大谷翔平とドジャースのデーブ・ロバーツ監督

 日本時間6月18日のサンディエゴ・パドレス戦で、ロサンゼルス・ドジャースのデーブ・ロバーツ監督が退場処分になった。きっかけは、大谷翔平への死球だった。

《報復死球》がトレンド入り

「大谷選手は3回の第2打席で、右ふともも付近に死球を受けました。審判団が集まり、乱闘などに発展することを未然に防ぐため、次に危険なプレーをした選手と監督に退場が言い渡される“警告試合”を宣告。これに納得がいかなかったロバーツ監督が審判に詰め寄って抗議したため、退場処分となりました」(スポーツ紙記者、以下同)

死球を受けた瞬間の写真を投稿した大谷翔平(本人のインスタグラムより)

 警告試合となる“伏線”は前日からあった。

「ドジャースとパドレスはナショナルリーグ西地区のライバル関係。前日にはドジャースのパヘス選手が死球を受け、パドレスのシース投手をにらみつけて一触即発の事態に。不穏な空気の中で、この日の大谷選手の死球の直前にはパドレスのタティス・ジュニア選手が死球を受けていました。その“報復”だとロバーツ監督は捉えたようです。試合後に“失投ではなく、故意だと思う”と怒りをあらわに。一方、パドレスのシルト監督は“内角へ投げようとしたら抜けてしまった”と失投だと強調していました」

 X(旧ツイッター)では《報復死球》がトレンド入り。ファンは不満を爆発させた。

「報復死球とは、相手からされた何かしらの行為に対して、仕返しの意味で意図的に死球を与えること。味方の選手が死球を受けた場合や、大差でリードしている状況で盗塁するなどの“暗黙のルール”を破った選手が“報復”されることがあります。イチローさんや新庄剛志さんはメジャー時代に、この暗黙ルールを破って報復死球を受けています。ただ、報復死球でも頭は狙わないなどの“不文律”が存在します。

 今回のケースは、この日パドレスの主力打者であるタティス・ジュニア選手が死球を受けたことで、ドジャースの主力打者である大谷選手への報復行為に至ったとロバーツ監督は考えたのでしょう」(在米ジャーナリスト、以下同)

「報復死球」大谷翔平の反応は

 メジャーでは古くからの習慣、文化のひとつとも言われているが、ネット上では、

《野球界の「報復死球」というのが嫌い》

《こういう文化、どうにかしないと子どもが憧れるスポーツにならない》

《報復死球とかしょうもない文化やな》

 と、非難の声が続出している。

ドジャースのデーブ・ロバーツ監督

「日本のプロ野球でも“死球”のサインがあり、報復死球をしていたことを多くのOBたちが証言しています。ただ、最近ではそういったことはあまり見られません。メジャーでは現在も行われていますが、批判的な意見も目立つようになり、時代遅れになりつつあるようです」

 “報復死球”を受けて球場は大ブーイング、監督は退場となったが、大谷本人はというと……。

「死球受けた直後、一塁ベース上では笑顔で談笑しており、自身のインスタグラムには死球を受けた瞬間の写真を投稿していました。まったく意に介していないようです」(前出・スポーツ紙記者)

 大谷にケガがなくて何より。ファンが楽しく観戦できるよう、時代の変化に合わせる必要があるのかもしれない。