令和の米騒動に奮起している小泉進次郎農水相。6月25日にはXで、石川県輪島市にある棚田『白米千枚田』を視察したことを報告した。しかし、その報告内容が物議を醸している。
小泉大臣のとんちんかん投稿が物議
小泉大臣のXには、《白米千枚田を視察。私は田んぼのオーナーで昨年は田植えにも来ました》《完全無農薬での稲作を始めた場所を視察しました。美しい棚田から、新たなお米の誕生...期待!》と自身と関係の深い棚田の魅力と今後育つ新米への期待を込めた想いを発信したのだ。
しかし、経済ジャーナリストはその投稿の問題点をこう指摘した。
「小泉大臣が表現した“完全無農薬”という言葉は、農水省が定める『特別栽培農産物に係る表示ガイドライン』で禁止されている表現なんです。ガイドラインは、農薬や化学肥料の節減に一定の基準を満たした農作物を消費者に販売する際に表示方法を定めたもの。
農薬を使用していない農作物には『農薬:栽培期間中不使用』と記載する必要があり、“農薬未使用”“農薬を使ってません”といった表現は使うことが許可されています」
さらにそのXの投稿には、誤解を招く可能性のある投稿に対して、ユーザーが協力して背景情報や補足説明を追加できる機能の“コミュニティノート機能”まで発動していた（現在は削除）。農林水産大臣として知っていて当然の禁止用語を堂々と記載している小泉大臣に対して、Xでは批判の声が止まらない。
《完全無農薬という表現は農水省のガイドラインで禁止されていることぐらい勉強しておけ》
《大臣ならもう少し基礎的な知識を身に付けてください》
《農政以前に勉強すべきこと多過ぎ》
批判が殺到した背景には、数日前にも小泉大臣が犯した過ちも影響すると、前出・経済ジャーナリストは振り返る。
「6月20日には、《Yahoo!ショッピング、対象のお米が最大20%OFFになるクーポンを配布。6月27日より令和6年産の銘柄米を5kgあたり実質価格3,000円台から販売開始|LINEヤフー株式会社》とYahoo公式HPを引用する形で宣伝投稿をアップしました。しかし、これが、一企業を宣伝することは利益誘導に当たるのではないかと批判が殺到したんです」
小泉大臣はその批判を受け、23日には「全く問題ない」とコメント。「素晴らしい取り組みを宣伝してはいけないということになれば、政治家はどこにも行けない。そして、どこからも話が聞けない」と強気姿勢を貫いた。
「農林水産大臣に起用されてから早1ヶ月。自らを“コメ担当大臣”と称して、備蓄米の随意契約など米の高騰問題に対してスピード感のある動きは評価も高いように見えました。しかし、ここに来てその粗さが目立ってきています。政策がパフォーマンスと取られても無理は無い。すでに大臣としての質を問われ始めているようです」（前出・経済ジャーナリスト）
よほど多くの批判が集まったのか、小泉大臣は「完全無農薬」投稿を削除し、「農薬を使わずに」と言葉を変えた。
形だけではなく、中身のある改革を国民は求めている。