
7月1日、新潟県上越市の中川幹太市長(50)が、高校時代に過ごした兵庫県・三田市の米を「まずい。これ言ったら怒られるんですけど」などと発言し、その2日後、上越市内の専門学校生と意見交換した際には、三田市で食べた米を「あまりおいしくない」と話したとされる。
上越市民が市長に代わって謝罪
これらの発言を知った三田市の田村市長から「ふるさと三田を侮蔑し倫理観に欠けるもの」と抗議状を送られる事態となった。これらの報道に、ネット上のコメント欄では上越市民が市長に代わって謝罪するという異例の現象が発生している。
《上越市民です。自分が住んでいる地域の首長が過去の失言も含めて、このような発言をするのがただただ恥ずかしい限りです。三田市長、市民の方々申し訳ありません》
《もはやこの人の上から目線、相手に寄り添う配慮の無さは市長として失格。失言以前にこの人の資質、人間性が問題》
《本質的に政治家に向いていませんね。自治体の市長としてあるまじき発言です》
など、立場をわきまえない発言に三田市民だけでなく、地元民からも批判の声が殺到した。
中川市長に対する厳しい声の背景には、過去の10件もの失言が影響しているといえる。
「中川市長は過去に10件もの差別発言や失言を重ね続け、2024年9月の上越市の議会定例会の一般質問で、過去も含めて市長の不適切発言を厳しく追求され辞職を求める声があがっていました。相次ぐ不適切発言などで議会からは辞職勧告決議と、否決されたとはいえ不信任案も出され、初当選時の変革を求めた市民の期待は失望に変わったといわれています」(社会部記者)
中川市長の過去の不適切発言
中川市長は就任翌年の2022年4月に「直江津には商店街がない」と発言。ここから“不適切発言”が始まっていった。同年6月には、市民対話集会で「人を傷つけたら、げんこつをくれるぐらいでいい」翌年7月には、市内の私立高校について「レベルが下の方にある」などと失言が続いた。
特に上越市政に関して大きな話題となったのが、私立高差別発言から1年も経っていない頃、市議会本会議での「多くは工場勤務で高校を卒業したレベルの皆さんで、頭のいい方だけが来るわけではない」という発言。この学力差別発言は全国でも報道され、市役所には400件近い抗議の声が寄せられ、中川市長の辞職を求める市民集会も開かれた。
公務の式典や会合などでも市長は毎回謝罪を述べ、表敬訪問なども副市長が代理で対応する異例の事態となった。
止むことのない“不適切発言”と、噛み合わない議論で市民や他の市議からも市長としての資質が問題とされることが多くなっていった。
そんな中川市長だが、10月に実施される上越市長選挙に2期目を目指して立候補することを表明している。6月18には記者会見を開き、不適切な発言を巡り、市議会に辞職勧告決議を出されたことについて「ご迷惑をおかけした」と改めて謝罪した。
市長選まで残り数か月となった今、中川市長の去就が最大の焦点となっている。過去10件の失言に加えて今回の「三田市の米まずい」発言は、有権者にとって決定的な判断材料となりそうだ─。