小泉進次郎農林水産大臣

 小泉進次郎農林水産大臣の、評価爆上がりが止まらない。最近の「次の首相に誰がふさわしいか」という産経新聞とFNNが行った世論調査で、2位の高市早苗前経済安全保障担当大臣を抑え、トップだったと報じられた。

国民からの人気は水もの

 以前、『週刊女性』のアンケート調査では「辞めてほしい世襲議員」で3位に入った小泉氏。やはり“令和の米騒動”で備蓄米をスピーディーに市場へ放出し、米の価格暴騰に歯止めをかけた実績が彼の人気を加速させているのだろう。この潮目に乗って、次期総理候補として有利になったのだろうか?

「ひとつのハードルを越えた、というくらいですね」

 と語るのは、政治評論家の有馬晴海氏。

「辞めてほしい議員でランクインしているということは、裏を返せばそれだけ知名度があるということ。国民が喜ぶことをすれば評価は上がるし、悪いことをすれば“あれはダメ”となる。知名度があれば、その評価の振り幅が大きくなりますから」(有馬氏)

 国民からの人気は水もの、ということらしい。有馬氏は自民党の中での人望が大切、とこう続ける。

彼の発信力は評価されています。今回の備蓄米放出についても、マスコミを集めて古米、古古米、古古古米の食べ比べパフォーマンスを行ったり。それを自民党の中では“スタンドプレーをしている”と、冷ややかに見ている人もいます。自分が目立っても、票を集められないじゃないかと」

受け答えにも必要な“経験”

 票を集められない、とはどういうことなのか?

「この前の東京都議選で、自民党は惨敗しましたよね。自民党の中では、米関係で小泉さんの評価が上がったから、自民党の評価も上がるだろうと読んでいた人もいました。でもふたを開けてみると、票を集めることができなかった。極端な話、小泉さんが総理になるなら、自民党を出ていくとまで言う議員もいます」(有馬氏、以下同)

 もともと国民には人気のある小泉氏だが、昨年行われた自民党の総裁選挙では“若きリーダー”を目指すと出馬したが、3位で決選投票に進む前に姿を消した。

小泉進次郎の壁画アート、口元には白い米粒が…(小泉進次郎インスタグラムより)

「あのとき“43歳という年齢で総理ができますか?”と聞いたのですが“カナダのトルドー首相(当時)も43歳で就任しています”と答えました。

 こちらは、自身がどれだけの経験を積んできたから43歳で総理になってこうしたい、といった展望を聞きたかったわけです。質問の意図がわかっていないのか、都合よくはぐらかしているのかがわからない。そういう受け答えにも経験が必要なわけです

 重責を担う大臣職に複数回就いて、党内で“小泉の顔で選挙を戦うしかない”と思わせることが必要だという。

「今回の備蓄米放出で“小泉進次郎、ここにあり”と、国民に思い出させはしました。これからは、農家の人たちが米作りを安心して続けていける土壌をつくれるか、にかかっています。参議院選挙後、おそらく内閣改造が行われ、小泉さんが農水相を続投するはずです。農協改革をどこまでできるのか、その後どんな要職について経験を積むのかによって、総理のイスが近づくかもしれません


取材・文/蒔田稔