オンラインカジノ違法賭博で書類送検された山本賢太アナとフジテレビ社屋(山本アナはフジテレビ公式HPより)

 フジテレビの現役部長がオンラインカジノの賭博容疑で逮捕された。

「点と点がつながった。この点がさらに広がって、面になるのか、フジテレビの社内は心当たりがある人物がいるようで、お互いに『顔色悪いね』って皮肉めいて言い合っている局員がいますよ」

 とスポーツ紙放送担当記者は、局内でのぞいた場面を、そう伝える。

 逮捕された現役部長は、フジテレビのバラエティー制作部企画担当部長の鈴木義貴容疑者(44)だ。中居問題の記者会見でミソを付け、代表取締役社長の座を追われた港浩一前社長(73)の一派に連なるエース格のやり手で、「港さんから『義貴、義貴』と頼りにされる存在でした」(前出・スポーツ紙放送担当記者)

捜査当局が目をつける次の標的

 鈴木容疑者が制作統括していたのが、昼のバラエティー番組『ぽかぽか』。同番組に出演していた同局の山本賢太アナウンサー(27)が先ごろ、過去のオンラインカジノにハマっていたことを理由に出演見送り処分になり、ほどなく書類送検されたばかり。制作統括と出演アナが相次いで警察に厄介になったことでつながった点と点。

『ご報告』動画に登場した山本賢太アナウンサーと杉原千尋アナウンサー(『フジテレビアナウンサーch.』のYouTubeチャンネルより)

「この二つの点がつながっただけで終わるとは思えませんね。というのも、鈴木容疑者が警察の取り締まりに素直に応じていることで、首筋が寒い社員がたくさんいるようですよ。鈴木容疑者は『職場の先輩に誘われた』と供述しているし、さらに『周囲にやっている人がたくさんいた』と暴露している。先輩は誰なのか、“周囲”が誰を指すのか。フジテレビ社員なのか、番組出演者なのか、警察の次の一手が待たれます」(前出・スポーツ紙放送担当記者)

 さらにフジテレビ部長逮捕の余波は、大手メディアに所属する、身に覚えのある人をびくつかせているという。

 週刊誌の事件担当記者が捜査当局の動きと絡め、次のように読み解く。

「悪質な人を逮捕したり書類送検をするのが捜査当局の基本ですが、麻薬と同じで、有名人を上げることに力を入れています。オンラインカジノにアクセスしたデータはすべて握っていますから、どこからでも手を付けられる。当初、プロ野球選手やお笑い芸人に手を付けたところ、メディアが反応し、オンカジはグレーではなく黒、という認識を広めることにも成功できた」

 ここで一呼吸置き、次のように付け加える。

芸能人、有名人の次に標的にされるのは、有名企業や上場企業の社員、とりわけ大手メディアの社員や大手メディアに関わっている制作者のようです。一般人を書類送検してもメディアは報じませんが、有名メディア関係者であれば、“準有名人”として報じられる。身に覚えのある人は、気が気じゃない日々を送ることになるでしょうね」

 賭博罪の時効は3年。捜査によってあぶり出される前に、会社に自己申告するのか。逃げ道はない。