専門医が監修!長生き腸活スープ(撮影/有光こうじ写真事務所)

「がんと食べ物に関する研究が世界中で進んでいて、がん予防に効果的な科学的根拠のある食材がわかってきました」

 と話すのは、がん専門医で帝京大学福岡医療技術学部教授の佐藤典宏先生。

がんの発症リスクを下げる『抗がん食材』

「例えば、強力な抗酸化作用でがん細胞の増殖や転移を抑えるスルフォラファンという成分を多く含む、キャベツ。夏が旬のトマトにもがん細胞の増殖を抑える成分が。こうしたがんのリスクを下げる『抗がん食材』を日常的に取り入れてみてください」(佐藤先生、以下同)

 がん対策として最近注目を浴びているのが、腸活との関係。腸には全身の免疫細胞の7割が集まっているため、腸内環境を改善することで病気への抵抗力を上げることができる。

「善玉菌のエサとして優秀な成分を持つ長いもやごぼうも、積極的にとりたい抗がん食材ですね」

 長生きに向けた習慣として、抗がん食材を使ったスープをさっそく今日から作ってみて。

手軽に作れる 具材2種スープ

 メインの食材はたった2つだけで、 調味料も家にあるものでOK。サクッと作れるのに、 がんを遠ざけてくれる優秀スープです。

パスタの“定番味”はスープにしても美味!
キャベツのペペロンチーノスープ

キャベツのペペロンチーノスープ(料理考案・調理/柳井泉 撮影/有光こうじ写真事務所)

材料(2人分)
キャベツ……葉2枚(100g)
にんにく(つぶす)……3片
赤唐辛子(輪切り)……少々
顆粒鶏ガラスープの素……小さじ2
オリーブオイル……大さじ1

作り方

キャベツはひと口大に切る。
鍋にオリーブオイル、にんにく、赤唐辛子を入れて弱火にかける。香りが立ったら、水350ml、鶏ガラスープの素を加えて中火にし、煮立ったら火を弱め、ふたをして5分ほど煮る。

いまが旬のトマトも抗がん食材!
トマトとささみのゆずこしょうスープ

トマトとささみのゆずこしょうスープ(料理考案・調理/柳井泉 撮影/有光こうじ写真事務所)

材料(2人分)
トマト……1個
鶏ささみ……1本
片栗粉……小さじ1
白だし(市販)……大さじ1と2分の1
ゆずこしょう……小さじ2分の1

作り方

トマトはくし形切りにする。ささみは筋を除き、ひと口大に切って片栗粉をまぶす。
鍋に水350ml、白だしを入れて中火にかける。煮立ったら火を弱め、を加え、ふたをして5分ほど煮る。火を止め、ゆずこしょうを溶き入れる。

食物繊維が豊富なごぼうで腸活
ごぼうと牛肉のきんぴらスープ

ごぼうと牛肉のきんぴらスープ(料理考案・調理/柳井泉 撮影/有光こうじ写真事務所)

材料(2人分)
ごぼう……10cm(30g)
牛薄切り肉……30g
みりん、しょうゆ、白だし(市販)……各小さじ2
ごま油……小さじ1
白いりごま、七味唐辛子……各少々

作り方

ごぼうはせん切りにする。
鍋にごま油、、牛肉を広げながら入れて中火にかけ、さっと炒める。水350ml、Aを加え、煮立ったら火を弱め、ふたをして5分ほど煮る。
器に盛り、ごま、七味唐辛子をふる。

腸内環境を整える長いもをたっぷり使って
あおさと長いものクリームスープ

あおさと長いものクリームスープ(料理考案・調理/柳井泉 撮影/有光こうじ写真事務所)

材料(2人分)
あおさ(乾燥)……2g
長いも……6cm(約100g)
顆粒鶏ガラスープの素……小さじ2
にんにく(すりおろし)……小さじ2分の1
牛乳……200ml

作り方

長いもは1cm厚さの輪切りにする。
鍋に、水150ml、Aを入れて中火にかけ、煮立ったら火を弱め、3分ほど煮る。牛乳を加え、温まったら火を止める。
器に盛り、あおさをのせる。

コンロいらずの注ぐだけスープ

 加熱しなくても食べられる具材で作るから、お湯を注ぐだけで完成! 火を使わないので、台所での調理がしんどい夏にもおすすめ。

発酵食品のキムチで腸活&食欲促進
わかめとキムチのスープ

わかめとキムチのスープ(料理考案・調理/柳井泉 撮影/有光こうじ写真事務所)

材料(2人分)
わかめ(乾燥)……ひとつまみ
白菜キムチ……50g
オイスターソース……小さじ1
顆粒鶏ガラスープの素……ひとつまみ
白いりごま……少々

作り方

器にすべての材料を入れ、熱湯160mlをキムチめがけて注ぎ入れ、よく混ぜる。

しゃっきりレタスがアクセント
長いもと塩昆布のスープ

長いもと塩昆布のスープ(料理考案・調理/柳井泉 撮影/有光こうじ写真事務所)

材料(2人分)
長いも……1.5cm(30g)
塩昆布……ひとつまみ
レタス……葉2分の1枚(15g)
顆粒鶏ガラスープの素……小さじ1
オリーブオイル……少々

作り方

長いもはすりおろす。レタスは食べやすい大きさにちぎる。
器にすべての材料を入れ、熱湯160mlをレタスめがけて注ぎ入れ、よく混ぜる。

梅とみょうがの風味でさっぱりおいしい
めかぶと梅のスープ

めかぶと梅のスープ(料理考案・調理/柳井泉 撮影/有光こうじ写真事務所)

材料(1人分)
めかぶ(味のついていないもの)……1パック(35g)
梅干し……小1個
みょうが……2分の1個 
白だし(市販)……小さじ1

作り方

梅干しは種を除く。みょうがはせん切りにする。
器にすべての材料を入れ、熱湯160mlをめかぶめがけて注ぎ入れ、よく混ぜる。

Q. がんのリスクを上げる食べ物は?

A. 菓子パンやナゲットなど食品添加物の多い食べ物

 がんのリスクを下げてくれる食べ物がある一方で、食べすぎると逆にリスクを上げてしまうものも。

「味や見た目をよくしたり、長期保存を可能にしたりするために多くの添加物や保存料を加えた『超加工食品』は要注意。インスタントラーメンはもちろん、実は菓子パンやチキンナゲット、ミートボールといった成型肉も超加工食品なんです。実際、超加工食品を最も多く食べるグループはがんの発症リスクが20%以上高くなったという研究もあるので、食べすぎは禁物です」(佐藤先生)

『がんにも勝てる長生き腸活スープ』

佐藤典宏医師/著『がんにも勝てる長生き腸活スープ』(主婦と生活社) 定価1650円(税込み)※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

2023年刊『がんにも勝てる長生きスープ』をパワーアップさせて、“抗がん効果”を高めた「がん食事本」の決定版。がんになるリスクを減らして、がんになっても長生きするためのレシピ本です。毎日使える68レシピを掲載。

教えてくれたのは佐藤典宏先生

がん専門医 佐藤典宏先生

帝京大学福岡医療技術学部教授。がんに関する情報を提供するYouTube「がん情報チャンネル・外科医 佐藤のりひろ」登録者数は20万人(2025年6月時点)。

料理考案・調理/柳井泉 撮影/有光こうじ写真事務所 スタイリング/蓮池陽子 デザイン/平田毅