
4月スタートのドラマが軒並み最終回を迎えたところで、アンケートを実施。今クールで視聴者の心に残った名作は? そしてがっかりさせちゃった作品は?
「がっかり」から「よかった」に評価が変わった作品は
出演者の不倫騒動など現実のほうが世間をにぎわせていた春ドラマ。視聴者の心に残ったドラマは? 1000人の女性視聴者にアンケートを取った結果─。
「ツッコみながら見ているうちにひき込まれてしまった」(静岡県・37歳)、「ドラマ実況するのが面白かった」(埼玉県・42歳)
まずは「よかった」部門の、女性視聴者が選んだ第5位は北川景子主演の『あなたを奪ったその日から』(フジテレビ系)。
食品事故で愛娘を失った母親(北川)が、事故を起こした惣菜店の社長(大森南朋)を恨み、彼の娘を誘拐。11年間に及ぶ母の復讐と親子愛の壮大なストーリー、だが─。ライターの津田春子さんは、
「ツッコミどころが多すぎてネタドラマと化していました(笑)。放送当初は尾野真千子さんなどの演技派がよかったのでは、という声もありましたが、この作品は北川さんだから成功したようなもの。
尾野さんが事故で娘を失った母親を演じたら悲惨すぎて見られない。非現実的な美貌の北川さんが演じたからこそ、とっぴな展開もアリとなるし、視聴者もヒロインにあまり同情せずに淡々と見られたのです」
週刊女性が5月に行った中間発表では「がっかり」部門にランクインしていた同作。夫のDAIGOと共にSNSで宣伝したかいがあった?
「志尊くんがとにかく素敵だった」(東京都・35歳)、「岸井さんが志尊くんに本気で恋しているように見えた」(大阪府・40歳)

4位は恋愛ミステリー『恋は闇』(日本テレビ系)。連続殺人事件を追う情報番組ディレクター・万琴(岸井ゆきの)と、その事件を追うフリーライター・浩暉(志尊淳)が出会い、惹かれ合いながらも事件の真相を追う中で互いに疑心暗鬼になるというオリジナルストーリー。
ドラマウォッチャーの神無月ららさんは、
「『あなたの番です』『真犯人フラグ』を手がけたスタッフが作ったドラマですが、その2作にハマれなかった私にも響いたのは、主役2人の惹かれていく過程が丁寧で、それぞれのキャラがとても魅力的だったからなんですよね。
志尊さんと岸井さんの身長バランスも良くて万琴が恋をしてからのキラキラ顔や、闇を抱えつつも万琴のことが愛おしくてたまらない浩暉の目の演技も良くて、これはキャスティングの勝利でもありますね」
インスタグラムに意味深なメッセージを投稿していた主演の2人。現実でも恋に落ちちゃった?
「心が洗われた」(宮城県・50歳)、「主演の2人が初々しい」(神奈川県・52歳)
3位は芳根京子主演の『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系)。昭和11年を舞台に交際0日婚からスタートした夫婦の昭和新婚ラブコメ。芳根演じるなつ美と、本田響矢演じる海軍中尉の瀧昌を中心に、友人カップル(山本舞香・小関裕太)の恋の行方も注目された。
癒し系作品が上位を独占!
毎回SNSでトレンド入りするなど大きな話題を呼んだ同作。神無月さんは、
「不器用で妻を褒めたくても『問題ありません』としか言えないけれど優しい瀧昌と、そんな彼が大好きで、ほぼ子犬のようななつ美。お互いが大切すぎる2人が6話でようやく初夜を迎えたときは、日本中からの“よし!”が聞こえた気がしました(笑)。
2人の友人で、恋愛に百戦錬磨の深見(小関)とクールな芙美子(山本)が頭脳戦を仕掛け合いながらも、お互いの心根の良さを見抜いて結ばれていく様もよかったです。
全員いいやつだから幸せにならないと許さんぞ!と視聴者を総オカンにしてしまう魅力にあふれた作品でした」

