日本テレビ社屋

 6月20日の午後1時から、日本テレビの福田博之社長が緊急の記者会見を開き、TOKIOメンバーの国分太一が同局の人気番組『ザ! 鉄腕!DASH!!』から降板することを発表した。

「記者会見をやった」というアリバイ作り

 国分は『DASH』のほかにも『男子ごはん』(テレビ東京系)、『世界くらべてみたら』(TBS系)など6本のレギュラー番組を抱えていたが、無期限活動休止を表明したため、すべての番組が対応を迫られている。

 国分をめぐる状況についてスポーツ紙記者が語る。

「国分さんが各局に降板を申し入れたのは19日と言われていて、その情報が20日未明、各メディアで報じられました。理由は複数のコンプライアンス違反に関する事案が確認されたためです。日本テレビが20日に緊急会見を開くと表明したため、『DASH』絡みの案件なのではと取り沙汰されました」

 ところが、20日午後に開かれた日テレの緊急会見はなんとも歯切れの悪い内容だったと、前出のスポーツ紙記者が続ける。

「複数のコンプライアンス違反の内容については『プライバシー保護の観点からお答えできません』と繰り返され、被害者の有無も明らかにされませんでした。国分さんの刑事告訴は考えていないとしながらも、詳細が語られなかったため、フジテレビの会見同様、説明を求める一部の記者が激昂する場面も見られました」

 緊急会見と銘打ちながら、実質的に何も語られなかったためネット上では疑問の声が相次いでいる。

《緊急会見の意味がまったくわかりません。ただ「会見をやった」というアリバイ作りとしか思えない》

《そもそも緊急会見と言いながら、金曜午後に設定するあたり、ニュースで取り上げられる機会を極力減らす官公庁のやり口と同じ》

 金曜午後の会見となれば、新聞の夕刊の締切には間に合わず、土日は平日に比べてワイドショー番組が少ないため、後追い報道も多少はかわせる。あえてこの日時を選んだのだろうか。

 テレビ局が開く“金曜午後”の会見には前例があると、前出のスポーツ紙記者が指摘する。

「中居正広さんの女性スキャンダルを受け、フジテレビが2025年1月17日に開いた社長会見も“金曜の午後3時”から行われました。会場の狭さなどを理由に参加人数を制限したため批判が殺到。同月27日月曜日の午後4時から仕切り直し会見が行われ、10時間を超える超ロングラン会見になったのは記憶に新しいと思います」

 今回の日テレの会見も同じ回答を繰り返すばかりでなんのための会見なのかと批判が集まった。日テレはフジの失敗例に学ぶべきだったかもしれない。