
政府が7兆円超を投じたこども家庭庁だが国民からは「解体しろ!」の声が多数。そんな中、三原大臣の不適切な行動が取り沙汰されてーー。大臣に就任してからいったい何をしていたのか。それは少子化対策とは程遠いようでーー。
少子化対策の特効薬とはいえないものが多い
三原じゅん子内閣府特命担当大臣をめぐり、辞任騒ぎが巻き起こっている。
「国会を抜け出して、美容整形クリニックに行っていたことが一部週刊誌で報じられました。しかもその日は“禁足”令が出されていた。わざわざそんなときに行く必要ある?と大騒動となっているんです」(スポーツ紙記者)
禁足とは、審議や採決に備え、国会の周辺で議員らを待機させる措置のこと。そんなときに3時間もかけて自身のアンチエイジングに励んでいたのだ。国民の反感を買うのは当たり前だろう。予算7.3兆円を投じた「こども家庭庁」での仕事はどうなっているのだろうか。
'24年の出生数が初めて70万人を割り込んだばかり。少子化対策は待ったなしの状況なのに三原大臣が進めている政策を見てみると、トンチンカンとしかいえないものばかりで─。
こども家庭庁が意気揚々と掲げ、'26年からスタートする「子ども・子育て支援金制度」が「独身税」と例えられ、批判を浴びている。
「これは独身者や子どもがいない人も、子育て支援のために実質的な金銭的負担を求められることになります。独身税とはうまい言い回しで、この制度は少子化に歯止めをかけることを目的とし、子育て世帯を支援する給付金を確保するために創設される新たな制度、という名目のもとに取れるところから税金を取ろうということなんです。
この支援金は医療保険制度を通じて、加入者全体から徴収される形になっています。年齢や家庭の状況にかかわらず、すべての公的医療保険加入者が支払い対象になっているため、子どもがいない独身者の中には“子育てをしていないのに負担するのは不公平”と不満の声が上がっています」(政治ジャーナリスト)
三原大臣は“独身税と言い換えることは間違っている”と反論したものの、莫大な予算があるのになぜ国民から徴収しようとするのか。こども家庭庁を解体して財源に充てるべき、と指摘されるのも無理はないだろう。
「三原さんが現在進めている少子化対策は児童手当の拡充や育児休業制度の改善のほか、保育士の処遇改善など。少子化対策の特効薬とはいえないものが多い」
と永田町関係者。
5月にテレビ出演した際、少子化対策がうまくいっているのかを問われた三原大臣は「対策がうまくいっているのかと言われれば、そうではないということは本当に申し訳ない」と、効果が出ていないことを自ら認め、謝罪している。
見ている方向性がズレている
「なんとしても少子化を食い止める、という信念がまったくない。だから保育士や育児休業などと、すでに子どもが生まれてからの政策に飛びつく。そうではなくて、どうやったら子どもを産みたいと思える社会になるのか、が問われているのに。見ている方向性がズレている」(同・永田町関係者、以下同)

政策と出生率の因果関係を分析するのが先ではないだろうか。確固たる信念もなければ、学ぶ姿勢もないように見える三原大臣。なぜ大臣にまで上りつめたのか。そこには2人の人物の後ろ盾があったという。
「いまいち何がしたいのか見えてこない三原さんが“姉貴”と慕っているのが、野田聖子元内閣府特命担当大臣の存在。三原さんが女優時代から付き合いがあり、政界入りを後押ししたのも野田さん。
'21年に野田さんが少子化対策・男女共同参画の担当大臣に就任したときも三原さんを大臣補佐官に起用したほど。三原さんが注目されるきっかけとなった『乳がん・子宮頸がん検診受診促進議員連盟』参画も野田さんのアイデアだったとか。ですから“三原が何をしたいかを見たければ野田聖子を見よ”と言っている人もいるほど」
もう1人、躍進のきっかけとなったのが、菅義偉元首相だという。
「三原さんの地元は神奈川で、菅さんの選挙区でもある。その神奈川人脈を生かして菅政権時代の'20年に、厚生労働副大臣に抜擢され、新型コロナワクチン接種の推進などを担当し菅さんに評価されていました。'22年の参院選でも、菅さんが三原さんの応援演説に入って当選を後押ししている。人脈づくりの活動には熱心に勤しむので、党内からの評価は高い」
少子化対策への熱意もなく、興味があるのは閣僚のイスと自らの若さ維持というのであれば大臣失格と言われても仕方がない。せめてひとつでも国民の役に立つ政策があれば─。