中間発表ではランク外だった同作。時代はピュアさを求めている?
「女ひとり楽しく生きようと思えた」(山梨県・57歳)、「弱いようで強いさとこに憧れる」(千葉県・43歳)
2位にランクインしたのは『しあわせは食べて寝て待て』(NHK総合)。膠原病を患いバリキャリからパート生活に変わったさとこ(桜井ユキ)が家賃の安い団地に引っ越し、薬膳料理や団地のコミュニティーを通じて心の傷を癒し、自分なりの幸せを見つけていくストーリー。
「大家で隣人の鈴(加賀まりこ)、その同居人の司(宮沢氷魚)など他の登場人物もそれぞれに問題を抱えていて、それと折り合いをつけながら暮らしている。ほのぼのとしたストーリー展開の中にもピリッとするようなセリフや場面があり、人が心に抱える傷も丁寧に描いています。原作漫画はまだ連載中なので、この先のシリーズ展開にも期待したいですね」(前出・津田さん)
シリーズ化されるのを食べて寝て待つ?
そして、1位は『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)。
「長倉家と千秋さんをずっと見ていたい」(福岡県・57歳)、「年を経て会話がよりリアルになった」(栃木県・55歳)
中間発表でもトップだった同作だが、'12年に初回シーズンが放送され、'14年の続編から11年の時を経てレギュラー陣が欠けることなく集結。
第1シーズンではアラフィフだった千秋(小泉今日子)も、アラ還を迎え、長倉和平(中井貴一)は還暦を過ぎ定年を迎えている設定。
「キャストが年を重ねた分、キャラクターも同じように年を重ねている。鎌倉の舞台は変わらず、登場人物たちだけがそれぞれ少し年老いている。劇中の会話もやっぱり年を重ねた分、説教くさくなったり、くどくなったりしているのもリアル。
それを嫌という人もいるかもしれないけど、リアルを追求しているなと思いましたね。そして最終回で見せた千秋の還暦の真っ赤な衣装がとっても可愛かった。あの衣装を着こなせるのはキョンキョンならでは」(津田さん)
続・続・続にも期待!

お次は視聴者を「がっかり」させてしまった作品。
「見るたびにイライラさせられた」(兵庫県・38歳)、「いじめっ子役が最後までむかついた」(大分県・42歳)
出演者の不祥事が作品の評価に直結
3位は広瀬アリス主演の学園ドラマ『なんで私が神説教』(日本テレビ系)。広瀬演じるニートの女性が2年ぶりに社会復帰し、高校教師として働くというコメディー。

「1話がピークでどんどん失速していき、中途半端なまま終わったという声が多いですね。嫌な生徒がなぜそうなってしまったのか、家庭環境などの背景が描かれていないので、ただの嫌なやつで終わってしまった。出演した俳優さんがかわいそうになりました」(津田さん)
制作陣に説教したい?
「映るたびに嫌な気持ちになった」(埼玉県・30歳)、「間宮さんがかわいそう。降板させてほしかった」(滋賀県・40歳)
ある一人の出演者に批判が集中し、2位にランクインしたのは『イグナイト―法の無法者―』(TBS系)。
争いの火種があるところに潜り込み、訴訟を焚きつけ大金を稼ぐ弁護士事務所を舞台に繰り広げられるダーク・リーガル・エンターテインメントという新しいジャンルだが……。
「天才弁護士役の三山凌輝さんの結婚詐欺報道があったことから、彼が出ている作品は見たくないと嫌悪感を抱いた視聴者が多いよう。主演の間宮祥太朗さんや各話ゲストがとても良い演技をしていて、特にtimeleszの原嘉孝さんが出演した4話は評価が高かった。一人の出演者が台無しにするというのは残念」(津田さん)
弁護士ではなく悪役ならよかったのかも?
不名誉な1位は『キャスター』(TBS系)。
「よく正義ヅラできるなと思った」(北海道・44歳)、「永野さんのキンキン声が不快に感じた」(福島県・52歳)
視聴率低迷にあえぐ報道番組のメインキャスターに就任した進藤(阿部寛)がバラバラだったチームを成長させるサクセスストーリー。2位の作品と同様、特定の出演者が集中砲火を浴びた形だ。
中間ランキングと大きな変化が
「2話放送前にヒットメーカー役の永野芽郁さんに不倫報道があり、さらに同ドラマの共演者である韓国人俳優と二股交際も報じられ、その相手の出演シーンが不自然に減ったことも視聴者は気になってしまいますよね。
永野さんの出番も減らすのかなと思っていたら最終回までそんなことはありませんでした。正義感あふれる役柄だったので、余計に反感を買ってしまいましたね」(津田さん)

番組を立て直した進藤(阿部)でも永野の人気を回復させるのは無理だった?

このランキング結果を総括して津田さんは、
「5月の中間ランキング結果と微妙に違うのが面白いですね。『よかった』『がっかり』の両方に入っていた『対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜』(TBS系)が、今回はどちらにも入っていないし、『がっかり』に挙げられていた『あなたを奪ったその日から』は一転、『よかった』にランクインしました。
ノーマークだった『波うららかに、めおと日和』も最終回を終え『よかった』に入るなど、やはりドラマは最後まで見ないとわからないということですね。一方で不祥事を報じられた俳優が出演した作品は中間発表も今回も『がっかり』に入ってしまいました。
視聴者の嫌悪感は大きいと感じますね。今の時代は視聴者の皆さんが不倫などの色恋沙汰に過敏に反応するところがあるので、そういった騒動を起こした俳優さんは、しばらく起用されないかもしれませんね。いつからこうなったのか……」
夏ドラマの出演者のみなさん、くれぐれも騒動を起こさないように。