
あどけない女子児童の着替えや、子ども服の隙間から覗く下着、ショートパンツの中……。学校備品のカメラや私用スマホで盗撮したとみられる“作品”画像およそ70点は、ハンドルネームで呼び合う教師でつくられたSNSのグループチャットで共有され、時にストレートな賛辞が贈られた。
《これはいいですね》
《こんな機会があってうらやましいです》
モラルも、職業倫理も、違法行為へのためらいもない。匿名をいいことにロリコン性癖をぶちまけ合い、“推しの女児”の顔に別の女性の裸を生成AIで合成した性的なディープフェイク画像まで作り上げていたという。
逮捕された小学校教諭の両親とも校長経験者
このおぞましい変態教員グループの存在を突き止めたのは愛知県警。
女児の下着を盗撮した画像・動画などをグループチャットで共有したとして横浜市立小の教諭・小瀬村史也容疑者(37)を2025年6月23日に、名古屋市立小の教諭・森山勇二容疑者(42)を6月24日にそれぞれ、性的姿態撮影等処罰法違反の疑いで逮捕した。
同県警少年課などによると、被写体が13歳未満であることを知りながら、性的な姿態を「撮影」「提供」した疑い。
摘発のきっかけは、グループのメンバーのひとりで名古屋市立小の教諭・水藤翔太被告(34)を3月に器物損壊容疑で逮捕したことだった。
「2025年1月28日早朝、名古屋市内の駅ホームで15歳の少女のリュックに体液をかけた容疑です。すでに名古屋地検に起訴されており、ほかにも好意を抱いていたとみられる女児のリコーダーの吹き口や、学校給食の食器に体液を付着させたなどとする児童3人への不同意わいせつ罪などでも追起訴されました。水藤被告のスマホなどを解析する中で、グループチャットの存在をつかんだのです」(全国紙社会部記者、以下同)

水藤翔太被告の嫌疑に関わる事態を重くみた名古屋市教育委員会は、6月30日付で懲戒免職のスピード処分を下した。
「水藤被告は明るい性格のようです。少林寺拳法の有段者で趣味は筋トレと、勤務校ではスポーツマンとして児童に親しまれていました。両親とも教師で校長経験者。本人は既婚者でもあります。懲戒処分を冷静に受け止めて“被害者に一生残る傷を負わせてしまい申し訳なかった”と反省の態度をみせているそうです」
グループは少なくとも2024年9月に結成され、メンバーは小学校教諭と、中学校教諭とみられる人物ら約10人。

校長と教頭に次ぐナンバー3の主幹教諭
グループを立ち上げて、メンバーを加入させる権限を持っていたのが森山勇二容疑者だ。直接の逮捕容疑は2024年9月ごろ、愛知県内の施設で女児のショートパンツの中の下着を盗撮し、グループチャットにその画像を提供した疑い。勤務する小学校では2205年の春に、校長、教頭に次ぐナンバー3の主幹教諭に昇格したばかりだった。
「森山容疑者は保護者らに配る『学校だより』の作成担当で、学校行事などで児童にカメラを向けても不審に思われないポジションでした。逮捕後は“学校のデジカメで盗撮していました”と手口を明かしています。奥さんも教師で、3人の子どもを持つ父親でもあります。学校では、折に触れて児童の笑いをとるなど、コミュニケーション上手な人気教師だったといいます」(前出・全国紙社会部記者)
森山勇二容疑者が逮捕されると、複数の児童が保護者を通じて、「着替えの部屋から出ると、廊下で森山容疑者に出くわすことが何度かあった」と、証言し始めたという。
人気ぶりが、不審行動の隠れ蓑になったのか。保護者の評判もよく、逮捕を受けた臨時保護者会では多くの保護者が憤慨したという。

小瀬村史也容疑者もまた校内の人気者だった。
2010年4月に採用され、勤務する小学校は3校目にあたる。2023年に着任し、2025年度は低学年のクラス担任と学年主任を兼ねていた。横浜市内のマンションで妻子と暮らす。
「子どもたちには知名度抜群。明るくて元気な先生だからです。逮捕直後、テレビの報道番組で先生の顔が映されると、受け持ちとは別の低学年の子まで“あっ、小瀬村先生だ!”と無邪気に反応したとママ友が教えてくれました。テレビに映っているわけを説明しても理解できないでしょうし、汚らわしくて説明できないと思います」(在校生の母親)
逮捕容疑は2025年1月ごろ、神奈川県内の施設で女児の着衣内の下着を動画撮影し、2月22日にグループチャットに投稿してメンバーに提供した疑い。「自分のスマートフォンで盗撮しました」と容疑を認めている。
地元の男性が、小瀬村史也容疑者について振り返る。
校外学習で生徒たちに伝えていた言葉
「1年以上前、小瀬村容疑者が高学年の児童を引率して、地元商店街の店舗で仕事内容や展望を聞く“校外学習”にやって来たんです。少子化やコロナ禍の影響で苦戦する店舗もある中、児童は店主らにインタビューし、別の児童が動画撮影して“奮闘する商店街”のビデオを作ってくれました。
小瀬村容疑者はインタビュー前に“お互いに緊張しないでやりましょうね”と気持ちをほぐしてくれて、終わると児童たちに“インタビューを受けてもらったんだから、きちんとお礼を言いましょう”と指導していました」
言うべきことは言う教師に見えたという。
「妙なそぶりはなかったし、まともな先生でした。後日、小瀬村容疑者は各店舗にお礼の挨拶回りをするなど折り目正しい印象です。まさか、あの先生が……と、事件に驚いています」(同・男性)

横浜市教委は学校で着替えに使う教室やトイレなどに不審な機器が設置されていないか、市立小・中学校など506校に緊急点検を指示した。
「全教員に毎年、夏休み中に不祥事防止の研修を実施してきました。体罰やわいせつ事件などの事例を通じ、どうすれば防げたかグループでディスカッションするなどして自分ごととして捉えてもらう狙いです。それでも、こうした重大事案が起きてしまい、申し訳なく思っています。小瀬村容疑者は児童や同僚教師とコミュニケーションを多くとるタイプだったようで、児童に冗談を言うこともあったといいます」(横浜市教委・南部学校教育事務所の人事担当者)
小瀬村史也容疑者の逮捕当日は、家族から「今日は体調不良で休みます」と学校に連絡があったという。

愛知県警は、容疑者らのスマホやパソコン、タブレット端末などを押収して解析を進めており、残るメンバーの特定に向け捜査しているという。いずれも人気者だった鬼畜教師たち。“お手本”と信じて疑わない子どもたちに、いったい何をしているのか。