
芸能・スポーツ界を中心に、“オンラインカジノ”をめぐる報道が相次いでいる。
「以前から一部で広まっていた賭博ではありますが、今年2月に吉本興業所属の複数のお笑い芸人が利用し、賭博の疑いで事情聴取を受けたことから、より広く知られるようになりました」(社会部記者)
プロ野球界、テレビ局でも横行
芸人では代表的なところでM―1王者「令和ロマン」の高比良くるま。活動自粛を経て吉本を退社している。
「プロ野球でも2月にNPBが各球団に調査を要請。そこで7球団15人の選手から利用の申告があったことを発表しました」(スポーツ紙記者、以下同)
その後の調査で1人増え、8球団16人の利用が発覚。「警察の捜査に影響がある」という判断で選手名は公表されていない。
「フジテレビでは山本賢太アナウンサーがオンラインカジノで640万円を賭けていたとして、賭博の疑いで書類送検。そして同じくフジの制作部・企画担当部長の鈴木善貴容疑者は、総額約3億円を賭けたとして、常習賭博の疑いで逮捕されています。山本アナにオンラインカジノを教えたのは鈴木容疑者とのことです」
彼らは“オンラインカジノを利用(賭博)”している。しかしながらその“処分”はそれぞれで異なる。もっとも大きいのは「逮捕された」「逮捕されていない」という点だ。
「まず、日本においてオンラインカジノの利用自体、原則違法であるということは大前提です」
そう話すのは杉並総合法律事務所の三浦佑哉弁護士。
「しかし、逮捕するか否かという取り締まりの実態は、まだ“グレー”な状況だといえます」(三浦弁護士、以下同)
明確な基準は「存在しない」
逮捕される可能性があるケースは、「継続的・常習的利用」「高額」「運営側との関与や勧誘」があった場合。
逆に逮捕されないこともあるケースは、「一時的利用」「低額」「悪質性・常習性がない」「運営側との関与なし」など。
オンラインカジノについては、その「頻度」と「賭け額」がキーポイント?
「頻度や金額について明文化されたラインはなく、明確な“基準”は存在しません。逮捕というのは、(1)逮捕の理由(罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由)、(2)逮捕の必要性(逃亡もしくは罪証隠滅のおそれ)が要件になっていますが、軽微な利用者であっても、これらの要件を形式的には満たしてしまうケースが多くあります。
結局のところ、実際に逮捕するかどうかの基準はない。悪質性・常習性・捜査に協力的かなどを総合しての判断となります」

過去の例や報道を踏まえると、常習的利用(週に複数回・数か月以上の利用)、数十万から数百万円規模の金額で逮捕もしくは書類送検。それ以下の数十回・十数万円ほどなら事情聴取まで。
逆にサイト紹介や勧誘をした場合は、賭博幇助など、より重い罪に問われることも。
「原則は違法。オンラインカジノついては“いくらまでならセーフ”といったことはないと念頭に置くべきです」
芸能人やアスリートの利用によって、より目を向けられているオンラインカジノ。
この程度だったら……はありえない。