判断すべきだった。僕も上西小百合氏でやった」
と玉木代表の対応に首を傾げた。
山尾氏騒動直後の須藤氏の会見同席発言に対し、ネット上ではさまざまな声が上がっている。
《山尾の会見は同席拒否して、須藤には同席するとは一貫性がない》
《辞退会見なら同席するなら、須藤氏も辞退じゃないと筋が通らない》
《山尾がアウトで須藤がセーフなのは理解し難い》
《今は須藤元気公認取り消して責任取れるかが国民民主が党勢回復できるかのカギだと思います》
と、須藤氏と山尾氏で対応が相違う “ダブルスタンダード”に疑問の声が相次いでいる。
須藤氏は元格闘家として知られ、2019年に立憲民主党から立候補して政界へ。コロナ禍にSNSでワクチン接種の副作用について「健康被害」の主張をし、繰り返し接種中止を訴えてきた。一方、国民民主党はワクチンの必要性を訴え続けてきた。
「党と須藤さんの意見や政策が真逆なだけに、“公認”について国民から多くの意見が出るのは当然のことでしょう。山尾さんにしても須藤さんにしても国民民主は“人選”で支持率を下げている。この辺りについて“セットで説明責任を果たす”と玉木さんは言っていますが、果たして国民の理解を得ることができるのか微妙なところです」
山尾氏の公認取り消しで支持率が下落していることについて「支持された原点に立ち戻る」と述べた玉木代表。これ以上の失態は許されないーー。