
7月20日に投開票が行われる参議院議員選挙へ向けて各党、各候補者が選挙戦を繰り広げているが、そんななか、X上で“非正規滞在”がトレンド入りして話題を集めている。これは日本に住む外国人をめぐる問題だと指摘するのは政治ジャーナリストだ。
参政党は「外国人総合政策庁」の設置を表明
「日本に滞在し、仕事など何かしらの活動を行う外国人は在留資格を得る必要があります。しかし、さまざまな理由で在留資格を持っていない、または途中で在留資格が切れてしまった外国人の方がいます。そういう外国人のなかには母国に帰ると身に危険が及ぶ可能性が高いなど、やむを得ない事情を抱えた方もいるため、『不法滞在』ではなく『非正規滞在』と呼称、表記すべきという流れが起こっています」
ただ、X上では『東京新聞』の「『わたしたちは犯罪者ではない』非正規滞在で困窮する外国人と支援団体が『排外主義的』主張に危機感訴え」と題された記事に対して賛否のコメントが並ぶ。
《いろいろな事情があるだろうから十把一絡げに“不法滞在”と呼ぶのはたしかに間違ってる気がする》
《これ「不法滞在」と言うと「犯罪じゃん!」と突っ込まれるから、「非正規滞在」という言葉を使うようにしたらしいんだよね。「売春」と言わず「援助交際」と言うようなもの》
政治家同士でも“論戦”が生じている。7月5日、自民党広報のXアカウントで、小野田紀美参議院議員が同党の外国人政策を解説する動画で「不法滞在」「不法就労」「違法外国人」の呼称を使用。
これに対して翌6日、野党である共産党の山添拓参議院議員が《在留資格のない外国人は「非正規」滞在にすぎず、「不法」「違法」とことさら強調するのは悪質な印象操作》と反論した。
外国人問題は今回の選挙では“コメ問題”とともに大きな論点となると前出の政治ジャーナリストが続ける。
「もっとも強硬な主張を行っているのが今回の選挙で躍進が予想される参政党です。自民党が『違法外国人ゼロ』に向けた取り組みの加速、日本維新の会が出入国在留管理庁の体制強化、警察自治体と連携強化などを政策に掲げているのに対し、参政党は新たに外国人政策を一元的に担う『外国人総合政策庁』の設置を行うとしています。
一方、社民党やれいわ新選組は外国人排除の姿勢に一貫して反対の立場を取っていて、論争は激しさを増しています」
出入国管理庁のウェブサイトによれば、2024年6月末時点の在留外国人は358万8956人で、過去最高を更新している。外国人の人口は今後も増え続けることが予想されるだけに、論争はまだまだ続きそうだ。